大蛇をまたいだ話

神奈川県川崎市宮前区


昔ある木挽が初山の池のふちを通ったら、でっかい松が倒れていた。木挽が何の気なしにまたいで行き、仕事帰りにまた通ると、松は跡形もなく、大きなものを引きずったような跡が神戸の長谷戸まで続いていた。松と思ってまたいだのは大蛇であったのだという。

『川崎物語集 巻四』川崎の民話調査団
(川崎市市民ミュージアム)より要約

追記

初山の池というのは不明。北側ゴルフ場の中に池が見えるが、それだろうか。神戸(ごうと)というのは今の神木(しぼく)地区となるが、そちらに何があったのかも不明。長谷戸(ながやと)は南の鷺沼のほうだが、それとは別か。

ちょうど武蔵野貨物が地下を通る北東側を大蛇が這ったとすると、神木二丁目にあったという神戸との間には蛇の注連縄をあげる白幡八幡大神(平地区)が鎮座される。