岩手県の竜蛇
門部:日本の竜蛇:「怪異・妖怪伝承データベース」より
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 郷土研究 2巻1号 |
場 所 | 東磐井郡黄海村 |
要 約 | 熊を手取りにし、大蛇を打ち殺す猟の名人がいた。ある時、孕んだ猿を殺して、懐胎中の女房に嘆かれた。やがて産まれたのは奇形児だった。4度目に娘が生まれたが、21になったある日、昔殺された大蛇が生まれかわったことがわかり、娘は飛び去って行った。 |
話 名 | 大男 |
資 料 | 郷土研究 2巻2号 |
場 所 | 遠野市 |
要 約 | ある少年が家へ帰ろうとして山を歩いていると一人の大男に行き会った。大男は肩から藤蔓で作った鞄のようなものを提げていて、その中に蛇が入っているのが見えた。驚いた少年は道の傍らで立ち縮んでいたが、大男は大急ぎで通り過ぎた。 |
話 名 | 小蛇,淵の主 |
資 料 | 土の鈴 通巻10号 |
場 所 | 上閉伊郡釜石町 |
要 約 | 大正5年ごろ、家族3人が同時に急病になったが、それは庭で赤い小蛇を殺したためだという。蛇はこの家の3番目の娘を嫁に欲しがった淵の主の使者であった。娘が死ぬと3人の病気は治った。娘の屍は埋めたところからなくなった。 |
話 名 | 天に昇る蛇,カナ蛇 |
資 料 | 旅と伝説 2巻6号通巻18号 |
場 所 | 盛岡市太田村 |
要 約 | 元文4年5月11日の昼頃、小堰の杭に一匹のカナ蛇が来て這い上がった。それをみた佐野家の下女は気味悪くなり家に駆け込むと、すぐさま雲が流れ真っ暗になり大風震動雷電になる中、いかさま龍が天上していった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 旅と伝説 3巻4号/通巻28号 |
場 所 | 紫波郡 |
要 約 | 紫波郡佐比内村大日影の滝に大蛇が住んでいた。年を取るにつれ大きくなるので、川原町辺を海とし、石の巻港へ流れていった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 旅と伝説 3巻9号通巻33号 |
場 所 | 岩手郡 |
要 約 | 大安良山にある沼には主の大蛇が棲んでおり、渋民村では毎年ひとりの少女を犠牲に捧げなければならなかった。この村にきた熱心な仏教信者であった京都の一条家の妹娘依壽姫(よりじゅひめ)は自ら身代わりとなって沼に行き、仏徳をもって大蛇を退治した。3つに切断された大蛇は浄道され、その後、一の権現、二の権現、三の権現として祀られた。その後人間をたたることは無かったという。 |
話 名 | 矢櫃の明神様 |
資 料 | 旅と伝説 3巻11号通巻35号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 矢櫃の明神様は紫波岩手で信仰されている水源の神様である。あるとき、後藤某という武士が「在郷の明神などは何も出来るものでは無い」と悪口を言うと、臼ほどの大きい蛇が現れたという。 |
話 名 | 蛇体 |
資 料 | 旅と伝説 4巻1号通巻35*号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 昔、水澤のあたりに掃部長者という者がいた。この長者の妻は貪欲無道の悪女で、365人いたという家来や下人を夜昼なくこき使っていた。その悪業のため、ついには蛇体に変じ、付近の沼に入って主となった。その後、人身御供として年に1人ずつ処女を差し出さねばならなくなったが、長者の一人娘の身代わりになったお小夜という娘が観音経を唱えていると、その徳で悪蛇も済度されてもとの美しい姿に戻ったという。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 旅と伝説 8巻2号通巻86号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | たづげに黒木綿の襠があるのは、蛇が昼寝の時に入るのを防ぐまじないである。 |
話 名 | 蛇,内神 |
資 料 | 旅と伝説 9巻8号/通巻104号 |
場 所 | 花巻市 |
