曽木神社の池のうなぎ

群馬県富岡市

鏑川にオノレの滝があるが、昔はこの滝をうなぎがよく昇った。そして、曽木神社の池に泳ぎ込むので、池にはうなぎがたくさんいた。うなぎは皆片目で、池から川に入ると両目になるという。神社の池のうなぎが多いのは、これを捕ると目が潰れるといわれ誰も捕らなかったからだ。

もう一つには、曽木神社の神様は眼病を治してくれるといって、治るとうなぎを池に奉納した、ということもある。生きたうなぎを新聞紙にくるんで持ってきて放つので、昔は池の底によく新聞紙のかすが沈んでいた。曽木神社が眼病に効果があるのは、この池の主のようになっているうなぎの片眼がとび出していて、それが治してくれるのだと言われている。

『富岡市史 民俗編』より要約

また、意味がよくわからないが、目を治してくれる理由を、ヌシの鰻の片眼がとび出しているからだ、といっている。鰻が悪い目を身代わりに受けてくれて(片目になる理由)、目が治ると説明するところはままあるが、それとは違うようだ。