六社大明神

原文：神奈川県逗子市

浦郷庄にて淺間の山下の古池（臺池とも云ふ）に毒蛇住み萬人を取り喰ふ事二十年餘也、此度退治事也、天應元年（一四四一）五月八日に近郷の郷司の面々六十四人出で退治す、其の中にも六人、今の世迄申殘有之毒蛇、七つの頭あり、長さ十五丈餘也、勇士六十四人の内

一、古池大進信光
二、臺池右京純光
三、岡本左馬正信氏
四、星谷刑部大輔
五、石渡光氏
六、池子將監大輔成孝

右の六騎にて毒蛇退治す、同年九月八日に其の體、七つの頭顯して六人に見て其の日七つ時に六人皆一同に死事、故に此の六人を六社大明神と崇奉是也、時に石渡光氏行年四十八歳也、法名曰、阿彌陀寺勇勝靈山大居士と號す、是は將監ヶ谷阿彌陀寺に石塔立てあり池子古記録にも見賜事也。

導師は東昌寺天海上人、神武寺義山上人、金澤藥王寺和門上人。（鈴木三藏藏）

『改訂逗子町誌』改訂逗子町誌刊行会
（逗子市）より

追記