頭無

長野県南佐久郡佐久穂町


八千穂村馬越から二十町(約二、二キロメートル)ばかり西北方に、頭無(かしらなし)とよぶ所がある。むかしここに頭の無いへびが住んでいたそうだ。そこでこんな地名がつけられたのだという。(馬越、農、井出伊重郎72)

『限定復刻版 佐久口碑伝説集 南佐久篇』
(佐久教育会)より

追記

場所はほぼ佐口湖のある近辺となりそうだ。かしらなし(頭無・首無)地名と大蛇の話には、首を刎ねられた大蛇の話がまずある(「頭無山」)。これは河口湖の話で、甲信地域とくくるならやや近くだ。

一方、その頭を見た人がいないほど大きな蛇がいた、というところもある(「かしらなし」など)。これは、埼玉県の柳瀬川流域に色濃い。上の佐久穂の話は、どちら寄りの話だったものかも不明だが、こう離れたところにも似た話があったらしくはある。