石田の島田松

原文:神奈川県伊勢原市


平塚あたりから見ると、女の人が島田を結ってたように見えたらしいね、根元から木のまたまで25間ぐらいの高さがあった。ある時にゃ、桑畑に硫黄がふった硫黄がふったって大騒ぎだったんですよ。そしたらね、風の加減で、松の木のね、花粉が落ちたらしいんだ。その当時だね、その松の木の上にね、大蛇か何かが化けて出るって、上にけむが出てるって大騒ぎだったんですよ。けむが6尺か9尺ぐらいの長さにね、黒いもくもくしたのが動くのね。そんで望遠鏡でそれ見たら、ぶゆ(ブヨ)のかたまりだったんですよ。あんな所にぶゆが結集したことあるんだね。

『伊勢原の民俗 成瀬地区』
伊勢原市史編集委員会(伊勢原市)より

追記