群馬県
2018.09.04
白山神社の白蛇
群馬県高崎市
倉賀野神社の認可申請に当たっては、五社合併が必須とされたが、白山(しらやま)神社や彌榮(いやさか)神社という南町の守神も飯玉神社に移され、神社の建物は取り壊され、大木は伐り倒された。その、伐り倒された白山神社の大木に、一際大きな木があった。
大人が五、六人で手を組んで一周できたほどだったといい、中ほどは雷に打たれたのか、黒く空洞になっていた。その虚の中に、いつの頃からか白蛇が住んでいたという。白蛇が外に出ることはなく、故に見たという人もなかったのだが、次第にそれは評判になった……
群馬県の竜蛇伝承一覧
前橋市
借りて来た大蛇
群馬県前橋市:昔、蚕を荒らす鼠を退治するために、お諏訪さまから蛇を借りてきたが、見えぬ姿を疑ってひどい目にあった村人がいた。
高崎市
白山神社の白蛇
群馬県高崎市:白山神社の大木のうろに白蛇がおり、見れば一生眼の病にかからないとか、白蛇に歯を見せれば口の中の病にかからない、などと信仰された。
千ガ淵の伝説
群馬県高崎市:昔、おせんという娘が機織りが下手だと姑などに腐され、しまいに家を追い出され、淵に入水した。夕暮れになるとその淵からは機を織る音が聞こえてきたという。
蛇渡り稲荷
群馬県高崎市:夢枕に立った白蛇は、那須野から来た九尾の眷族である、といった。これを白狐の首に白蛇の巻きついた姿に祀った。
伊勢崎市
お絹さん
群馬県伊勢崎市:養蚕が盛んなころ、お絹さんという蚕日雇が手伝う家は不思議と蚕がよく育った。お絹さんが姿を見せなくなった頃、白蛇が見られた。このお絹さんの代わりに作られたのがオキヌサン人形だ。
ヘビダマ
群馬県伊勢崎市:ヘビダマは敏感に解けて逃げてしまうので、めったに見られないが、見ると運が開けるという。
太田市
野木様と例幣使
群馬県太田市:日光東照宮へ向かう例幣使に挨拶に出るよういわれ、野田の明神様は蛇の姿で現れた。
館林市
死者と蛇
群馬県館林市:家主などの人が死ぬと長虫となって現れるので、家の近くの蛇は殺すなという。それと思しき蛇は、袋に入れて沼に逃がした。
渋川市
千が窪の蛇
群馬県渋川市:蛇が美男となっておせんに通ったが、母が嫉妬して男の衣装に針を刺した。男は来なくなり、おせんは気が狂い死んでしまったという。
藤岡市
クワトリビナ
群馬県藤岡市:鬼石町あたりでは、四月三日にヒナ祭りをする。節供が過ぎると、古いヒナの一体をしまわずに桑畑に置き、ヒナ様を桑つみにやるとか、クワトリビナを出す、などといった。
蛇と御飯
群馬県藤岡市:蛇から出汁を取ると、美味い飯ができるという。以前、東京へ奉公に出た娘が蛇の出汁を使っているのがバレて追い出されたという話もあった。
安中市
咲前神社の白へび
群馬県安中市:蚕のときは咲前神社から御眷属の蛇を借りてきて、繭の天敵である鼠を捕ってもらった。蚕がすむと、お赤飯を持ってお礼に行った。
鰻橋
群馬県安中市:大雨で橋が沈み川を渡れずにいる弘法大師の前に、耳の生えた大きな鰻が現れ、橋となった。
北群馬郡
蛇の目
群馬県北群馬郡榛東村:蛇の男に通われた娘がそれと知って泣き腫らし、蛇の目となってしまった。生まれた蛇の子は目はなかったが、娘が自分の目を与えた。
多野郡
お仙が淵
群馬県多野郡上野村:淵の大蛇は膳椀を貸してくれたが、あるときから村の娘お仙のもとに通い始めた。蛇の子を産んだお仙は淵に身を投げたという。
お仙ヶ淵
群馬県多野郡上野村:庄屋秘蔵の膳椀を壊したお仙は叱られ入水した。そして淵の主となり、膳椀を貸すようになった。
甘楽郡
大日向神社の大蛇
群馬県甘楽郡南牧村:大日向神社の御神体は、諏訪湖の大蛇の尻尾に目ができ、大蛇となったものだという。ところが村人のかなてこで片目がつぶされてしまい、以来大日向の人は片目が小さいという。
吾妻郡
平兵衛池
群馬県吾妻郡中之条町:草津の名家・湯本平兵衛の娘が、供をつれて山奥の沼に行き、自ら入水し竜となった。
佐波郡
大蛇の骨薬
群馬県佐波郡玉村町:小泉の神社の大杉の蛇が、火雷さまの雷に打たれ死んだ。ある医者が孫子に見せようとその骨を取っておいたが、子供の病の特効薬であったという。
蛇玉ぁ見た娘
群馬県佐波郡玉村町:娘が見ると金運が良くなるという蛇玉を見た。近くにいた人に知らせ戻るともう蛇は逃げてなくなっていた。