要 約 | 草刈をしていて蛇を傷つけてしまったところ、子供に蛇の祟りがあった。お水神様を祀るとおさまった。 |
話 名 | 蛇神 |
資 料 | 旅と伝説 9巻8号/通巻104号 |
場 所 | 花巻市 |
要 約 | 老人に姿を変えた蛇が、成仏の道を教えてくれるよう頼むので、僧が蛇の住む淵に血脈を投げ入れると、お礼に良水の湧き出る場所と、使ってもなくならない布を授かった。 |
話 名 | 蛇,祟,潟岸明神 |
資 料 | ミネルヴァ 1巻1号 |
場 所 | 胆澤郡 |
要 約 | 欽明天皇の時代、嫉妬深い妻が蛇になって水に入り、祟りをなすので女を生贄に捧げた。たまたま購ってきた佐夜姫の読経によってその害を免れたので、潟岸薬師堂と建立した。 |
話 名 | 雌雄の大蛇,娘,美男 |
資 料 | 旅と伝説 10巻1号/通巻109号 |
場 所 | 稗貫郡 |
要 約 | ある娘が林の中の清水に顔を映して見ると、若い美男の顔が映っていた。娘は恋に落ち、日に日にやせていく。熊の権現のお告げどおりに清水へ行って次第を語ると、風雨、震動雷鳴ものすごく、権現の名を唱えるとおさまった。20尋ほどの雄雌の大蛇が互いにかみ合って死んでいた。雄蛇が娘と契っているのを雌が知りかみあったという。それぞれを祀った。 |
話 名 | 八郎沼,大蛇 |
資 料 | 旅と伝説 12巻3号/通巻135号 |
場 所 | 陸中水沢町聞書 |
要 約 | 八郎が小池の魚を食べ、水をすくって飲もうとすると、池が沼になり八郎は引き込まれた。兄が探しに来た時、八郎は大蛇になっていた。八郎の妻であるオダッコ沼に通う際、人間の姿である家に泊まるが、家人が約束を破って正体を見てしまい、以後、この家には災難が続いて断絶した。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 旅と伝説 12巻3号/通巻135号 |
場 所 | 陸中水沢町聞書 |
要 約 | 大火で祠が焼け、祀られていた大蛇が居所を失った。大安寺の和尚の助言で大蛇は姿を隠すが、留七という博徒に見つかってしまった。その後、留七はいつも青い顔で病人のようになった。 |
話 名 | 大蛇,若い男,女房 |
資 料 | 旅と伝説 12巻3号/通巻135号 |
場 所 | 陸中水沢町聞書 |
要 約 | 大明神沼の辺に住んでいか法印か和尚の妻がひとりで歩いていたら、どこからともなく若い男が現れて執念深く言い寄ってきたので、櫛を渡して帰りにいうこと聞くと約束した。帰る途中そこを通ると、大きな蛇が櫛をくわえて死んでいた。髪油のしみ込んだ櫛は蛇にとって有毒であるらしい。 |
話 名 | 障子に映る影,蛇 |
資 料 | 旅と伝説 12巻3号/通巻135号 |
場 所 | 陸中水沢町聞書 |
要 約 | 明治10年、寺子屋の師匠をしていた人の家で、毎晩障子に少年の人影が映る。蛇が少年に化けてその家の主婦を誘惑に来たのだという。 |
話 名 | 虻,馬でやってきた者 |
資 料 | 旅と伝説 12巻4号/通巻136号 |
場 所 | 陸中水沢町聞覚 |
要 約 | 男が地蔵の前で寝ていると、馬でやって来た者が地蔵に予言のような話をしているのが聞こえた。その後、その話のとおり、蛇が口から入って子供の命を奪った。 |
話 名 | 大蛇,蛙 |
資 料 | 旅と伝説 12巻11号/通巻143号 |
場 所 | 西岩井郡 |
要 約 | 長者が蛙をたすけるかわりに大蛇に娘を嫁にやる約束をした。3人娘のうち、末娘が嫁に行くことになるが、一計を案じて大蛇を退けた。その後、娘は長者がたすけた蛙に、被ると老女になる頭巾をもらい、やがてある長者の家の嫁になった。 |
話 名 | (蛇除けの呪文) |
資 料 | 民間伝承 6巻2号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 蛇除けには「花淵善兵衛通りゃんせ」と唱えるという。花淵善兵衛という水澤藩士が、狩りに出た帰路に腹部の腫れ物に苦しむ蛇を助け、その礼に伝授された「蛇除けの呪符」は広く世人に分けられたという。 |
話 名 | (俗信) |
