HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

狩場の時間とイャンクックと


今回のお相手となるのはわれらがイャンクック先生であります。ゲームプレイヤーとしてはもう十年以上狩り続けている相手なので、LV2サーペントバイトであっても5分もかからず狩れてしまうのだが、無論あの世界でそういくわけはない。

とはいえ、では「そういくわけ」とはどういうわけかというと、少々考えどころとなる。ゲーム中の時間はあの世界の実時間でどうなるのか、ということだ。ここではイャンクックの狩猟を見ながら、その時間というものを考えたい。

狩場の時間

公式の設定は知らない。おそらく公表はないのじゃないか。しかし、小説の一部では、クエストの期限を二日としている。つまり、ゲーム内の50分の制限時間は二日ということだ。大まかに考えればゲーム内の1分が一時間ということになる(MHWでは50分で一日のようだ)。

ここでは50分が二日設定を踏襲している。少々ズレはあるが、日中主体の狩は日の出にはじまり、翌日の日没が目処とされる(ゲーム内の10分前)。最後の夜に入って継続するかどうかはその狩次第、というところか。

例えば下の画像のように、ドスランポスも複数がそれぞれ群を率いて侵入したともなれば、二日に渡る狩となるだろう。ルーキーハンターは夜の深追いは避け、休む(ちなみに夜のBCの焚火は光源となっているので、照り返しのある魅惑の肉焼きができる)。

ゲーム内に昼夜があったら……

全行程の内わけは
針1〜15(昼)
針15〜25(夜)
針25〜40(昼)
針40〜50(夜)
といったところだ(夜が主体の狩は夜を15分扱いにする)。

このような時間感覚は、その狩の実際がどんなものか考えるのに重要となる。確かにイャンクック相手ならば、ベテランハンターが優秀な武具で挑めば三時間(3分)で倒せるかもしれない。文字通りの朝飯前である。しかし、これが関門となるようなルーキーにはとてもそうはいかないだろう。

おそらく、その日のうちにどこまで追い込めるかがボーダーとなるのではないか。十時間から十二時間というところだろう。ゲーム的には針10は超えたいところとなる(切りたい、ではない)。逆にいえば、そのくらい時間がかかるように狩るのがそれらしい内容だ、という勘定になる。

この局面は10分を超えたい

大タル爆弾と退避

ただ時間をかけるだけなら、のんびりとヒット・アンド・アウェイに徹するだけでもそうなるが、そうもいかない。少々筋違いだが、ここで大タル爆弾についても述べておこう。ベテランプレイヤーであれば、印象と違ってそれほどの大打撃になるというわけでもない、と知っている大タル爆弾だが、ここでは積極的に使う理由というのを与えたい。

やはり、大型モンスターという存在は、ただ斬りかかってどうなる相手ではない、としたい。彼らのタフネスが基本体力だけでなくその再生力にあることは、MH1のときから明言されている。それでは、その体の広い範囲に一度にダメージを与えてはどうか。さしもの再生力も、分散されて鈍くなるのではないか。そこに斬りかかってダメージを与えることのできる余地が生まれるのではないか。と、このような効果があることで大タル爆弾は使われるのだとしたい。ゲーム上で与えられるダメージ量はさて置き、開幕爆破は狩の定跡であるとしよう。

初手の爆破は狩の定跡

しかし、数字上それほどの威力ではないといっても、村下位のイャンクックにとっては大ダメージであり、そのまま追撃したらすぐに足を引きずってしまう。それがそうは行かない理由とはなにか。それはゲーム上ではできる限り避けられる「一時退避」を多用することによる。要はモンスターが怒ったら逃げ、鎮静化を待つということだ。実際のあの世界のハンターには、それが当たり前のはずである。討伐時間が早いからといって、得られる素材も報酬も増えはしないのだ。そこに危険を冒す理由はない。

