千葉県

2018.09.29


山王沼の主
千葉県木更津市

昔、吾妻の旧江戸道の傍に山王さまの沼があり、多くの蛇が棲んでいた。村人が通る時も、大声を出したりふざけたりすると、たちまち大蛇に沼に引かれると恐れられ、身分が高くてもそうでなくても、沼のそばは下馬して静かに通った。

後に、この山王さまは近くの吾妻神社に合祀された。その翌日、大蛇の這ったあとが沼から吾妻神社までずうっと続いていたという。それから、吾妻神社には大きな蛇がいるといわれるようになった……

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千葉県の竜蛇伝承一覧

銚子市

玄蕃山の白蛇
千葉県銚子市:旅人の所持金に目がくらみ殺したが、それは小判ではなく白蛇であった。その白蛇の神々しさに以後祀ったが、この家が後のヒゲタ醤油である。

鰻の鹿島詣
千葉県銚子市:鰻の精が美女となり、鰻たちが鹿島詣に行くから漁を休んでほしい、と頼みに来た。漁師たちは約束のしるしに、美女に赤頭巾を渡した。

館山市

海南鉈切神社の伝説
千葉県館山市:浜に着いた資盈が水垢離をとっている娘に訳を聞き、大蛇の人身御供と知って、自らが鉈を手に大蛇を退治した。

船越の宮鉈切の宮
千葉県館山市:海を渡ってきた神が手斧で路を切り拓き、使いを害した洞窟の大蛇を討伐された。刳木船が存していたことから船越の宮の名もある。

一本足の蛸
千葉県館山市:番太の嚊は、磯の穴に取り残された大蛸の足を一本一本切っていき、いつくたばるのかと楽しみにしていた。

木更津市

山王沼の主
千葉県木更津市:山王沼に大蛇のヌシがいたが、吾妻神社に合祀されたので這って移ったという。それ以来吾妻神社には大蛇がいるといわれるようになった。

法螺貝と三原山の戦い
千葉県木更津市:東京湾の主の大法螺貝が竜宮見物に出かけたが、印旛沼の主の大蛇や鹿島の要石に邪魔され争いとなった。最後には三原山との激闘となったが、これを富士山が鎮めたという。

貝渕の日枝神社伝説
千葉県木更津市:日本武尊が、穴に隠れた毒蛇を石で封じた。尊の徳を慕って里人が建てたのが日枝神社だという。

松戸市

水戸黄門の大蛇退治
千葉県松戸市:七つ頭の大蛇が水戸黄門を襲ったが、火攻めで返り討ちにされ、甕に封じられた。七つの面を持つ蛇だったので七面様と祀られた。

へびと光国・七面神社
千葉県松戸市:強欲な地主の怨念が大蛇となり、討たれて祟った。それで苦しむ農民を哀れみ、水戸の殿様が七面神社を勧請してくれた。

東金市

蛇島の地名の由来
千葉県東金市:鎌倉から東金に逃れた護良親王の息女・華蔵姫を追ってきた大蛇がいた。しかし大蛇は長路に力尽き、息絶えたという。

柏市

真菰が向ってくる 
千葉県柏市:あるとき、風もないのに真菰が倒れながら迫って来た。こんぶくろ池の大蛇だと思ったその人は、観音堂に逃げ込んだ。

大蛇の逢いびき
千葉県柏市:手賀沼の主とこんぶくろ池の主は年に一度逢引した。その時は風もないのにゴーゴー音がし、翌朝には淵の真菰が折れ伏していた。

八千代市

ヘエベエ弁天の由来
千葉県八千代市:持ち物に目をつけ旅の女を殺した名主だったが、その持ち物は弁天さまで、名主家は没落する。

鴨川市

章魚ヶ渕の伝説
千葉県鴨川市:労咳の母のために良い釣り場を探していた若者が、待崎川にある円形の渕で大章魚を見つけた。

おてねが島
千葉県鴨川市:二人の妹を大鮹に奪われたおてねは、鮹を憎み、復讐のためその足を一本ずつ切っていった。

南房総市

大蛸の逆襲
千葉県南房総市:雀島近くに棲む大蛸に味をしめた百姓がいた。その足を一本一本切り食べていき、足はとうとう七本目まで切り取ってしまった。

いすみ市

蛇が谷
千葉県いすみ市:ひょうたん池にはお盆にゲンバの醤油屋の大蛇が人の姿でやってくるという。大蛇が来ると醤油の出来が良いのだそうな。