娘に聟さまがないので父親は、毎日草鞋はきで聟さんさがして歩いた。ある日、山道へさしかかった時に、侍と道連れになったが、娘の話をするうちに侍は「俺が行ってやろう」ということになった。父親は願ってもないことなので、さっそく連れて家に帰って、娘の聟にしたがその聟は実は、その家の氏神さまであった。やがて娘は懐妊したが、もしもこの男が蛇ならば、蛇の子を産むごどになるというので、その男の裾に針を三針さした。娘は、朝刺してやった。すると男は蛇になって、家のうらにある大きな木に住んでいたので、その木にのぼっていった。そんで、その娘に菖蒲を煎じて飲ませてやった。すると娘は流産した。(烏山町川辺 大森キン)