HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

交易とレンジャーと


雪山地域は物資に乏しい。セカンドフィールドを併せ考えてなお、そうだろう。そこで、他地域との交易が重要となってくる。雪山での採集は、その交易を行うための「他地域での需要」を見込んだ活動となる。自分の村の需要という視点とは少し異なるのだ。ここでは砂漠地域との交易を例にそれを見てみたい。

また、ハンターの、殊に村つきのハンターの重要な仕事として、村の管轄する狩場の管理というものがある。フィールド・レンジャーということだ。ギルドによる管理も、そうしたレンジャー活動からの情報を元に行われているだろう。雪山ではこの仕事が他と比べて大変重要となる。採集なども、レンジャー業務の傍ら行われている、くらいに思って良いだろう。

砂漠との交易

弓を好む雪山のハンターだが、その力を発揮するのに必需品となる強撃ビン(Lv1)のための火薬草を自給することができない。ハンターとしては、もっとも交易を頼りにしたいところだろう。火薬草がよく採れる地域は砂漠なので、砂漠との交易に利となる雪山の産物を集めたいという話になる。

ちなみに余談だが、この例としたのには、こちらの背景となる物語で、ポッケ村とデデ砂漠(旧砂漠)のとある村との交流が盛んである、という話があるためでもある。姉妹都市ならぬ姉妹村みたいな村があるんですな。大きい物語を背景に持っておくと、地域間の関係を考える際に役立つ。

氷柱の根元で拾えもする

閑話休題。砂漠に要り用となる雪山の産物とは、まずは氷結晶だろう。砂漠でも採れるが、あれはおそらく砂漠でサバイバルをせねばならなくなったときの切り札のようなもので、普段の採集は避けられるものと思う。

そして、その氷結晶を主力に、砂漠のモンスターに有効な氷結弾の素材となる霜ふり草(数は採れないが)、砂漠では貴重なアオキノコ・ハチミツ、操虫棍使いのために氷の蜜餌、これに砂漠でもきっと喜ばれるだろう雪山特産の滋養強壮に効く雪山草(採集ではないが、鳴き袋も重要)、とこのあたりをパッケージしたら、砂漠との交易品となるのじゃないかと思う(ちなみに下位の雪山草摘みクエストの報酬で氷結晶・霜ふり草は上乗せが期待できる)。

MHXXでは、剣ニャン丸が統括するところの交易にオトモを派遣する次第となっているが、ポイントの使い道という簡略化された交換で取引されるので味気ないところがある。上のようなパッケージをオトモに持たせて火薬草と交換してもらってくるのだと思うと、そこにも厚みが出てくるだろう。

ゲームシステムはそれとして

雪山レンジャー

さて、そのような採集も、雪山にあってはレンジャー活動の傍らで行われる。雪山というもの、モンスターの脅威以前に、その環境の過酷さが人の命を奪う場所だ。外から入るハンターが遭難することは頻繁にある。われわれの世の高山に登る者が、登り口でその予定を申告するように、外からのハンターはポッケ村に入山を申告する。ポッケ村のハンターは、この者にリアルタイムの山の状態を伝え、遭難が見込まれる場合は救助活動を行う。

このために雪山のハンターは、討伐や採集の必要がなくても、日々雪山に登り、その状態を把握していなければならない。つまり、雪山のハンターはレンジャーなのでもある。モンスターの動向は言うに及ばず、天候の変化(予測)、雪崩を起こす弱層の観測、危険な雪庇やツララの所在の把握・できれば解消(これはモンスターへの攻撃手段にもなるので、吟味はいる。MHW ICEBORNEでは、十中八九ツララは撃ち落とせるようになり、小規模の雪崩も起きるようになるだろう)、ハンターが移動する経路の保全、こうしたことを日々行なっているはずだ。

残念ながらMHXXでは撃ち落せない

遭難者救助のためには、その行程をトレースする遅速が生死を分かつ。狩においてはタイムアタックの必要というのは本来ないのだが、雪山では遭難者の救助という背景を持たせ、これが活きてくるかもしれない。タイムアタックというのも立ち回りだけという単純なものではない。雪山のハンターは、他と比してそのフィールドの達人であることがとみに求められる存在であるといえるだろう。

