国昌寺は曹洞宗の古刹だが、山門に左甚五郎作と伝える龍の彫刻がある。ところが、この山門の扉は常に閉鎖されたままで「開かずの門」と呼ばれており、次のような伝説がある。
昔、寺の檀家の葬列がこの門を潜ると、中の仏様がなくなり、棺が急に軽くなる、ということがあった。そしてそれは甚五郎の龍が喰ってしまうのだといわれた。そういうことがあって、その門は開かれることがなくなったのだそうな。
また、この山門の龍は、見沼が大雨で氾濫すると抜け出て、湖面をのたうち回ったともいう。それで、その頭には太い釘が打ち込まれ、以降は抜け出すことがなくなったのだそうな。