HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER EAST

MONSTER HUNTER EAST


▶︎ MONSTER HUNTER WEST(はじめに)
▶︎ MONSTER HUNTER EASTの世界
▶︎ プレイヤーキャラクター
▶︎ いくつかの独自設定
▶︎ MHRise固有の事項

MONSTER HUNTER WEST

あるいは、はじめに。

MONSTER HUNTER RISE の世界を遊ぶにあたって、こちら側の枠組みとしては「MONSTER HUNTER EAST(MHE)」という舞台を設定したい。

舞台裏の話だが、MHXX(及びMHP2G for iOS)における狩は、最終盤アルコリス地方に「フェランの村」という独自の村を想定し、その三百年の歴史と、当代の二百人あまりの村人(すべての人に名と経歴がある)を中心とした物語として遊ばれていた。このフェランの村の歴史にあわせてミナガルデ・ドンドルマ管轄のあれこれも再編され、また関係する独自の村・集団なども想定され、プレイヤーキャラクターだけで二十人を超えようか、というものとなっていた。ハンターそのもの以外にも、解体師、調合師、商会、情報収集編纂集団……といろいろな人々の物語が背景に落とし込まれるようになり、わがミナガルデ・ドンドルマ(さらに北方にハイリンナという独自のギルド本部がある)管轄域は相当賑やかな世界となっていた。

それは十数年の狩模様の最後になって出てきた遊び方なのだけれど、最新作「MONSTER HUNTER RISE」を遊ぶにあたっては、その応用から立てられ双璧を成す「世界」をあらかじめ用意してみたい。多忙にかまけてフェランの村の模様は書き記す機会を逸したが、それを「MONSTER HUNTER WEST」として、MONSTER HUNTER RISE をベースに遊ばれる今期を「MONSTER HUNTER EAST」という枠組みで記録したい。

以下に示すのはその大枠。Wikipedia などの作品あらましの一頁のようなものと思われたい。ちなみに遊んでいる当人はとうの昔にどこまでが公式の設定でどこからが独自の設定なのかなど頓着しなくなってしまっているので、そのあたりは悪しからず。

(もっとも以下すでに無手勝流の固有名などが散見されるので、後編少しまとめはします)

MONSTER HUNTER EASTの世界

また舞台裏だが、今回は珍しく試遊版から遊びつつ製品版登場までの先行情報も漏らさず捉え、あらかじめ大枠は用意しての狩模様となった(まぁ、最大の心配は「こんなのおっさんに操作できるのか?」という点にあったわけだが)。舞台は大陸東部のおおよそ以下のような分布と考えている(これを「東域」と呼ぶ)。

東 域

寒冷群島に対応する島嶼群がゲーム内世界地図に見えないことや、溶岩洞の場所などまだ不明な点も多いが、概ね上のような感じとなる。こちらの世界で中国の範囲を参考にすれば良いだろう。カムラの里などは華東・極東、水没林は華南、大砂漠と砂原はゴビ砂漠、といった具合である。

なお、今作の狩場は非常に「特定の場所」を前提としている色合いが強いが(特に大社跡と寒冷群島)、同地域の諸々の狩場の代表(抽象)とするという点は従来通りとしたい。

凪の大帯
先に複数地域にまたがる独自な大前提として、「凪の大帯」という地帯を想定しているので触れておきたい。上の東域図上の南北ジグザグに大河のように描き込まれているのがそれである。
詳しくは改めるが、モンスターの棲息する土地としない土地には明確な境があり、棲息しない土地、すなわち人間が集住できる土地は「凪地(ナム・グム)」と呼ばれる。陸上に湖があるとその水中には肺呼吸する動物があまり棲まないように、凪地にはモンスターは侵出しない。東域にはこの凪地が大河のように連なっている地帯があり、以下に見る東部・東南部の人々の多くはこの帯内に集住している。

東部温暖地域

カムラの里や大社跡のある地域を東部温暖地域とし、狩場はゲーム内の「大社跡」を用いる。もっとも〝大社〟要素はカムラ固有のものなので、他の場合は峰に小祠がある程度と思われたい。ゲーム外ではあるが、ユクモ村とその周辺域も同地域に想定する。

カムラの里

凪の大帯の北端にある里。凪の大帯にはこれを「閉じようとする」指向があり、その最北端にあって対応しているのがカムラの里。この地には数十年ごとに凪の大帯の端を閉じようと起こる〝竜の横溢〟様の現象があり、土地ではこれを「百竜夜行」と呼んでいる。また、里の人々は特殊な技能を持ち、世にカムラ衆と呼ばれている。

