HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

ハプルボッカ特需


砂漠のお宝というのは世間によく共有されたイメージだが、MH1・MH2の頃の砂漠にはそういう面はなかった。これが色濃くなったのは、一攫千金を狙ってジエン・モーランに群がった、ロックラックの連中の活躍以降だろう。しかし、確かにあの連中のバイタリティには魅力があるわけで、MHXXの砂漠にもその気風を少し分けてもらいたい。

とはいえ、こちらに峯龍種のような〝えびす魚〟が回遊してくるわけでもないので、スケールはダウンして、何らかの特需に沸く砂漠というのを見てみたい。そういうことでいえば、ゲーム中でもまま「金のにおいがするね」という依頼が舞い込んでいる砂漠ではある。

色々な特需

ゲーム内の依頼に見るものとしては、魚竜のキモ・熱帯イチゴ・アプケロスのキモ・ダイミョウザザミの甲殻などに商人が注目していた。中でもバブリーな雰囲気があるのはダイミョウザザミの討伐依頼だろうか。アクセサリーの素材というのだから、他とは違った流行りものの特需である。

バーディヤの標準装備

しかし、これはわれわれの世でいう象牙目的の象の乱獲にあたる話になるのじゃないかという印象で、あまりこれでバーディヤの村に沸いて欲しくはない。やるなら一早くあやしい傾向を見て取ったギルドが、タガを外す心配のない集団として、バーディヤを専属に指名したというような線だろうか。

ダイミョウザザミの狩としては、貫通弾を好まないバーディヤのこと、それなりの腕前が必要とはなる。通常弾でダイミョウザザミを狩るというのは、要するに当てにくい頭にいかに当てるかである。そのチャンスでないときは、脚を撃つ。怒ったときのスピードが捌き切れないようなら、そこは隙を突くことに徹しよう。

アクセサリー素材の依頼となる上位セクメーア砂漠のダイミョウザザミ討伐だと、初期エリア3で捕捉すれば非熱暑エリアでの狩となる。デザートストームなら、慣れればこのエリアのうちに瀕死に追い込めるので(部位破壊に拘らなければだが)、一旦熱暑エリアに逃げられても程なく巣の非熱暑エリア9で決着となる。この線なら暑さ対策の問題はあまり関係ないだろう。

どれだけ頭に当てるか

ダイミョウザザミ狩はそんなところだが、砂漠にはもっと話を膨らませやすい特需がある。商人が狙ってくるものではなく、もっとオフィシャルなものだ。近年になり、ギルドはハプルボッカ素材の優れた加工法を開発し、これによる武具の作製に熱心である。その素材調達依頼が舞い込んでいる、という話のほうがメインとなる。

ハプルボッカの武具

昔の砂漠には登場しなかったハプルボッカだが、MH3系の砂原からやって来た、ではなくて、昔は注目されなかったモンスターなのだ、という線で考えたい。以前から砂漠にいたのだけれど、狩っても武具の素材としても使えず、食えるものでもなくという風で、魚釣りでいうところの外道扱いだったわけである。

これが、素材の加工法が発見され(おそらく鮮やかな体液の使い方に工夫があった)、ギルド主導で新機軸の武具作製がはじまったという話となる。われわれの世のミリタリー調という、かなり狙ったデザインで統一されている、ハプルボッカの武器群と防具だ(そこは似た機能を求めたら似た形になった、くらいに考えておこう)。

ハプルボッカの武具

実際の狩では、ここの主人公は例によって脚防具だけ外すが、それでもその異質さは頭抜けているだろう。ギルドによると、これらの武器・防具は対飛竜武具として開発されたものなのだという。が、本当に有効かどうかはともかく、別にこれに依らなくとも同程度の武具は以前からあったではないか、と首をかしげるところではある。

そこでここでは、この防具は強化外骨格として開発されたものなのだとしたい(実際防具の説明に「強化外殻」とある)。簡単にいえば、三年生ハンターに五年生ハンターくらいの力を発揮させることのできる防具なのだ、ということだ。殊に単純な揚重作業や長距離行軍のサポートにすぐれ、素では大タル爆弾ひとつしか運べないほどのハンターが、この防具を装備するとふたつ運ぶことができる、というような場面で有効性が発揮されている。

