蛇のいびき

原文:神奈川県秦野市


畑でね、仕事してて、暑いから休んでたんですって、そしたら、向こうが藪んなってて、竹のささがいっぱいね、生えてるところに、なんだかいびきが聞こえるんだって。「こんなところでなんでいびきが、だれか寝てんのかなあ」つって、ずいぶん大きいいびきなんだって。そいで、近所にいた人みんな呼んできてね。こうやって聞いてて、みんな騒いだら、動き出したんですって。動き出したら分かったんですって、蛇なの、こんなに大きな、丸まっててね、一升ビンくらい太いの、それがね、竹が倒れてるでしょ、枯れた竹が、それがミシミシミシミシと、それを折りながら、向こうへねはっていったけどね、寝てるときにね、もう、すごいいびきかくの。昔はそんなのがいたらしいね。(山谷)

『秦野市史 別巻 民俗編』(秦野市)より

追記