070 のどにつまっていた蛇

『捜神記』

華佗があるとき道を歩いていると、のどがつまっている病人を見かけた。食事をしても飲みくだすことができないので、家の者が車に乗せ、医者のところへ行こうとしているのだった。佗はうめき声を耳にすると、その車を停めさせ、男の様子を調べていたが、
「今来た道ばたに、せんべい屋があったろう。そこでにんにくを漬けた酢を三升買って飲ませなさい。病気は自然に治るはずだ」
と言う。さっそく佗の言うとおりにしてみると、病人はたちまち蛇を一匹吐き出した。

訳:竹田晃『捜神記』(平凡社ライブラリー)より原文


『捜神記』より
『捜神記』より参照される話の一覧。