ちなみに翔蟲の使用、壁走り、ガルクの使役などはカムラ衆の特殊技能であり、東域でも一般のハンターたちにはこれらは使えない(ガルクの使役は東南部にその元祖があるが)。

ユルキの里

凪の大帯が東の海に近づくあたりにある里。隣接する山地にクロネという狩場があり、衛星集落にクロネの狩場を監理する人々の住むサナキの里がある。また、ハンターであり解体師でもあるサナキの里の人々をサナキ衆という。今回の主役のひとりテンマは現在ユルキの里(の外れの小里)に住んでいる。

ミナキの里

東部のどこかにある隠れ里。ミナキの竜人と呼ばれる竜人族のひとりから高度な調合術を学び、代々継承してきた人々ミナキ衆の故郷。もっともミナキ衆は成人前後に里を出て各地を遊行するため、里の人口は少ない。また、ミナキ衆は医家であり調合師であるとともに優れたハンターでもある。ちなみに主役のひとりのテンマはミナキ衆だが、ミナキ衆の男の名は生薬から取っているので〝天麻〟であって〝天馬〟ではない。

シャガの里

東部温暖地域と東南部雨林地域の境辺りにある集落。東域は西域と比べて各集落の自主独立性が強く、ハンターズギルドは集落間の連絡調整のための機関という位置にある。しかし、五十年前のカムラの竜の横溢〝百竜夜行〟を機に、広域かつ横断的な知見を持つハンターの必要性が望まれ、シャガにそのようなハンターの養成を目的としたハンターズギルドの集落が構えられた。ルーキー向けのふたつの狩場と奥により強度の高い狩場を持ち、さらにそう遠くない雨林地域のトーンレーン水没林も共同監理している。なお、教官の中には西域のギルド管轄から招かれた者もいる。

東南部雨林地域

東南部の狩場はゲーム内の「水没林」を用いる。犬祖伝説を持つ人々が住む土地で、ガルクの使役はこちらから起こった。ユルキの方から連なる凪の大帯が広くなってゆく地域で、以下の里は皆その中にある。

ミエンの里

雨林地域でも北の方にある里。シャガの里と共同でトーンレーン水没林の監理を行っている里。犬祖伝説を持つ里で、生まれた三つ子姉弟(ミエン・フモン・カノウ)がそれぞれの里の祖となったという。

フモンの里

ミロト水没林と呼ばれる狩場を監理している里。同東南部にあるミエンとカノウという里と姉弟関係にある。これらの里に生まれた者は、同時期に産まれたガルクと兄弟姉妹のように育つ。ガルクの使役の元祖の土地。ハンターと解体師の集団としてミロトと呼ばれる人々が住み、これが狩場の名の由来になっている(犬祖伝説以前からこの地に住んでいたという一族だが、彼らもガルクを使役する)。

中央部乾燥地域

今回の砂漠・砂原はかなり高い緯度にあり、赤道下の酷暑の砂漠というのではない。一面砂の海である大砂漠周辺の縁、岩石地帯などと接する地域に狩場や人の集落が点在している

ダウリヤ

大陸中央の広大な大砂漠には南回りと北回りの陸路があるが、これが東側でひとつとなるところにある里がダウリヤ。実際には〝街〟といってよい規模と賑わいがある。

ただし商業ルートは陸路を通さない砂上船団の独壇場となっており、このあたりいろいろ軋轢がある。砂上船団は〝ハリム〟と呼ばれ、商人とハンターと解体師の渾然となった集団である。大きな母船(これがハリム)を中心に、一人〜二人で操る小さな砂上船(フートという)がハリムを取り巻いて船団が形成される。ハリム=猟団という面もあり、砂原のハンターは概ねどこかのハリムの一員である。

イサゴの里

ダウリヤに近い砂原に面した里。昔カムラ衆によってつくられた里。カムラ衆はその翔蟲の糸技を応用して、余人には真似のできないフートの操船を行う。これが砂原の民に重宝がられ、里がつくられた。里人はカムラと違い大陸中央の色合いが濃くなっているが、今でもイサゴ生まれのハンターはカムラ衆同様の特殊技能を身につける。

東北部寒冷地域

先に述べたとおりゲーム内の「世界地図」には大陸東北海岸に島嶼が見えないのだが、概ね凪の大帯北端カムラの里の東北そう遠くないところとしたい。寒冷群島は過去忌地とされ、これを鎮める役もあったカムラ衆以外の立ち入りがなかった。ところが新大陸調査団による古龍渡りの研究成果との関連が注目されるようになり、四半世紀ほど前に東西ハンターズギルドの共同による調査拠点トマリが構えられた。

トマリの里

寒冷群島の調査拠点としてつくられた集落。現在ではその役割は一段落し、一般に開放された狩場としての寒冷群島(レタルの島々)への入り口、ハンターたちの拠点となっている。トマリの里は大陸側にあり、レタルへは舟で渡る。

