滝観音堂の建立 長野県佐久市 滝の観音堂は当初は山の頂にあったが、暴風で倒壊し、山の下の岩の下に建てられた。天井には狩野元信の龍の絵が画いてあり、雲水などが本堂に泊まると黒雲が立ち込めたことがあり、早々に帰って行ったという。この本堂も岩崩れで現在地へ移されたが、それまでは参拝者が列をなしたという。(滝) 『臼田町誌 第二巻 民俗編』より かつての臼田町滝だが、今は佐久市湯原滝となり、滝観音堂は今もある。現地の案内によると、今の堂宇は文化十二年に移されたもののようだ。その狩野元信筆という龍の絵があるのかどうかは不明。 こういった話は埼玉県下に多いが、比企吉見の竜堂の話などは、絵師がまた狩野元信(法眼)であったといい、似たところがある(「雨乞いの龍」)。 また、丸子の霊泉寺にも怪異を起こす龍の絵があったというが(「不開門=不明門」)、東信では、木像の龍より、絵画の龍の話となるものだろうか。埼玉に木像の龍の話が多いのは、日光東照宮を建てた職人たちの存在があると思われるが。 ツイート