白神社

原文:神奈川県横浜市戸塚区


今から何百年という昔のこと、しろんぼというところに真白い蛇が、どこからともなく現われた。人々は見たことも聞いたこともない白蛇を吉報のさきがけといって喜び、神様のお使いだといって、決していじめるというようなことはせず、寧ろ大切にしていた。その蛇が発見された年の夏のことである。土地の人は、今まで神社のないことを歎いて、何とか氏神様を建てようではないかということになり、話がまとまり神社の建築は始められたものの、いよいよ完成してみれば誰を祭神としてよいものか、また名前を何とつけてよいか思案にまよった。そのとき誰いうとなくこの春発見された白蛇を祭神にしようと言いだし、名前もそれに因んで白神社と名付けることになり、祭礼は完成した十一月十四日に行うことになったという。(ゆかりの里)

参考:白神社(同資料・寺社の稿)

当神社は闇淤加美命を祭神とし、正暦年間(九九〇)当町松窪に大きな白蛇おり、付近の農地を荒らしたので、闇淤加美が白蛇となって村民をいましめたものと思い、白神社を創建したという。それからは災害もなく、村内平穏であった。昔は天水場と言って降雨がないと農作に困ったが、祭祀を行なうようになってから災害を受けることも少なく、田畑がうるおい豊作地となったといわれている。

『戸塚郷土誌』戸塚区郷土誌編さん委員会
(戸塚区観光協会)より

追記