福島県

2018.09.06


子安観音
福島県喜多方市

昔、都の将軍が奥州に来る途中にこの地に宿をとり、宿の美しい娘と一夜の情を結んだ。発った後も将軍は娘を忘れられず、再度訪れた。すると、娘はすでに身ごもっており、将軍にしばらく留まって産屋を建ててほしいと告げ、しかし産屋は決して覗いてはならないといった。

将軍は従者に産屋を建てさせ、しばし留まることにした。しばらくしてお産となったが、約束したにもかかわらず、将軍は産屋を覗いてしまった。すると、中では大蛇が男子の赤子をあやしていた……

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福島県の竜蛇伝承一覧

福島市

虹を織る姫
福島県福島市:山奥の淵に機を織る虹織姫がいるという。姫に会うことを夢見た若者が櫛を捧げ、霧の中に美しい女を見た。

郡山市

おせんが渕と蛇ねぶり石
福島県郡山市:渕に鉈を落としたおせんは、これを取ろうとして大蛇に呑まれてしまった。渕のそばには大蛇が舐めたという石もあった。

おせんが渕
福島県郡山市:鉈を落としたことを姑に叱られると悲嘆したおせんは、入水して大蛇となった。大蛇は姑を呪いながら、突き出た岩をねぶっていたという。

喜多方市

子安観音
福島県喜多方市:都の将軍が奥州に来た際、この地で夫婦の契りを交わして子をなした娘は、無行沼の大蛇であった。蛇のために建てた観音堂は、子どもの守り観音とされる。

若宮八幡の大蛇
福島県喜多方市:若宮八幡宮を七巻き半する大蛇が見られたが、そも社は大蛇の死骸の上に建っていると伝わる。

二本松市

うわばみ山
福島県二本松市:姿の見えぬ大蛇を新倉の宝刀の光が照らし出し、大蛇は斬られた。その首の飛んだ山をうわばみ山という。

へび壇
福島県二本松市:昔、石に腹をこすってみみずのような声で鳴く白大蛇がいた。偉い男がこの白大蛇を退治した際、大蛇の首をへび壇に埋め、尾をひがくれに埋めた。

田村市

盆花とりの娘
福島県田村市:盆花取りに来た娘が男の子に見染められ、男の子は夜家にまで訪ねてきた。母が入れぬと、娘は舌を噛んで死に、朝戸口には蛇が死んでいた。

南相馬市

機織伝説
福島県南相馬市:滝の桜を伐ろうとした二堂は、鉈を滝に落としてしまうが、鉈を取ったのは滝の水底の乙姫だった。そして、二堂が陸に帰ると三年がたっていた。

岩瀬郡

橋と大蛇
福島県岩瀬郡鏡石町:ある日農夫が用水堀を通りかかると、見ない橋があった。腰を掛けて一服すると、橋が動き出し、それは大蛇であった。