しかし、そうはいっても現状ゲーム内でモンスターを狩る以外の要素を再現するのは難しい。雪山名物のなんの竜の卵か謎であるあの卵を運んで、遭難者救助に見立てたりもできなくはないが、雰囲気はまるでない。多少なりともそれらしい技能といえば、ベースキャンプから各エリアへの最速ルートの把握、などはあるが、これも一度把握してしまえばそれまでではある。

そこで、雪山ではなるべくモンスターを狩らずに採集を行う技術を磨くことで、レンジャー活動の代替としている。具体的にはけむり玉の使用に熟達する、ということだ。例えば、小型モンスター相手で、発覚後にけむり玉を使っても効果はないのだが、そこですぐにエリアチェンジして再進入すると未発覚・煙幕が有効な状態になる(煙幕は続いている)、などというのもやってみないと気がつかない仕組みである(卵運びにはあまり効果がないが)。単純なところでも、煙幕の効果時間を体感で知っておくのは有効だ。そのようにしてけむり玉に慣れておくことは、大型モンスターの狩猟のための作戦立案の幅を広げもしよう。

このくらいでも発覚しない

別の稿となるが、そのような「狩らない狩場の人」という枠も、調査員などの話として後で出てくる。けむり玉の達者という話も、そちらでさらに重要となるだろう。そう思うと、レンジャーはハンターと調査員の中間的な存在だというイメージも良いかもしれない。

ところで、話は逸れるが小型モンスターを狩る場合の話も付け加えておこう。ゲーム上弓使いの矢は無限なのだが、当然実際には慎重に使うものであるはずだ。具体的には、小型モンスターは射ることなく矢切で狩ることになる(鹿角ノ弾弓では専用の山刀だが)。

この矢切にも瓶効果は反映されるので、小型モンスター狩の際にも強撃ビン一個は持っていきたい。雪山の弓師なれば、この技術においても他に見ぬものを発揮するはずだ。アクションの中に矢切系のものがひとつあっても良かったように思う。

複数同時に斬る立ち回り

ともあれ、ハンターは狩以前に大なり小なりこのようなレンジャー活動を行なっているはずなのだが、MHXXの時点ではその体験は難しい。その点、MHWは長足の進歩を遂げているのだが、現状村の暮らしという日常に接続できない。ココット村の森丘やポッケ村の雪山のような体験がMHWの密度でできる日はくるのだろうか。おそらくMHWはこれまでと話のベクトルを逆にしたんだろうと思っているが(村の暮らし〜世界の秘密、というのを逆にした)、そうなると村の暮らしが出てくるのはトリとなる。さて。

▶︎ 関連記事

概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ ポッケ村

雪山と弾弓と
ポッケ村と雪山のルーキーハンターの話も、その骨子や構成の仕方はココット村のそれとそう変わるものではない。ここではその辺りはざっと見ることにして、雪山ならではという部分をクローズアップしていきたい。

沼地と鳥幣弓と
雪山のモンスターは押し並べて火に弱い。ここのハンターにとって火属性の武器を備えることは序盤の大事である。弓使いであれば、イャンクックの弓、鳥幣弓にこれを求めるだろう。

ホワイトアウト
ポッケ村のルーキーハンターもまた、ココット村と同じく三年ほどで関門となるモンスターに単独挑み、街へ出る。この雪山の関門はドドブランゴとなるだろう。

▼ その他

ハレの日と竜の巣あさりと
採集クエストはゲーム内にたくさんあるが、あれしきで済むものとは思われないので、自分でクエストを作ってしまおう。MH0においては、基本クエストとは自分で作るものである。

ガラス素材と護衛任務と
ハンターの重要な任務に、ハンターではない人々が何らかの仕事をしにフィールドに赴くにあたり、その現場と経路の安全を確保する、護衛任務というものがある。ここでは森丘のセカンドフィールドとしての沼地に採掘に赴く人々の護衛任務という仕事を見たい。