大栗橋の少し先にね、あすこに、オジョウガ池、お嬢さんのジョウだと思うんですけどね。そこで、その嫁さんが池に吸い込まれたとか何とかね。いい家の人でお駕籠か何かで来たんだけど、軽くなったら、気がついたら嫁さんがいなかった。それで嫁さんは通るもんじゃないとかね。(貝取・男・大正生まれ)
オジョウガ池というのは今どうなっているのかわからないが、大栗橋というのは聖蹟桜ヶ丘駅の近く。そこにまたこのような嫁入り通るべからずの池があったのだという。
南西唐木田のほうに下れば影が取られる(池に引かれる)のでこれも嫁入りは通るなとされた影取り池があり(「影取り池」)、北東のほうに行けば井の頭池がある。そう思うと、このオジョウガ池の話は双方のイメージが混ざっているような点が興味深い。
影取り池の伝説と井の頭弁天の伝説が連絡するのかどうかは分からないが、双方をにらんで考えるときはこのオジョウガ池の話を思い出したい。