プレイヤーキャラクター

すでに九名ものプレイヤーキャラクターが動いている。MHWest この方の遊び方というのは要するに「今週は誰々のひと狩りの背景を思い描いてみよう」というものだ。思い描いて実際ゲーム上で試し、うまいことしっくり来ればわがMH世界の一頁が増えることになるが、無論「いや、これはないな」となることもある。今回はうまいこといった筋は記録してみよう、ということである。

「役得、役得ぅ〜」
ホツミ
(154才 竜女)

ゲームプレイ上制約無しのキャラクターその一。全体的にも主役にあたる。MHEはホツミと縁のあった人々の群像劇といってよい。ゲーム上で設定するのは無理だが、実際は人間にすると15〜6才くらいに見える。のじゃキャラ。派手好き。

ミナキの竜人の娘で、ここ数十年のミナキ衆にとっては直接的な師にあたる。もっとも当人はあちこち放浪してばかりで、たまに里に滞在する程度ではあった。それが、18年前にテンマが生まれたのにあわせて里に定住し、テンマ(と妹のナズナ)をわが子のように育てた。テンマが里を出てからは、またホツミも放浪の生活となっている。

竜人族は本来人には発音できないような名を持つが、〝ホツミ〟はカムラの里のヒノエ・ミノト姉妹が人間風の名を名乗っているのに感心し、倣って名乗った名前。人間と違ってそう簡単には伸びない髪をばっさりショートにしてしまったりと、何かと人寄りな性質がある。

カムラの里とも関係が深く、カムラ衆の技は同じように使える(ちなみに上の場面はゲーム内と違って「耄碌したか、フゲン」とかホツミが文句をいっているところ)。ハンターとしてはオールラウンダーだが、ここしばらくは専らに操虫棍を手にしている。

「気焔万丈ッ!」
ライカ
(25才 男)

ゲームプレイ上制約無しのキャラクターその二。カムラ衆の若者で、この度の竜の横溢〝百竜夜行〟で大きな活躍を果した英雄(つまりゲーム内の主人公そのもの)。カムラ衆のエースの常として、主に太刀を使う。MHE上での出番は現状あまりない。

「無駄にはしない」
テンマ
(18才 男)

MHEの今一方の主役。ミナキ衆の若者で、成人後しばらくして里を出、調合師として、またハンターとして仕事をしつつ各地を遊学している。ホツミの直弟子といえるのはこのテンマと妹のナズナだけで、二人とも操虫棍を使う。また、ミナキ衆にその技はないが、ホツミから翔蟲の扱いと壁走りの身体技能・軽身を学んでいる(ガルクの使役はできない)。ハンゲという名のアイルーがミナキの里から付き従っている。

ちなみにミナキ衆の男は皆坊主頭で眉間に印を入れているので、どこでもすぐわかる。

「わたしを見ていて」
マナサ・ライ
(16才 女)

MHEスタート時の主役。シャガの里で学ぶルーキーハンター。大砂漠の南の山岳地帯出身で、年の離れた(マナサは会ったこともない)兄カイラス・ライもハンターである(ちなみに彼女には苗字があり他のキャラにあまりないのは、東域には苗字の制度が珍しいものであるため)。マナサはもともと行商人志望だったが、わけあって今は商隊護衛のハンターを目指している。ライトボウガンを主に、片手剣も多少使う。

マナサは一般のハンターなので、翔蟲の使用・壁走り・ガルクの使役はできない。ハンターになるための〝クソリアルなシミュレート〟は彼女の動向による。

「いざ、参る」
ククリット・ファーラング
(50才 男)

シャガの教官の一人。専門はボウガン。

ファーラング家はドンドルマ管轄の解体師の家で、もとはテロス密林近くの一族。故にククリットは解体の技にも通じている。また〝シュレイドのアーカイヴ〟たるセレナ村に学んだこともあり、採集術もエキスパートの域にある。マナサの担当教官。ククリットは西域の元特級ハンターだが、翔蟲の使用・壁走り・ガルクの使役はできない。

ちなみに胴具を着けないのは、生徒に「俺に頼るな」と明示するため。また、ククリットは常在狩場の精神の持ち主なので、シャガの自宅の自室が狩場のキャンプそのものとなっている(上が自室)。

「里へ帰ろう」
ルアン
(12才 男)

フモンの里はミロト衆の少年。ゲーム内のハンターの体力というのは一律である。が、未だハンターとなる前の子どもの体力はそうはいかない。ルアンはそこのところを遊ぶための少年キャラ(見た目はしようがない)。両親を狩場で亡くし、ミロトの長の計らいでティアに狩の手ほどきを受けている。兄弟のように育ったガルクのロムが相棒(ミロト衆はオトモのアイルーは頼まない)。

