昔、賀茂神社前の道は例幣使様が通る道だった。松並木が休み場所になっており、一行が休んでいたが、突然犬が吠えたてた。それで腹を立てた殿様(例幣使様)は、家来に命じ、犬の首を切ってしまった。
すると、犬の首が鳥居の上に跳ね上がり、そこにいたヘビをくわえたという。殿様は、犬が自分を助けようと吠えたのだとわかり、自分が帰るまでに(三ヵ月かかったという)塚を造り犬を供養するよう、名主に供養金を渡して行った。
春日様の裏にあった塚が、その塚で、石尊様を祀っていた。また、ムラでは、鳥居があったのでヘビが上がったのだ、ということで、神社の鳥居を外してしまい、今もないのだという。はたし(機織機)にも鳥居が付いているので、正月には鳥居を出さないということで、正月は機織りもしない(石原)。