蛇冠石 福島県郡山市 三代宿から国道二九四号線を南下して元唐沢に入る手前、東の山の中腹に、蛇がぼり石がある。昔、この山の大蛇が、上から落ちてきた二つの岩石を、舌で受け止めた。その舌の跡があるというので、そのように呼ぶ。 また、湍津比売神が蛇の姿となり、石上に現れたので、その名がついたのだとか、石の形が蛇の頭に似ているからそういうのだなどともいう。 郡山市教育委員会『郡山の伝説』より要約 現状は不明。蒲倉のほうには、こういった蛇の舌の跡のある石を「蛇嘗石」と呼んでいる事例がある。おそらく同様のものだろう。信州のほうでは竜蛇の尾の剣が抉った穴のある石ということで、剣磨り石などという。甌穴のある石だろう。 この三代宿の話では、これが蛇の石であるともに、蛇がその落石の害を食い止めた話にもなっている。このような、災害のもとと食い止めた側がともに蛇を示すという例はままある(「諏訪石」など)。 ツイート