イャンクックの怒り状態は、通常1分ほどだが、この間退避して待つということは、あの世界で一時間が経つことを意味する。タフな狩の合間にそのくらいの休息を挟んでいくのは、これも当然といえる。また、タイムアタックのような狩模様だと使われなくなるペイントボールだが、上のような狩では必携である。

最終盤

このように狩を進めると、大体針10くらいでイャンクックも瀕死となり、巣に逃げ帰る。日が傾いた頃合で、最終盤となる。

狩の締めくくりにもいろいろある。まず、ゲーム内の通常の狩にはない「撃退」が目指されるだろう。イャンクックはともかく、危険度★4以上のモンスターに対して、村のハンターが第一目標とするのはそこだろう。この点は次回のリオレイアの項で述べよう。

日常の狩では捕獲が多いだろう

次には「捕獲」が目指されるだろう。大概のモンスターは瀕死の休眠のタイミングで捕獲できるが、そこを超えてモンスターと渡り合うのは非常に危険だからだ。ゲームプレイヤーのこととしても、モンスターの最後の大暴れでキャンプ送りになるルーキーは多かろうと思う。それがあの世界の実際としては輪をかけたものになると思われる。

一方、そこまで行けば「命を狩る者」として、最後は真正面から渡り合うのが礼儀だ、と考える個人やその村の習いがあるのも自然だろう。少し逸れるが、休眠爆破の件もある。寝ているモンスターへの最初の一撃はダメージが多く入るので、ここで大タル爆弾Gを使ってとどめを刺す、というのも常套だ。しかし、ここでは基本やらないことにしている。その爆破がとどめとなるならば、モンスターはもう再生しない。先の開幕爆破の背景と併せ考えるならば、モンスターは広範囲にダメージを負った状態で絶命する。つまり、得られる素材の質が大きく落ちてしまうのではないか、ということだ。このあたりは「最後は真正面から」というスタイルと相性が良いだろう。

強力な手段には代償があるものだ

いずれにしても、わがルーキーも、この丸一日中という狩猟を乗り越えて一人前への一歩を踏み出す。イャンクックから得られる素材で武具も強力になるだろうし、おそらく街へ出るときの防具としてイャンクック一式は尊ばれるものであるだろう。

また、見てきたようなゲームと実際のあの世界とのギャップを埋めるさまざまな工夫を試すのにも、この段階のイャンクック討伐は最適だろうと思う。これである程度目星をつけ、次のMH標準モンスターであるリオレイア討伐で流れを確かなものとしたい。

▶︎ 関連記事

概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ ココット村

森丘とランポスと
それぞれの土地には、そこに良く適応し、旺盛に繁殖するモンスターがいる。これをどう制するかがその土地に村落を営む人々、その村のハンター第一の課題であり、森丘に近いココット村ではランポスがその対象となる。

キレアジと骨武器と
色々なアイテムの解釈というものがアイテムの数だけあるわけだが、特にキレアジのこと。その背びれが非常に硬いので、砥石がわりになるという魚である。

ハレの日と竜の巣あさりと
採集クエストはゲーム内にたくさんあるが、あれしきで済むものとは思われないので、自分でクエストを作ってしまおう。MH0においては、基本クエストとは自分で作るものである。

ガラス素材と護衛任務と
ハンターの重要な任務に、ハンターではない人々が何らかの仕事をしにフィールドに赴くにあたり、その現場と経路の安全を確保する、護衛任務というものがある。ここでは森丘のセカンドフィールドとしての沼地に採掘に赴く人々の護衛任務という仕事を見たい。

骨素材と虫狩と
ゲーム内のクエストの背景を大きく変えてしまう例をあげよう。今回は甲虫の大発生クエストで、その大発生が村にとって重要なものであり、待ち望まれている季節的な一大事なのだという話をしたい。

激闘リオレイア
ココット村のルーキーハンターは、三年ほど村と直轄の森丘の狩場で基礎を培う。そして、関門とされるモンスターを狩猟してのけたならば、ものになる者として街へ送り出される。イャンクックを狩れればまずまず、リオレイアを狩ってのけたならば期待の新人と見做されるだろう。