資 料 | 民間伝承 6巻2号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 陸中水澤の俗信。「我が宿の垣の本まで焼けくれどあかしと云えばここに火止まる」と唱えながら、焼ける方向へ向けて何回も水をかけると、火難除けになるという。「俺せいでないぞ、カヂヤのばばせいだぞ」と唱えながら殺すことが、蛇を殺したときに祟られない呪いだという。川に小便をしたときには、「川の神様通してけらんへ」と言うという、など。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 民間伝承 8巻1号通巻79号 |
場 所 | 水澤市黒石町 |
要 約 | 法印の妻が出掛ける途中に、若い男に言い寄られ、帰りに言うことを聞くといって、櫛を渡して逃げた。帰り、男にあった場所で、大蛇が櫛をくわえて死んでいた。 |
話 名 | 狐,大蛇 |
資 料 | 山陰民俗 通巻3号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 元吉という無口な男が、ある時坂の下で女のキツネに憑かれて、急に饒舌になった。家につくと腹が痛み出したので狐だと気が付き、折檻した。キツネはつる子と言って、善八という兄狐がいて、共に長兵衛という人の持っていた狐だった。長兵衛の家は放火されて焼けてしまった。元吉は、大蛇が川に入るのを見て、以来病気になり、亡くなってしまった。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 民俗採訪 昭和32年度号 |
場 所 | 岩手郡岩手町 |
要 約 | ある女が山で男と遊んだが、後になって蛇の子を3匹産んだ。 |
話 名 | 蛇,刀 |
資 料 | 民俗採訪 通巻昭和39年度号 |
場 所 | 大船渡市三陸町 |
要 約 | 坂上田村麻呂が刀を置いていった家がある。その刀を盗人が持ち出し、泉で水を飲もうとして傍らに置いたところ、蛇になったのでそこに置いて逃げた。家の人が通りかかると、家宝の刀だったので持ち帰った。その泉を「のまねいみず」という。その刀の錆びを白紙でふき取り、その紙を水にとかして飲むと水あたりや咳に効き目があるという。 |
話 名 | 大蛇,八俣大蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | ある川上に大蛇がいて、年寄り夫婦の9人娘を毎年1人ずつ食べていた。8人の娘が食われ、残り1人となったときにスサノオノミコトがやってきて、大蛇に酒を飲ませて酔わせ、殺した。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | ある嫁が田の草取りをしていたら蛇につきまとわれた。うるさく思ったがかまわず働き、昼寝をして帰った。一週間位したら下腹が痛くなったので医者に見てもらったら、蛇の子をゴチャゴチャ産んだ。 |
話 名 | 青大将,蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | 青大将が男に化けて女の所に通った。女はいつも家の戸を2寸(6cm)ほど開けねば眠れなくなり、やがて蛇の子を孕んで死んでしまった。女の遺体は青光りしていたと言う。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | 中大畑集落の人家近くの桜の木の穴に蛇が棲んでいた。親蛇は穴の中で子を産んで穴から出られなくなり、子蛇が餌を運んでいた。夜になると鳴き声が聞こえたので、卵を供えたが、いつもなくなっていた。木を切ろうとした人が腹痛になったので巫女に見てもらったら「切ると殺される」と言われた。やがてその木は豪雨で倒れたが、その後には子蛇がいっぱいいたという。またこの豪雨で橋が4箇所流されたが、蛇が川を流れていくときに壊したのだろう。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | 鉄砲撃ちが山に行って大蛇に遭い、目を撃った。蛇にやられる前に下山しようとしたが、晴天かき曇り大雨になった。山中に家を見つけて休んでいたら、先に撃った蛇が水に乗って流れてきて、体を横にして水を溜めて大水を出し、家ごと鉄砲撃ちを流してしまった。蛇は何代も仕返ししてやると言い、その子孫は祟りで眼の不自由な人が多い。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 伝承文化 通巻9号 |