「ミッションコンプリート」
ティア
(36才 女)

ミロト水没林近く、フモンの里から離れて狩場近くに一家だけで暮らしているハンター。片手剣使い。ミナキ衆の夫ショウマと二人の子がいる。海を越えた地のナルガ族の出で、東域ではハンターの裏稼業をしていた。あるとき仕事で大怪我を負ったところショウマの治療で一命をとりとめる。以降裏稼業からは足を洗いショウマとともに暮らしており、縁あって土地の少年ルアンに狩の手ほどきもしている。冷徹に見えるが実は天然。ティアは翔蟲の使用やガルクの使役はできないが、ナルガ族にも壁走りがあり、これはできる。また〝猟師〟としての能力は今キャラの中では頭抜けている。

「狩は面白ぇな」
シン
(32才 男)

イサゴ出身。ダウリヤで活躍中のハンター。翔蟲を使ったフートの操船技術を活かし、ハリムに属さずフリーで砂原各地の動向に通じている。太刀とライトボウガンを使う。イサゴの里はカムラ衆の末裔の里なので、シンもカムラ衆同等の特殊技能を持つ。砂原の細かなハンターのありようは彼の動向による。

「ちょっとマジになっちまった」
ナガサ
(42才 男)

トマリの里のハンター。弓を使う。ボイスナンバー7そのままの男(笑)。フラヒヤ山脈南のアウタ出身。四半世紀前にレタル寒冷群島の調査が行われることになり、ルーキーだったナガサはそれに志願した。調査が一段落した後の今は、ナガサがトマリの里の里付きハンターのようになっている。ナガサは一般のハンターなので、翔蟲の使用・壁走り・ガルクの使役はできない。寒冷群島の細かなハンターのありようは彼の動向による。

いくつかの独自設定

アルコリス地方を中心に遊ばれていた MONSTER HUNTER WEST(西域)の段階から、当方にはいくつもの独自な設定が敷かれている。もはやどこまでが公式だったのかどこからが独自だったのかも胡乱なのだが、思い当たる大前提となる部分については先にいくらか紹介しておきたい。

竜人族のライフサイクル

出番はまだ先だが、一応今回のメインプレイヤーキャラクターは竜人族なので、そのライフサイクルを見ておきたい。

まず竜人も10才と少しくらいまでは人間と同じように成長する。その後、人間が第二次性徴で急速に成長するところから大きく違ってくる。竜人族は以降、人間での見た目の年齢×10くらいのペースで成長する。具体的にはホツミは人間の15〜16才くらいに見えるが、実年齢は154才、20才くらいに見えたら200才、というような具合となる。

ホツミは大陸中を旅してきた

この傾向が300才あたりまでつづき、それ以降は個体差が非常に大きくなる。大まかには人間の倍程度のペースに落ち着く形で老化する個体と(こちらは人間の老人に近い姿となる)、大幅に体型を変え小さくなりながらより長く生きる個体という二系統が多い。

なお、中間の100才から300才あたりの間は人間のような年長年少の序列感覚はない。何やら竜人独特の〝格〟を識別する感覚があるようで、100才以上年下でも(はるか年下の人間でも)敬慕されることがままある。

狩場への適性

世界はモンスターの棲息する生命力の濃厚な地域と、相対的に生命力が希薄でモンスターの侵出しない〝凪地(ナム・グム)〟にはっきり分けられる。人間は凪地に集住し最適化してきたので、多くの人にとってはモンスターの棲息する土地(狩場)の生命力は濃厚にすぎる。

よって大まかに人々には、
・狩場にあって常以上に力を発揮する者
・狩場でも変わりなく動ける者
・狩場で激しく動くとのぼせる者
・狩場に出るだけでのぼせる者
といった具合に狩場への適性がまずある。

キャンプに行けるだけでも才能

上の二種でないとハンターにはなれず、三種目の者は解体師や調査員にはなれる。西域では上二種に入る人の割合は十人に一人程度とし、さらに身体的性などでハンターを目指せるものは二十人に一人程度としていた。今回 MHE では、根本的に東域の人間のほうが狩場への適性が高く、五人に一人は上の二種に入り、十人に一人はハンターを目指すことができるものとしている。

また、このことは狩場で採集される諸々の品々の効能とも大いに関係する。狩場への適性のない多くの里人にとっては、狩場の薬草などはそのままでは毒に等しい。逆に凪地でガーグァなど飼育する際、凪地のものを食べさせるだけではガーグァは育たず力も出せず、すぐに死んでしまう。このあたりは話の中でもよく課題となるだろう。

