善波太郎にまつわる地名の由来

原文:神奈川県伊勢原市


旗に鈴がついて北の方からから飛んできたっていうんですよね。そいで、善波太郎っていう人は、弓の名人だったって。非常に、剛弓って、つよい弓をひかれたって話で、いま残ってるのは、善波に、弦しめしっていう地名があるんですがね、山で猟をするに、善波太郎はそこへ行って弓の弦にしめしをかけて、水をかけて、剛弓を射て山の穫物を落としたという剛弓の名人だったらしいですよ。そいで今の話で、北側から旗に鈴がついてきて、それをその弓で射ったと。その時に落ちた鈴が、その関係で鈴川とつけたというんですよね。北の方から飛んできたんだから、その矢の飛んでった先が、矢崎という地名だって。そいで、その時に旗がそのあっま流れて飛んでったと。その落ちた所が、落幡と、昔、鶴巻の所が落幡といったわけですがね。

『伊勢原市史 別編民俗』伊勢原市史編集委員会
(伊勢原市)より

追記