343 鵠蒼

『捜神記』

昔徐国の後宮にいた婦人が懐妊して卵を生んだが、縁起でもないと思って、河原に捨てた。ところが鵠蒼という名の犬がその卵をくわえて帰って来た。やがて子供が生まれ、その子はのちに徐国の後継ぎになったのであった。

その後、鵠蒼は死ぬ直前に角が生え、九本の尾を生じた。実は黄竜だったのである。そこで徐国の領内に葬った。いまでもそこには犬塚がのこっている。

※徐国 周のはじめごろ安徽省にあった国。

訳:竹田晃『捜神記』(平凡社ライブラリー)より原文


『捜神記』より
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