狩守草と里守草:例えばゲーム内でお馴染みの薬草だが、ここでは狩場で採集されるそれを「狩守草(かりもりそう)」としている。しかしストレートにそこから作られる回復薬は多くの里人には強過ぎ、鼻血を吹くくらいなら幸いで、時には死に至るという毒でもある。一方狩守草とよく似た(葉が大きく色が薄い)「里守草(さともりそう)」という植物が凪地には見え、これはそのまま里人に使える生薬となる。
実は狩守草と里守草は元来同じ植物なのだが、数代生育する環境で違ってくる。そして、これが繁茂しているか否かがモンスターの侵出域と凪地とを分かつ境界の指標ともなっている。

狩猟対象

元来リオレウスを単独狩猟するようなハンターは英雄であり、古龍と対峙し生還したハンターなど伝説になる、というのがあの世界である。ここでもそれは踏襲し、一般的なハンターが狩の対象とするようなモンスターはゲーム内の危険度4のモンスターまで、危険度5のモンスターは近隣の腕に自慢のハンターに合力を頼む扱い。危険度6・7のモンスターは遭遇率が著しく低く、狩るようなハンターは地域の英雄クラスとしたい(それ以上は伝説の域)。

また、今作では色々のモンスターが色々の地域の狩場に節操なく侵出するが、モンスター毎の本来の棲息域は定めたい。西域の最も稠密な狩模様では、週毎に〝サイコロを振り〟季節・月齢を加味して、狩場への大型モンスター侵出の有無を求めていた。今回もそれは踏襲される(詳しくは別項「時間の設定」で)。

具体的には温暖地域(大社跡)では、オサイズチ・アオアシラ・アケノシルム・ヨツミワドウ・リオレイア・ナルガクルガが比較的に日常的な狩猟対象となる。雨林地域(水没林)では、ドスフロギィ・ロアルドロス・ビシュテンゴ・プケプケ・ジュラトドス・トビカガチ。寒冷地域(寒冷群島)ではドスバギィ・ウルクスス・フルフル・イソネミクニ・ベリオロス。乾燥地域(砂原)では、クルルヤック・ラングロトラ・ボルボロス・リオレイア・アンジャナフ。溶岩洞地域は現状色々保留状態、といった具合となる(ナルガクルガ・アンジャナフは危険度6だが実質5相当なので)。

砂原にドスジャギィはいてほしかった

ついでにゲーム的な難易度の点にも触れておくが、そのままの上位・下位の別はないものとする。「基準は上位」とし、ゲーム内の下位クエスト・下位素材は〝ハンターの腕が未熟なので価値の低い素材が得られた結果〟となる。

一方で狩場には強度の低い狩場・高い狩場があるとするが、これは強度の高い狩場ほど危険度の高い大型モンスターが侵出してくるもの、ということになる(Gクラス・マスタークラスはまた別)。ゲーム内の上位個体と下位個体の差は、背景を反映させるために柔軟に扱いたい。例えば15才以下の見習いの〝力のなさ〟を反映させるために、上位の狩場に下位の初期装備で出る、といった具合で。

武具

武具は損耗する。多く修繕には当該のモンスター素材が必要となる。このことから、ハンターの武具は、活動する土地で入手が困難でない素材で作られるものが使われることになる。一生に一度遭遇するかどうかというモンスターから作られた武具を普段使いにして損耗させても直せないのだ。

また、村里の工房も扱える武具には限りがある。上の理由もあるが、普通ひとりの職人なりひとつの工房なりがあらゆる武器種を扱えるなどということはない。ハンターは得意とする武器のオーバーホールのために旅に出る必要もある。

無論普段使いの武具ではない〝ここ一番〟のための、損耗を恐れない切り札の武具というのは当然ある。その武具にはそのハンターの人生そのものが現れることになる。

さらに防具についてより地味な話も加えておこう。世のハンターの半数はそのハンター人生のほとんどを「ハンター装備」で過ごす。だからあれはハンターシリーズという。村里の〝猟師〟として暮らすには、それで十分だからだ。より高品質な防具を求める者はそれを超えた活躍をしようというハンターだが、全体から見れば少数派である。

バリエーション

しかし、そんなハンターシリーズであるからこそ、いろいろな工夫でバリエーションのできるものでもある。ニュートラルな作りでジャグラス素材が使われているところを雨林地域ではフロギィ素材やプケプケ素材を使うことで毒耐性を高めたり、寒冷地域ではバギィ素材など使うことで耐氷・耐寒性を高めたりされる。ゲーム内では防具の一部色替えとスキル構成で表現できるだろう(色合いが彩度高すぎだが)。

