HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

森丘とランポスと


それぞれの土地には、そこに良く適応し、旺盛に繁殖するモンスターがいる。これをどう制するかがその土地に村落を営む人々、その村のハンター第一の課題であり、森丘に近いココット村ではランポスがその対象となる。

その村では、そのモンスターから得られる素材を役立てる工夫が発達するだろう。そしてその日常的な需要は確たるものとなる。このあたりの様子をうまく表現したハンター像が描けると、まずは重畳となり、話の起点となろうかと思う。

必需品であるランポス素材

そもそもランポスは、公式資料(『ハンター大全』)に、得られる素材が村の生活に大きく役立っていると明言されているモンスターだ。骨や爪牙は無論のこと、その皮鱗もハンターの武器・防具(試し斬りにも使われる)に使われるだけでなく、村の人々に多く求められている。

ベースキャンプのテントをよく見ると、布地ではなく皮である。(色はともかく)ランポスの皮は、われわれの世でいうブルーシートのような使い勝手のあるものではないか。そうなると、その需要は大変に大きいものと思われる。

ハンターでなければ生きては帰れぬ

ゲームプレイヤーとしてのわれわれには狩り慣れた弱いモンスターの代表であるランポスだが、上の画像を虚心坦懐に見るならば、生きては帰れぬ必死の状況に見えるだろう。一般の村人にとってはランポスは十分に危険なモンスターなのだ。

ココット村の駆け出しのハンターには、このランポスが村人の活動域に侵入するのを防ぎ、またそこから得られる素材を村に持ち帰ることが最初の課題となる。

サーペントバイト

かくしてハンターも、ランポスの武器・防具を普段使いにして狩を行うことになる。この「普段使い」という点が重要だ。ここでは、武器も防具も使えば劣化するのだ、ということを前提としている。

村のハンターの仕事というものは日々のものである。武具が直るまで呑んだくれている、というわけにはそうそういかない。速やかな修繕のための素材が無理なくストックされていなければならない。

ランポス防具一式とサーペントバイト

ここで注目される武器に、ランポスの爪牙を用いたものがある。大剣の蛇剣【蒼蛇】や片手剣のサーペントバイトがそうだ。ここでは、この武器種は磨耗する刃部の爪牙を換装しつつ使われる武器だ、としたい。すると、上記のココット村のハンター像を大変よく表現する武器であるのがわかる。

またここではココット村のハンターは伝統的に片手剣を好む、としているので(村と武器種の使用傾向の話はまた別に)サーペントバイトで話を進めよう。

この武器であると、下位だとLV.2あたりが妥当だろうか。緑ゲージは短く、決して使い勝手がいいとはいえないが、イャンクックならば十分に狩れる。それ以上の強化LVとなるとより強力なモンスター(ゲーム内ではタマミツネ)の爪などに付け替えているようであるから「普段使い」とはいかないだろう。

ランポスを狩る生涯

このようにして、ココット村のハンターの標準的な姿が見えてくる。この出で立ちで、他どのような村の人々の需要に応えているにかを考えていこう。なお、普段使いという点からはこの装備は駆け出しであるとベテランであるとを問わない。ベテランであっても村の日々の需要のためにランポスを狩るのに、壊れたら簡単に直せないという武具は用いない。

ともあれ、終生ココット村で日常の需要に応えるというハンターならば(われわれの世の猟師であればそれが普通だが)、これが日々のユニフォームであり、生涯にわたって日夜ランポスを狩って暮らすことになる。ゲームとしては地味すぎるが、これで完結する枠組みの内部を固められないと、MH0は成り難い、という基盤でもある。

場合によっては生涯狩り続ける相手である

ところで、この先の採集活動でも基本となることだが、MH0では「売る」という行為が大変重要であることを強調しておこう。ゲーム内でこの行為が積極的に行われることはまずないのだが、ここではそもそもこうして売るために狩に出るのだと心得るのが肝心となる。

下の画像の売価で分かるように、ランポス素材など売ったところでゲームを進める上での足しには全くならない。しかし、そこに意味・背景を折りたたんでいけるかどうかがMH0、ということになる。

「売る」という行為が肝心

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概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ ココット村

キレアジと骨武器と
色々なアイテムの解釈というものがアイテムの数だけあるわけだが、特にキレアジのこと。その背びれが非常に硬いので、砥石がわりになるという魚である。

ハレの日と竜の巣あさりと
採集クエストはゲーム内にたくさんあるが、あれしきで済むものとは思われないので、自分でクエストを作ってしまおう。MH0においては、基本クエストとは自分で作るものである。

ガラス素材と護衛任務と
ハンターの重要な任務に、ハンターではない人々が何らかの仕事をしにフィールドに赴くにあたり、その現場と経路の安全を確保する、護衛任務というものがある。ここでは森丘のセカンドフィールドとしての沼地に採掘に赴く人々の護衛任務という仕事を見たい。

骨素材と虫狩と
ゲーム内のクエストの背景を大きく変えてしまう例をあげよう。今回は甲虫の大発生クエストで、その大発生が村にとって重要なものであり、待ち望まれている季節的な一大事なのだという話をしたい。

狩場の時間とイャンクックと
今回のお相手となるのはわれらがイャンクック先生であります。ゲームプレイヤーとしてはもう十年以上狩り続けている相手なので、LV.2 サーペントバイトであっても5分もかからず狩れてしまうのだが、無論あの世界でそういくわけはない。

激闘リオレイア
ココット村のルーキーハンターは、三年ほど村と直轄の森丘の狩場で基礎を培う。そして、関門とされるモンスターを狩猟してのけたならば、ものになる者として街へ送り出される。イャンクックを狩れればまずまず、リオレイアを狩ってのけたならば期待の新人と見做されるだろう。

▼ その他

雪山と弾弓と
ポッケ村と雪山のルーキーハンターの話も、その骨子や構成の仕方はココット村のそれとそう変わるものではない。ここではその辺りはざっと見ることにして、雪山ならではという部分をクローズアップしていきたい。