花女郎道

神奈川県茅ヶ崎市


松尾神社は女の神様で妬みっぽいので、神社の前を花嫁が通ると破談になるといわれた。それで、お宮の手前を田んぼへ通るの道があって、萩園の辻に出るが、そちらを通り、花女郎道といった。萩園や田端から町屋へ嫁ぐ人も、やはりお宮の前は通らない。(下町屋 女 大正8年生)

『茅ヶ崎の伝説』
郷土史研究グループ「あしかび」
(茅ヶ崎市教育委員会)より要約

追記

松尾大神の森はかつて鬱蒼と恐ろしく、通り過ぎた花嫁の頭が無くなったという伝説がある(「頭なしの森」)。それが嫁入り行列が通らないことの由来となるのだが、上に引いた話では、恐ろしい話というのではなくなっている。

松尾大神の神が女神だといっているところに注意がいるだろうか。この松尾さんも京都の松尾大社の分社なので、公式には大山咋命一柱の御祭神となっているのだが、大社ではまた市杵島姫命の別称ともいう中津島姫命も祀っている。