蛇塚

神奈川県横浜市旭区


明治の初め、二俣川大池に大蛇が出たそうだ。その大蛇を白布でかつぎ、ここまで運んで来てさるすべりの木の下に埋めたという。 現在もそばにその当時のであろうかさるすべりが一本立っている。「妙法蛇之塚」と刻まれた碑がある。(白根神社境内)

『旭区郷土史』(旭区郷土史刊行委員会)より

追記

白根神社は明治までは不動さまだった(現在は下に前不動としてある)。その境内には今もその「妙法蛇之塚」がある。二俣川大池とは現在のこども自然公園内の池のことで、本宿の大池といわれた溜池。

そこの大蛇を担ぎ、というのはどういうことだかよくわからないが、大池の大蛇が亡くなったので運んできて葬ったとか、鴨撃ちがあやまって大蛇を撃ってしまったので葬ったなどという。池のほとりのほうにもその話をいう弁天のお宮がある。

白根不動とその周辺はまた別に竜蛇の話がよく語られる地域なのだが(「白根不動の龍」など)、少し離れた所の主が死んだとなれば持ち込まれるような印象のある場所だったのだろう。もっとも、そう昔々の話でもないのだが。