山形県

2018.04.04


おるい峠の大蛇
山形県西置賜郡小国町

昔、新潟と山形の境の山中に、六代目の狩人がいた。狩人は六代目まで続くと悪いことが起こるという。ある日、狩人は大蛇を仕留め、味噌漬けにした。大蛇の味噌漬けは万人にまたがれないと食べられぬという。それで、狩人は女房のおるいにも、人に頼まれても食わせてはならぬと言い置いて、壺を埋めた。

ところが数ヶ月後、狩人の留守に坊主が来て、大蛇の味噌漬けは癩病に効くと聞いたので、食わせてくれ、という。おるいはあまり頼まれるので、坊主に味噌漬けを一切れやり、自分も少し舐めて見た。するとこれがとてもうまく、止まらなくなって全部食べてしまったが、その途端、おるいは喉が渇いて仕方がなくなった。台所の水を飲んでも足りず、川の水を飲み、それでも足りずに川を遡って、しまいに大蛇になってしまった……

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山形県の竜蛇伝承一覧

酒田市

タコ穴
山形県酒田市:かつて飛島では、飢饉などに備えて、親が娘などに個人持ちのタコ穴を二つ三つ持たせてやる、ということがされていた。

南陽市

宮内山大蛇
山形県南陽市:小蛇に石を投げると、茶釜のような首の蛇になって襲ってきた。それは龍の性質ではないかという。

大蛇の橋
山形県南陽市:帰城を急ぐ殿様が、小岩沢の氾濫で橋が皆流され足止めされが、大蛇が橋となり渡してくれた。

東置賜郡

おりや峠の蛇
山形県東置賜郡高畠町:蝮の味噌漬けを食べたおりやは大蛇になってしまった。後、おりや大蛇はあんまの琵琶に魅かれて来て、一帯を泥海にするから一緒になってくれ、と申し出る。

西置賜郡

おるい峠の大蛇
山形県西置賜郡小国町:狩人の女房のおるいが大蛇の味噌漬けを食って大蛇になってしまった。後、ゴゼ様の琵琶に魅かれておるい大蛇が現れるが、ゴゼ様の決死の報せで退治されてしまう。