富山県
2018.04.25
浅生のつぶら池
富山県中新川郡上市町
母親が乳のみ児をつぶらに入れて、奥山に山菜を採りに行った。ある日、見知らぬ女がじっとつぶらの児を見ていたが、たちまち蛇(じゃ)となり、つぶらもろともぐるぐる巻きにして、池の中に潜り込んでしまった。水の上には六本の藁屑だけが浮いたという。
この藁の上に葦が生い茂って浮島になった。付近の人たちはこの浮島の漂い方によって天気を占う。雨の日には母は雨のあたらぬ北東の山へ、晴れた日にはしめった南西へ山菜採りに行っていた。浮島は今でも母を慕って天気によってそのように追い流れるのだという。
富山県の竜蛇伝承一覧
中新川郡
浅生のつぶら池
富山県中新川郡上市町:つぶらに入れられていた乳飲み子が、蛇に巻かれ池に引き込まれてしまった。残った藁が浮島になり、母を慕って流れたという。