場 所 | 江刺市梁川町 |
要 約 | 神社で男に化けた蛇が毎晩女に会っていた。女は妊娠したがなかなか子供が生まれなかった。産気づいてたらいの中に湯を入れておくと、突然「シー」という不気味な音がして、中をのぞくと蛇がいっぱいいた。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | キノコ採りに行って一服しようと気に腰掛け、キセルの灰を落とすため枝を叩こうとしたら、それは枝ではなくて大きな蛇だった。家に逃げ帰ったが、その後何日か寝込んでしまった。ショックか祟りかはわからない。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 民間伝承 42巻2号 |
場 所 | 東磐井郡川崎村 |
要 約 | 北上川の大洪水の際、川上から大蛇が流れ着いた。頭を祀ったのが、銚子の「銚子浪分神社」、胴体を祀ったのが薄衣の「浪分神社」だと言われている。銚子では、現在でも蛇を捕まえたり殺したりしない、といわれている。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | 昔、新城集落・清水集落に大水が出るのは沼に棲む大蛇のせいだといって、勇気あるものが蛇を退治した。その蛇を祀ったのが蛇霊塚。塚には剣が刺さっていたという伝えがあるが、1965年ごろ、水田にするために沼を埋め立て、塚もブルドーザーで壊してしまったのでわからない。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 民俗と歴史 通巻8号 |
場 所 | 遠野聴書抄 |
要 約 | 附馬牛の某家の話。ある日祖母が近くの観音堂の境内で孫の守をしていると1匹の蛇が現れた。祖母はこれを打ち殺した。その後観音堂に孫を連れて行こうとすると激しく泣き拒むようになった。ミコに占ってもらうと、打ち殺した蛇は観音様の守り本尊であり、絵姿を描いて祀るように言われた。ある時町内でお姿を記した絵を求めて観音堂に納めた所、境内に行く事を拒んでいた子供が1人で観音堂に行くようになった。数年前の話。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 晴山の民俗―岩手県九戸郡軽米町旧晴山村― |
場 所 | 九戸郡軽米町 |
要 約 | 殿様が椛口という所を通ったときに、木の上で大蛇が口を開けていた。引っ込めと一喝したら消えたので、これは神様だと思い、祀った。それが底沼大明神。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | 丹内山神社のじい杉・ばあ杉の根本に大蛇がいて、神社に仕えている蛇だといわれていたが、火事に遭って焼け死んだ。話者の家には昔その鱗があったが、今はどこへいったかわからない。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 晴山の民俗―岩手県九戸郡軽米町旧晴山村― |
場 所 | 九戸郡軽米町 |
要 約 | 南部藩の殿様が並木松を通ったときに、木の上に大蛇がいた。帰り道にもまたいたので、「出迎えはありがたいがあまりに神々しすぎるのでもう出てくれるな」といい、そこに蛇を祀った。それが底沼大明神。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | 毘沙門山の杉林の沼に大蛇がいた。大蛇が昼寝をしているのを和尚が見てしまった。大蛇は二度と見ないよう言ったが、和尚はまた見てしまった。大蛇は怒って和尚を追いかけた。和尚は猿ヶ石川に沿って逃げ、大蛇も川を下って追いかけた。立花と言う所で「成島恋し」と言って振り返ったとたんに石になってしまった。大蛇も川の中で石になってしまった。それが坊主石と蛇石。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 晴山の民俗―岩手県九戸郡軽米町旧晴山村― |
