蝮封じ

東京都八王子市


下恩方川原宿の心源院と云えば、近郷での巨刹として有名ですが、附近にある寺の持ち山(俗に心源山と云う)では、昔から蝮に噛まれた者がないそうです。これは山に入る人達が、蝮の害をまぬかれるようにと、この寺の開山さまが蝮を封じこめてしまったからだと云われています。(大石真清氏談)

『恩方村の伝説』塩田眞八(八王子郷土資料研究会)より

追記

心源院の山というと、それが巨竜のとぐろであるといわれるその名も蛇山なのだが、その山のことなのかどうか、こういった話もある。開山さまというのは、曹洞宗となった際の李雲永岳禅師のことだろう。概ね、蝮の害を封じるとか一山に蝮がいないというのは神仏であるか高僧の業だ。その事例として引いた。