ちなみにゲーム内の鎧玉を用いた強化だが、それそのものはないとする。防具の強化は素材の換装や重ね打ちなどで行われており、鎧玉はそれを簡便に表現しているだけとする(さらにはゲーム内の重ね着システムがあるが、現状まだどう扱えるものか考えあぐねている)。

この竜人はただの派手好き

一方でゲーム内の大部分を占めるモンスター固有デザインの派手な防具だが、これはハンター個人の要望により特注されるもの。ハンターというのも日々が「今日が最後の狩日和」になるかもしれない仕事なので〝カブキ〟たくなる者も少なくない(単に生来の派手好きというのもいるが)。狩猟に有効とは思えない派手な武具の数々はそういった傾奇者の嗜好なのである。当然その維持には相応のリスクがあるのだが、工房も腕のふるいどころではあるので概ね融通を効かせてくれ協力的である。

解体師

ただモンスターを殺すだけで収入になる狩は限られる(間引きや護衛などはそうだが)。一般的には狩ったモンスターを素材として必要とする買い手がつくことによってハンターの収入も生まれる。

ひとりのハンターが狩場で大型モンスターを倒しても、どうなるものか。荷車で運ぶといってもその上に持ち上げることすらできないだろう。無論モンスターの遺体はそのままではどんどん劣化し、素材としての価値を下げてしまう。

このままでは収入にはならない

そのようなわけで、大型モンスターの狩の背後には、狩られたモンスターを運び解体し、適切な素材へと一次処理する専門の集団が存在する。彼らは〝解体師〟と呼ばれ、概ね各々の狩場に専属の解体師集団がいる。村里よりも狩場に近い危険な土地に拠点を持つので、ハンターとしての力のある者もそれなりに属している。

西域では解体師はハンターズギルドと狩場を監理する村(狩られたモンスターの所有権は基本この村にある)との間にあって常に中立である必要があり、慣れ合いを防ぐために数代ごとに担当する狩場を移動していくものとなっている。

今回の東域は西域よりも村里の自主独立性が強いので、解体師も狩場を監理する村の一部であることが多い。また、解体師がそのまま村付きのハンターのような狩場の監理者であることも多い(これは西域ではまずない)。

しかし、では解体師など頼めるとも思えないルーキーの小規模な狩はどうなるのだろうか。そのあたりはシャガのマナサ・ライの話として初めのほうで触れることになる。

物価

すべての物の価格・値段は独自に考え直されている。西域で想定していった内容で良さそうなので、その基本的なところを見ておこう。

われわれの世界での感じをつかむための措置として、1zを100円とする。レートは何でも良いのだが、基準として。

そしてまずミクロなところで、100zが一日の最低賃金となる。見習いハンターの薬草採集も見習い職人の一日の日当も100zである。移動に日が掛かり、モンスターと遭遇する危険のある狩場の採集がそれはひどいのではないかという感じもするが、ここを高くしてしまうとモンスターとの遭遇に対処できない人々が狩場に出てしまうため、ハンターも見習い仕事の報酬は一般に合わせられている。

次に中間的な武具の値段だが、メタな比較として〝原付バイク〜スーパーカーの間〟を目安としている。吊るしのルーキー向けの武器が原付バイク程度であり、生涯の仕事を支える武器が軽自動車から普通車程度であり、上級ハンターであることを明示する武器が高級車程度であり、以降は天井知らずのスーパーカーの世界、という感じ。

ハンターナイフもそこそこの値段

大まかにこの線で、実際の内わけとしては手がける職人の賃金がこうなる、という話に落とし込んでいる。具体的に一例あげると……

ハンターナイフ
初心2人工で6日の作製
100✕2×6=1,200z 五掛けで2,400z
ただし、ハンターナイフは駆け出し職人の習作として大量に作られるので、1,200zの割安な既成品がある。

などとなる。2,400zは24万円ということで新車の原付バイクくらいである。防具の価格は一部位が基本同帯域の武器の値段という目安。

マクロなところでは、ズバリモンスターの価格の一例も見ておこう。これはリオレイアが基準となっており、標準的な状態で一次処理されたリオレイアまるまるの価格を100万z(一億円)としている。こちらでいう鯨一頭七浦賑わうというあたりの目安である(ちなみに狩場のモンスターの所有権は監理する村里にある)。

そして、この際のハンター取り分は十分の一の10万z(1,000万円)が目安となる(ひとりで狩っても四人で狩っても同じ)。ものすごい金額に見えるが(ゲーム内では上位リオレイアで7,200z)、一般ハンターがリオレイアを狩猟する機会など年に一度あるかどうか、という頻度になるので当然ではある。なお、正式には規定の計算式でハンターの報酬は算出されるのだが、これが上の十分の一という目安(昔のどんぶり勘定だった頃の慣例の値)に近づくよう調整されている、のではある。

