花女郎道

原文:神奈川県茅ヶ崎市


今宿の松尾神社は女の神様なんですって。その神様はねたみっぽくって、神社の前を花嫁が通っちゃうと、ねたんで縁談がこわれちゃうんですって。そこで、花嫁が通る花女郎道というのがあって、それはお宮さんのすぐ手前を田んぼの方へ行く野道で、萩園の辻に出るんです。萩園や田端(寒川町)の方から町屋へ嫁ぐ人は、お宮の前の道はやはり通りません。こっちから行くときは、お宮さんの裏を通るんですね。その道(お宮の前の道)を通ると、結婚してもたいがい別れて帰ってくるようになっちゃう。それでそこをよけて裏(花女郎道)を通って行くんです。いまでもその道残ってますよ。(下町屋 吉田登女子さん 大正8年生 昭和55年6月)

『茅ヶ崎の伝説』
郷土史研究グループ「あしかび」
(茅ヶ崎市教育委員会)より

追記