デェダラボッチ

神奈川県高座郡寒川町


うちのおやじの話は、でっかすぎちゃって。よくね、うちのおやじは、デェダラボッチの話をした。それがね、途方もねえ大きいんだね。途方もねえ話がね、大きいの。それがね、近江の琵琶湖、琵琶湖の泥をね、昔、よくパイスケってよ、天秤で担ぐあれでね、近江琵琶湖の泥をパイスケに入れて、そんで、富士山に腰かけて、ひょいと置いたら箱根の双子山ができた。そんな話をよくしたよ。(田端 男 大正14)

寒川町史調査報告書3
『はなし・ことば・あそび・うた』
寒川町史編集委員会(寒川町)より

追記

北の相模原の方に多く、中間語られず、また南の茅ヶ崎の方に行くと語られる巨人の話。田端というともう茅ヶ崎市に隣接する地区なので、南寄りの話が出始めているといえるだろうか。

ただし、茅ヶ崎市域の巨人は東から西へ移動しているきらいがある(「だいの窪」)。こちら寒川の話は琵琶湖の土を運んでくるという、スタンダードな経路だ。そこは別物といえる。