得られる素材

狩場で採集される素材もゲーム内とは大きく異なる。異なるというよりも、それぞれの素材に〝またの効能〟がある。ゲーム内ではハンターの狩で効力を発揮する効能しか示されていないが、里人の需要という別の角度から見た効能というのもあるのだ。MHWorld からなくなってしまったが、歴代のシリーズで馴染み深い「ペイントの実」を一例としよう。

ペイントの実
ペイントの効果は実内の油分による。熟した実に独特の色と匂いのある油が満ちている。若い実の油は色も匂いも希薄なクリアなものでハンターのペイントの目的には使えないが、村里には大変好まれる植物油となる。

などとなり、この若い実の油(オリーブオイルのようなニッチ)の採集はハンターに頼まれる定番のひとつであった。MHRiseの素材がどうなるかはこれからだが、先行例として「ケムリの実」の一面を見ておこう。

ケムリの実
強い衝撃を与えて割ると煙を噴き出す実。この煙は粉塵状のものであり、優しく実を割ると粉として得られる。粉自体は身体に影響しないが、この粉を樹脂・香材などと練ることで練香・線香が作られる。東域では練香・線香の需要は大変多い。

などとなる。キャンプ内を見れば毎回線香がもうもうと炊かれているが、村里でも香は日常的に焚かれているのだ、という具合である。

当然香材のレシピも重要となる

西域の話ではさらにこの狩場で得られた素材の現地での一次処理がいかに重要か、というより面倒な問題が大きな課題ともなっていた。東域でもこの点は西域とはまた少し違った視点から見直されるだろう(いわば博物学と本草学みたいなものである)。

……キリがなくなってきたのでこの辺で。とまあ、様々な面でゲームそのままではないのが MHE ということだ。より具体的な事柄は各々の話の中に出てくるだろう。また、西域の事柄が前提となる話も多々あると思うので、事項集的なものは用意するつもり(予定)ではある。

MHRise 固有の事項

ガルクを駆り、翔蟲で宙を舞い、垂直の崖を駆け登り、挙句の果てには古龍までも操るカムラの里のハンターなのだけれど、無論これらをフルスペックでどのハンターもやってのけますとなると「今までのハンターは何だったんだ」という話になる。このあたり MHRise 前後からの新要素の扱いをまとめておこう(「百竜夜行」に関しては当方の根幹設定〝竜の横溢〟と密接に関係するので、これは改めて)。

軽身:かるみ。翔蟲での跳躍、壁走りの根幹技術。これが十代前半までに身につかないと年長じては習得できないものであるため、以降の技術もなかなか広まらない。実態としては勿論体重が軽くなるわけではなく、動線に対しての身体感覚の軸を高精度に合わせていく技術。故にガルクへの騎乗や操竜の腕前もこれに依存している。

翔蟲:翔蟲の使用はどこかの蟲使い(操虫棍ももとは彼らの技術)からカムラの里にもたらされたもので、現状はカムラ衆といくつかの関係集団のみが使う技である。しかしこれも大翔蟲を使った大跳躍などは「それはない」としたい(ゲームをすすめる上での時短便利機能程度で)。

流石にこれはない

東域でも多くのハンターはそもそも翔蟲など使えない。彼らは普通に蔦をよじ登って移動をする。ただし、どう見ても「それは登れるだろ」という数メートルの段差などは「登れる」ものとして翔蟲でその代用とする。

壁走り:これもカムラ関係者独特の技。ただし軽身の身体操法には独自に到達している人々もおり(例えばナルガ族)、同じようなことができるハンターも少数はいる。もっとも壁走りにも程度の問題はあり、オーバーハングを駆け登るのは「それはない」としたい。

鉄蟲糸技:鉄蟲糸技自体は翔蟲を使うものなのだが、ここでは多くのハンターでいくらかは「あり」としたい。それは鉄蟲糸技ではなく MHX 系統の「狩技」の代替ということで。また翔蟲受け身も同様で MHX 系統の「絶対回避」の代替として「あり」としたい。

操竜:一般のハンターでは従来の「乗り」の代替として、操るモンスターの壁への激突までは「あり」とする。更に大型モンスターを操り他の大型モンスターを攻撃するという芸当は真に軽身・翔蟲を使った技としてカムラ関係者のみに可能な技とする。

花結・ヒトダマドリ:技術としてはカムラ特有のものとしたいところだが、システム上花結は外せないし、ヒトダマドリを避けて移動するというわけにも行かないので「あまり気にしない」というあたりで。こちらの話としては「狩場にあって常以上に力を発揮する」狩場適応度の高いハンターの性質に結び付けたいところではある。

