鰻が虚空蔵菩薩の乗り馬といい馴らわされたことは、古書によると、鰻と鱧とを取りちがえたことで、鱧の頭には七つの白点があり、それは北斗七星を戴くものとして星の宮なる虚空蔵菩薩の乗り馬とされたのを、鱧でなく鰻にされてしまったのであるという。(部分)
原話の「栃木市と鰻」は栃木市と太平山と鰻に関していろいろ長く(やや散漫に)書き連ねている稿なので、内の一部を抜き出して引用した。他の内容は「太平山と鰻」から追われたい。
しかし、虚空蔵菩薩の眷属が鱧(はも)であった、というのは他で聞かない。その古書というのも不明。そもそも鱧の頭に星があるという認識が広くあるものなのかどうかも知らない。
要は現状委細不明なのだが(そもそも虚空蔵菩薩と北辰というのも直結するというものでもない)、一部であってもこういった見解が昔からあったというなら大変重要な話になるだろう。