昔は気持ちの悪いほど木々が茂っていて、人も行かなかった横川滝だが、話を聞いて、水戸の黄門さまが来た。黄門さまは家来の助さん、格さんを連れてきたが、滝には一人で入った。たいした水も落ちていないように思えたが、奥には水は流れておらず、石の段の上にお姫様がいた。
姫は何をしに来た、といい、黄門さまは、入って帰ったものがないというから見に来たと答えた。すると姫は、今度は帰してやるから、二度と来るな、と言った。しかし、黄門さまが帰ろうとして見ると、今度は水がものすごく落ちていて、出られない。
外で待っていた助さん、格さんが、隠居さん何してんのか、と思って、迎えに入って助け出したので、黄門さまは滝から出られたのだという。