今宮様

長野県佐久市

昔、平賀城主源心の妻・お今が密通し、源心は蛇攻めの刑に処した。大穴を掘り沢山の蛇を入れ、お今を裸にして落とした。このときお今は、この城を三年のうちに落とさん、といって死に、果して三年目の十二月に平賀城は武田信玄に落とされたという。

このお今を祀った今宮さんという祠が、向在家山の中腹にある。婦人の守り神として参詣人が多いが、先に山田神社に参拝すると御利益がない。山田神社が蛇に縁があるので、今宮さんから極度に嫌われているためだという。

『限定復刻版 佐久口碑伝説集 南佐久篇』
(佐久教育会)より要約

不詳。源心というのは平賀玄信(成頼)と思われ、信玄の初陣の好敵手であったというが、その実在性もよくわからない人のようだ。実際平賀城跡はあるのだが、いつ滅んだのかなどはわからない。