場 所 | 九戸郡軽米町 |
要 約 | 戦時中、3人のお婆さんが出征した息子の無事を願いに、底沼大明神に行った。そのうち1人だけには、沼から柿の木のような色の大蛇が頭をもたげてくるのが見えて、恐ろしくて願掛けできなかった。願掛けした2人の息子は帰って来たが、大蛇を見たおばあさんの息子は戦死していた。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | 毘沙門山の裏の沼に黒と白の大蛇がいて、裏の田の水を留める役をしていた。黒い大蛇が月夜の晩、人間に化けて酒盛りしていたら、坂上田村麿に矢を射られて、苦しんで北上川に入り、石になってしまった。白い大蛇は今から10年前、耕運機に乗っていた人が道に横たわっているのを目撃した。 |
話 名 | 餅つき |
資 料 | 岩手県史 民俗篇 |
場 所 | 九戸郡 |
要 約 | 正月の餅用の米を蒸した湯で足を洗うと、蛇に噛まれるなどの災難を免れるという。 |
話 名 | 蛇,蕨の恩顧 |
資 料 | 昔話「研究と資料」 通巻28号 |
場 所 | 遠野市 |
要 約 | 蛇が昼寝をしていると、茅の芽がのびてきて体を貫いたので、動けなくなってしまった。すると、蕨の芽がのびてきて、蛇の体を持ち上げて抜いてくれた。だから、「蛇々、茅萱畑に昼寝して、蕨の恩顧わすれたか・・・アブラウンケンソワカ」と3回唱えれば、蛇は道を除けてくれるという。 |
話 名 | むけの朔日 |
資 料 | 岩手県史 民俗篇 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 六月一日はムケの朔日で、農業の休日である。この日に桑の木の下に行くと自分の脱け殻が見えることがあり、それを見た人はその年に死ぬという。 |
話 名 | むけの朔日 |
資 料 | 岩手県史 民俗篇 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 六月一日はムケの朔日で、農業の休日である。この日に餅を食べることを「歯固め」といい、餅を食べると丈夫になる、夏負けしないという。 |
話 名 | 山うば |
資 料 | 民間伝承 24巻7号 |
場 所 | 小閉伊郡岩泉町 |
要 約 | 「ウバガフトコロ」というところに山姥がいた。カナヘビが頭髪の中に巣くっていたという。 |
話 名 | ヘビノフッタテ,ヘビモヌケ |
資 料 | 民間伝承 24巻7号 |
場 所 | 下閉伊郡岩泉町 |
要 約 | 山崩れのことを「ヘビノフッタテ」、「ヘビノモヌケ」という。 |
話 名 | ヘビ |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | ヘビが美男に化けて若い女を次々騙して、子を産ませた。娘の腹がふくれて10ヶ月経つと、娘が一人のときに、ヘビが編み笠をかぶって入れ物を持った人の姿になってやってきて、生まれたヘビを連れて行く。ヘビが来なかった時は家の人が生まれたヘビを始末していたらしい。 |
話 名 | ヘビ |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | ある日、ヘビが殺されるところを息子が見ていたら、殺した人でなく息子がサラワレタ(具合が悪くなった)。祈祷してもらって治った。 |
話 名 | ヘビ |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | 家の近くの馬場でヒイヒイ鳴く声が聞こえたので行くと、ヘビがたくさん団子状に絡まっていた。 |
話 名 | エビス,大黒,竜神,船霊 |
資 料 | 国立民族学博物館研究報告別冊3号 |
場 所 | 九戸郡種市町 |
要 約 | 各家にエビス・大黒を祀り、災難除けの神として竜神様を祀っている。船霊信仰はなく、沖に出る船は金毘羅さんや成田さんを祭る。 |
話 名 | エビス,大黒,竜神,船霊,竜王 |
資 料 | 国立民族学博物館研究報告別冊3号 |
場 所 | 宮古市 |
