木谺岩(または小玉岩、児玉岩):猪名湖の東岸沖の水中岩礁の上に直径一間近い丸岩がある。これを木谺岩(こだま岩)といい、減水すると現れる。畠山重忠が龍を殺した時に、顎から出た球が化けたのだという。昔は、その岩のすぐ上の水面に、小さな玉が陽炎のように現れたというが、今は見えない。
肝のせ石:弁天島の祠の上の大石は、重忠が龍の肝をとった時、その肝をのせた石だという。
血の池:下社の付近に血の池がある。この池の水は赤いが、これは重忠が龍を斬った時にこの池で刀を洗い、その血で赤くなったのだという。
松原湖には、畠山重忠が頼朝の病を治すべく自分の母が蛇体となったのを斬り、その肝を頼朝に献上した、という伝説がある(「畠山重忠と龍」)。そして、その伝説に絡む岩や池がこうしてあるというのだ。
木谺岩は松原七不思議に数えられる一。ただし、その位置は20メートルほど沖ともいい、そうなると重忠の母の墓、というものと同じなのかもしれない。七不思議自体も少し古い記録だと内容が異なり、より重忠の伝に関連したものでそろっている。そのあたりはいずれ整理したい。
弁天島は浮島ともいい、龍を斬った舞台そのものだという。雨乞いの中心であったようだ。血の池も湖畔のスポット名としてあるようだが、池が現状どのようにあるのか(ないのか)などは不明。