長野県

2018.09.12


榛名山の池になった池
長野県上田市

大日向の和熊入口、たばという所に昔池があった。ところが村の人たちがそれを田にしようと埋めたところ、今まで池などなかった和熊の奥に、ちょうど形も大きさも同じような池ができた。

村人たちはそれを天池と呼んだが、これもまた都合で埋めると、今度は榛名山に今の湖水ができたのだという。天池では、綺麗な女が岩の上で髪を結っているのが何度も見られた。それで尼池ともいったが、大蛇が住んでいたともいう。

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長野県の竜蛇伝承一覧

上田市

榛名山の池になった池
長野県上田市:田とするために和熊の池が埋められたが、和熊の奥に同じような池が生まれた。これも埋められると、今度は今の榛名湖の湖水ができたのだという。

お仙ヶ渕
長野県上田市:三姉弟が流れ着いてから変事が重なり、姉弟の正体は大蛇なのではないかと疑われた。村人は、三人を神と祀り封じたという。

伊那市

信州高遠大蛇を斬害す
長野県伊那市:天正年間、蓑輪の大茅原に大蛇が蟠居しており、鷹匠井深九郎兵衛に討伐の命が下った。

大町市

姥懐ガ池
長野県大町市:姑に強要され、日を招いて機を織った嫁が池に飛び込んで大蛇となった。大蛇は頼むと膳椀を貸してくれたという。

佐久市

山田神社の蛇石さん
長野県佐久市:八岐大蛇の霊がこの地に来、石に乗り移って蛇石となった。石を割ろうとすると血が流れたといい、まただんだん大きくなるので、その都度社殿も大きくなってきたのだという。

八重蒔沢の蛇石
長野県佐久市:八重蒔沢の退治された大蛇が、三つに分かれ飛び、石となった。蛇が八重に巻いていたので八重蒔沢という。常和にある石もこのときのものであるという。

蛇の枕石
長野県佐久市:平林の三つの池を行き来していた蛇は、蛇の枕石にとぐろを巻いていた。蛇が起きて三つの池を往来すると、必ず雨が降ったという。

起因の井戸
長野県佐久市:慈宗寺善光寺裏の起因の井戸は、千曲川と湯川の落ち合う琵琶島に通じており、願うと入用なものを貸してくれた。

南佐久郡

福の神の話
長野県南佐久郡川上村:蛇が集まり玉になったものを、馬桶に入れ口を閉ざし、人知れずうまく持ち帰ると福を得るという。

頭無
長野県南佐久郡佐久穂町:頭無(かしらなし)と呼ぶ土地には、昔頭の無い蛇が棲んでいたのでその地名となったのだという。

諏訪郡

釜無川ぞいの地名縁起
長野県諏訪郡富士見町:倭武尊が里人を苦しめる大蛇を退治した。その際の事績が周辺の地名の由来になっている。

上伊那郡

龍宮塚の椀貸穴
長野県上伊那郡箕輪町:松島の王塚脇の龍宮塚は入用の膳椀を貸してくれた。その蓋石の下の穴が龍宮まで届いているのだという。

下高井郡

蛇の恩返し
長野県下高井郡山ノ内町:爺さんと婆さんが息子の代わりと育てた蛇が大きくなりすぎ、山に放たれた。この大蛇・シガが人を呑むようになり、爺さんは自らシガを切りに山に入った。