清徳寺の鎌獅子の雨乞い

原文:神奈川県愛甲郡愛川町


ここの獅子は行道獅子の頭で、かつては雨乞いの獅子として信仰があった。日照りのときは各所に出かけ、雨乞い祈願の行道(道をねり歩く)をしたという。現在この獅子頭は清徳寺の鎌獅子宮に祀られている。

この鎌獅子(カマジシ)の名の由来は、下あごのない獅子頭からきている。むかしこの獅子が行道をすると、三増中の水を飲み干してしまうので、水の少い三増では困ってしまい、獅子が水を飲めぬように下あごをはずしてしまったのだという。それ以来雨乞いの呪具としてあるという。

参考:

この鎌獅子は行道獅子の頭(かしら)で、三増の甘露山清徳寺の獅子宮に厄除けのご神体として祀られている。頭は中世の製作といわれ、長43cm、幅47cm。本造彩色で、下顎(したあご)を欠いていることから鎌獅子の名がある。

かつてこの獅子頭は雨乞いの呪具であったという。むかし、この獅子を舞わすと大量の水をのみ干すので、ためにその下顎をはずして旱魃のおこらぬよう願ったと伝えている。

『愛川町郷土誌』愛川町教育委員会
(愛川町)より

追記