蛇沼の由来

神奈川県横須賀市


大津四丁目は、昭和二十九年頃まで「蛇沼」という町名で呼ばれていた。その由来はよく分からないが、現在の四丁目の地域内に四か所の小さな沼があり、ここにたくさんの蛇が泳いでいたからだという。事実、この辺りは蛇が多く、山遊びなどの時には、よく見かけたものであった。

伝説には、「へぶるま」と呼ばれるものが蛇沼に在ったといわれ、現在でも県立横須賀大津高校の敷地内に蛇沼の碑が残されている。(大津・海老原敏夫)

『古老が語るふるさとの歴史 南部編』
(横須賀市)より

追記

今はもう沼はない。上の碑のほかには四丁目町内会館の入り口に蛇沼会館と額が掛っている。現状特に伝説というほどのものは見えないが、その町内会館脇の諏訪神社は天長元年勧請を伝える社であり、その辺り気にしておきたい。信州から遠く離れて御柱を立てているお諏訪さんでもある。

それにしても「「へぶるま」と呼ばれるものが蛇沼に在った」といういい方は気になる。蛇沼を「へぶるま」と読んでいた、ということではないようだ。