猟具生物:これは東域の狩の特色として全面的に「あり」で。

フクズク:今作はフクズクが飛んで大型モンスターの位置などを知らせてくれる。ペイントボールも導蟲もいらない常時自動マーキングである。これはカムラ衆独自の技で、他のハンターは「なし」で。そもそも当方ではペイントボールも狩場の反対のモンスターの位置まではわからない、として通常マップオフが基本。

大体新要素に関する扱いはこんなところだろうか。以下はより当方の話と密接に関係する要素をやや詳しく述べたい。

ガルク

東南雨林地域のミエンの里に、太古強大な古龍の襲来があり、里の娘と一頭のガルクがこれに対抗した、という神話がある。禍が去ったあと娘とガルクは夫婦となり、ミエン、フモン、カノウの三つ子の姉弟妹が生まれた。雨林地域の同名の里は彼らが祖なのである、と土地の者は信じている。

これにより同地の人々は同時期に誕生したガルクと兄弟姉妹のように生涯を送る。この風習がガルクを調教しハンターの供とする、という形となって北のカムラの里に取り入れられた(ゆえにカムラの里のガルクの使役は雨林地域のそれとは多少異なる)。

ガルクは概ね人間に近い寿命があり、ひとりのハンターは生涯の狩を一頭のガルクと共にすることができる。また、極めてまれに〝竜犬〟と呼ばれるガルクが生まれることがあるが、竜犬は数百年の寿命を持つ。

ホツミのガルクは竜犬

おおよそ以上のようなガルクの背景がある。なおゲーム上は特に影響はないが、ガルクへの騎乗はかなり限定的なものだと思われたい。あれで里から里への数十キロの行程を駆け抜けられるわけではない。一般のハンターはそもそもガルクに乗れない。雨林地域のように共に育つか、カムラ衆のような軽身を持っているかする必要がある。

調合

MHWorld 以降ゲームシステムとしては調合が凄まじく軽くできるようになった。いくつかのアイテムは機能をオンにしておけば素材を採集したのと同時に自動で調合されてしまう。しかし、これは全面的に「なし」で。採取調合はすべてオフにする。

チェックは自動で調合

当方では調合に関しては軽くなるどころか「現地調合すら限定的」というスタンスに寄っている。多くの調合は里へ帰ってからでないと行なえず、狩場で可能なものもキャンプに帰ってからでないと行えない。

ただし実際軽くなっている想定もある。一例をあげると回復薬。今の回復薬はアオキノコなしで薬草だけでできてしまう。これは「アオキノコの有効成分が予め配合された溶液が持ち込まれており、薬草を浸けるだけで回復薬ができる」という技術革新があったため。ゆえにハンターの仕事としては「アオキノコ採集」がより増えている、という感じ。このあたりの〝技術革新〟はそれそのものが話の種となるだろう。

キャンプ

昨今のキャンプのテント内アイテムボックスにはハンターが自宅に所有するものすべてが入っていて取り出せる。武具も自由に変えられる。恐ろしいことにサブキャンプのアイテムボックスにもある。流行りの空間魔法である(笑)。まぁ、これは「なし」で。

サブキャンプから全財産が……

ただし有効になる面もある。まずは武器の換装。

新たな狩場の策定のための現調など、長期に渡る特殊任務には複数武器の携行が許される(といってもせいぜい2〜3の武器だが)。商隊の護衛や異常なモンスターの湧出時の警備任務などにもこれは適応される。このような状況を描くには武器の換装ができるのはありがたい。

また採集素材の宅配。ついにアイルーのタル配便がなくなってしまったのでその代替。例えば効能が上がったためキレアジは5尾しか所持できず、ドスキレアジなど3尾しか所持できない。当方ではキレアジの砥石は里で時間をかけて作成されるもの、という前提があるのでこれは甚だ困る。そこで釣り上げたキレアジは宅配できるというあたりに落としたいのだ(所持数MAXで更に釣り上げると自動的にアイテムボックスに……は行かない)。このあたりは〝空間魔法アイテムボックス〟を柔軟に利用したい。

……といったところで前置きは良いだろうか。こんな感じの前提で MHE ははじめられるということだ。が、本編に入る前に頁を改めてもう少々面倒な二つの話をしておかないといけない。次頁は「空間の設定」となる。

▶︎ 関連記事

MHE:空間の設定
MH世界の地理的なスケールが如何ほどのものなのかは明らかではない。ここではそのスケールを独自に設定していきたい。

MHE:時間の設定
ゲーム内では季節や年数はシステムとしては存在しない。しかしここではそれを背景に取り入れたい。