「笠間女に水戸男」と、笠間は美人が多いといわれ、牧野さまが日向から来られた時、美人を連れてきたからだというが、七会の徳蔵も美人が多いといわれていた。
徳蔵の娘は「徳蔵姫」と呼ばれ、嫁の貰い手が多かった。昔、八瓶山という峰が八つにわかれた山に、八つの頭をもつ大蛇が住んでいた。時折里に下っては美人を呑んだという。困り果てた村人は、八つの瓶に酒を造り、酒を呑み酔い寝込んだ大蛇を退治した。
これによって八瓶(やつがめ)山というようになったが、五つの瓶は山に残り、一つは壊れ、一つは真端の池に飛び去り現存しているという。