なんばの小池
原文:神奈川県高座郡寒川町
本殿裏にある神泉池。
因に明治十年前後の『皇国地誌』によりますと、「上獄山の(本社北後)南より西へ回れる遺濠 巾二間あるを難波の小池と唱ふ。
旱魃祈雨に験なき時に、この池の泥を浚へば必ず雨降る。
されど潤雨ならず大雨霖雨となるゆえ、土人恐れて容易に泥土を動かさず」とあります。
寒川神社の追儺祭・部分
また、神前に戻り、そこで「なんばの小池」と大声をはり上げ副士以下、参拝者も交えて社殿を右回りに三回まわる。ドーンドーン(太鼓)「ナーンバーノコーイケー」という具合に太鼓につれて唱える。この「なんばの小池」という言葉は、全行程で三十三回唱えることとなっています。
昔は、きまった人数だけで回っていたので応援する声が少なくて「『なんばの小池』と、一番先に行く人は、なかなか骨だんべ」ということを皆、言っていたのですが、現在では、参拝者が多過ぎて一回まわるにも時間がかかり、なかなか思うようにいきません。
三回まわり終え、神殿に向って「なんばの小池」と大声で叫んでこの儀式を終ります。
(小菅信雄・寒川神社副士)
『さむ川 その昔を語る 第三集』
(寒川町郷土研究会)より