竜神宮

静岡県熱海市


森の中にひっそり佇む竜神宮には、海の中から現れた剣が祀られていたと言われており、大漁祈願の神として、島民の信仰を集めています。

昔、不漁が続き漁師が嘆き明かしていると、海の中から剣が現れました。それ以来、島には大漁の日々が続いたと言い伝えられています。

今でも大漁祈願するため、毎年4月3日には竜神宮のお祭りが行われ、海で取れた鯛、ブリなどをお供えします。島の人たちは毎年この日は漁を休み、大漁鉢巻を巻いて桜の下で酒を飲み交わす習わしです。

竜神宮社頭掲示より

追記

伊豆の浦々は各々竜宮さん(りゅうごんさん)を祀ったものだったが、この竜神宮は初島における竜宮さんである。このお宮は北を向き、初島の竜蛇は真鶴から来たともいうようだ(「島に上陸した大蛇」)。

これがまた海よりの剣の顕現であった、というのは同信仰圏でも類を見ない話だ。その本体は端的に竜蛇であるともいわれる竜宮さんなのだが(「えびす山」など)、初島の話は解釈するのが難しい。

はっきりとしない話だが、一応三浦半島の劍崎にも、大蛇と剣の話が両方語られる(「劔崎神社」)。そちらは逆に海に剣を投じたということで同じではないが、互いに参考にしたいところだ。