とびら淵

茨城県高萩市

大荷田へ行く途中、ずっと下がると川があって、とびら淵という深い淵がある。昔、下君田に日照りがあって、田が作れなくなり、摺鉢山の池の水を掘り切って流した。そうしたら、摺鉢山から子どもを抱えたお姫様が、旗竿を抱えて出てきて、とびら淵に飛び込んだ。

その姫様は大蛇だった。千年とか生きないと大蛇にならないというが、相当長く生きた蛇なのだろう。その大蛇がとびら淵に住んでいる。

高萩市教育委員会『高萩の昔話と伝説』より要約