要 約 | 各家にはエビス・大黒を祀り、石浜神社の境内には竜神様を祀っている。この場所は、昔、定置網に入っていた死んだ亀を埋めたところだという。進水式の時には、船が3回まわって、「竜神様と石浜の神様へ」と言いながらお神酒を海に注ぐ。船霊としては、女の髪の毛やその他のものを船の中に入れたという。 |
話 名 | 竜,お竜権現 |
資 料 | 旧中川村の民俗―岩手県東磐井郡大東町旧中川村― |
場 所 | 東磐井郡大東村 |
要 約 | 御殿山には昔大きな竜がいて、出ると日が隠れて真っ暗になるほどだったという。その後、現在の旭岡神社に降りてきた。それでこの神社をお竜権現ともいう。 |
話 名 | 龍宮の姫,六兵衛岩 |
資 料 | 常民 29号 |
場 所 | 和賀郡東和町 |
要 約 | 六兵衛という美男がお伊勢参りに出かけ、渡し舟から落としてしまった笠がきりもみして水に引き込まれた。お伊勢参りから帰ると病にかかり、危篤になった。その夜、重病の六兵衛がガバッと起きて小さな穴のある岩に入ってしまい、六兵衛岩になった。竜宮の姫が気に入って、自分の元に呼んだのだった。 |
話 名 | 雨乞 |
資 料 | 旅と伝説 2巻10号通巻22号 |
場 所 | 胆沢郡 |
要 約 | 胆沢郡では、旱魃の時に駒ヶ岳に上り、沼の面を攪拌して、神社に行って神楽を舞う。神職に祈願をしてもらい、龍を藁で作って練り歩き、北上川に流した。雨乞いの時には、氏神にかがり火をたくという。 |
話 名 | (俗信) |
資 料 | 旅と伝説 6巻7号通巻67号 |
場 所 | 遠野市 |
要 約 | 龍頭(タツガシラ)に着けた麻を取って来て山立ての三途縄をなう。やはり魔除けになるという。 |
話 名 | 白龍 |
資 料 | 民俗と歴史 通巻8号 |
場 所 | 遠野聴書抄 |
要 約 | 柳玄寺の先代の和尚は、若くして住職となったが、期する所があり21日間の断食をした。満願の日に白龍が夢枕に現れ、以後通力を与えることを約束し、また共に与える角が折れる時は命脈の尽きる時であることを告げた。その後和尚は通力によって人々の苦難を救い尊崇を集めたが、60余年後角の折れる日が来て、その3ヶ月後に膳に向かい合掌したまま昇天したという。 |
話 名 | 八郎太郎,龍 |
資 料 | 晴山の民俗―岩手県九戸郡軽米町旧晴山村― |
場 所 | 九戸郡軽米町 |
要 約 | マタギが3人で山に行って魚を3匹釣った。それを1人で食べてしまったら、無性に喉が渇いて川の水まで飲み干してしまい、男は龍になってしまった。龍になった男は十和田湖に逃げたが、十和田湖の神様に追い出され、男鹿半島の湖に落ち着いた。 |
話 名 | 鰻の脊 |
資 料 | 旅と伝説 3巻9号通巻33号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | 南部彌六郎の姫が病気の際、卜者の占いに従って飲んだものは埋木ではなく、実は鰻の脊であった。その後病気が全快した姫は五合沼に身を投げた。母親が呼びかける声に、姫はもとの姿で水面に現れ、自分が脊を飲んだ鰻は実はここの沼の鰻に嫁ぐ予定であったが、脊に傷を受けたために嫁にこられなくなった。その身代わりに自分がこの沼にきたのだと語ったという。 |
話 名 | 鰻 |
資 料 | 旅と伝説 11巻6号/通巻126号 |
場 所 | 岩手県 |
要 約 | ■ |
話 名 | ■ |
資 料 | ■ |
場 所 | ■ |
要 約 | 今古川の一番深く、人通りの少ないところに鰻の主がいて、時々子供が取られたが、北からきた2人の盲人によって退治された。 |
話 名 | 座敷童子 |
資 料 | 民俗採訪 昭和32年度号 |
場 所 | 岩手郡岩手町 |
要 約 | ある人が見た座敷童子は2尺(60㎝)くらいで髪を芥子坊主にした裸の子供。それが脇の下に入ってきたので捕まえようとしたが、鰻のようにネバネバしていて捕まえられなかった。戸は閉まったままなのに出たので、座敷に居るのだろう。念仏を唱えたら行ってしまった。 |
話 名 | メドチ,鰻 |
資 料 | 晴山の民俗―岩手県九戸郡軽米町旧晴山村― |
場 所 | 九戸郡軽米町 |
要 約 | 上長窪ツツミにはメドチがいたという。メドチとは鰻の化け物。 |
岩手県の竜蛇(「怪異・妖怪伝承データベース」より)