理想としてはそのサポートが各武器使用の際にまで及ぶものが目指されているのだが(そうなれば本当に実力以上の大型モンスターを狩猟できてしまう)、現状それはまだ遠い。ハプルボッカの武具にはこのような背景を与えたい。そうすると、ここでのギルドの背景の話とうまく噛み合ってくるからだ。ここでは、ギルドナイツのような特務ハンターよりずっと日常的なレベルから、ギルド直属のハンターたちがいるとしており、彼らの主たる役目に「助っ人」があるとしている。特需の話からは外れるが、その背景としてのこの助っ人ハンターについては簡単に見ておきたい。

ギルドの助っ人

街のギルドには、怪我などで欠員の出たパーティーに、そこを補うハンターを派遣する業務がある。そのギルド直属のハンターたちは、村から出て来たものがスカウトされてなる場合もあるが、多くはギルドの運営するハンター養成所からくるものだ(やはり狩場で命を落とすハンターというのはおり、そのハンターの子どもに身寄りがない、というような場合、養成所が引き取ったりする)。

欠員の補填に派遣されるギルドのハンターは、無論出来る限り達者なものが指名されるのだが、世の常として人手は不足がち。まだ養成所を出て間もない、ルーキーに毛が生えたくらいの若い衆が派遣されることも少なくない。そのような養成所出の若い助っ人ハンターのために開発が進められているのがハプルボッカシリーズの強化外骨格である、とこういう話でどうかと思うのだ。

盾を象徴とする護衛・助っ人

ところで、彼ら助っ人ハンターたちのいまひとつの重要な仕事は護衛である。これらは近縁の業務として扱われている。そして、以前にもちらりと述べたが、狩場を行く商隊などの護衛をよくするハンターは、大きな盾をその象徴とするのだった。故に昔は護衛ハンターといったらランサーであったもので、その線でよりマルチに働ける武器を、と開発されたのがガンランス・チャージアックスなのだという話であった。

このようなことで、ハプルボッカの武具でも多く使われているのは新進のチャージアックスである、ということになる。下の画像に見るように、ひと昔前はアロイシリーズに討伐隊系武器という具合だった姿が、ハプルボッカシリーズに移行しつつある時流と思われたい。もっとも、ベテランハンターにいわせれば、むしろ自身のユニークな動きの発達が阻害される感じがする、という評価の強化外骨格でもあり、両手放しに推奨されるには至らないのだが。

旧護衛・新護衛

ともあれ、このようなギルドの動きがあり、ハプルボッカ素材の需要が砂漠の村バーディヤに舞い込んでおり、この特需に沸いている、という話だ。とはいえ、ハプルボッカは曲がりなりにも危険度★4モンスターである。ドスガレオスやダイミョウザザミを狩るのとは少々わけが違う。

ハプルボッカ討伐

ここではまたバーディヤ標準装備であるデザートストームで挑みたいので、上位のクエストを用いよう。ハプルボッカの防具も使いでのあるものになるのは上位防具からなので、連戦するのにも都合が良い。上位になってやたら難易度が上がるというモンスターでもない。

狩は熱暑エリアにハプルボッカがおるので、スタートダッシュで捕捉すると、例の氷結晶イチゴ使用の5分(五時間)が主舞台となる。ハプルボッカはタル爆弾を食わせるなどすると釣り上げることができるが、これを初手とするのはもうお約束のようなものだ。ちなみにタル爆弾を食わせなくとも、弱点にダメージを重ねればやはり釣り上げられるようになる(ガンナーの場合はよくある話である)。

お約束の一手

ハプルボッカは音爆弾を惜しみなく使うと、ほとんどハメ状態で簡単に狩ることができる。しかし、砂漠には鳴き袋を持つモンスターはいないということで、音爆弾は本当に緊急のときか、砂漠最強のモンスターであるディアブロスを相手にするときのために温存される貴重なアイテムであるとしたい。よってここでは音爆弾は使わない(もっとも、バーディヤの連携で音爆弾を使うと本当にあっという間に勝負が決まるので「漁」というイメージならそれもありかもしれない)。

また、最弱点が口腔内にある関係上、貫通弾を使うと話が早いのだが、ここでもバーディヤの作法で通常弾を用いる。なんとなく撃つならどこを撃っても大差ない相手だが、怒り時に膨らむ鼻は弱点となっているので、通常弾使用ではそこが大きなチャンスとなる。今回は怒り時も果敢に攻めたい(怒って強さが激変するというモンスターではない)。

膨らんだ鼻を撃つ

このような流れで、デザートストームなら、最初のエリア、耐暑アイテムが効く5分で瀕死手前くらいには追い込める。だいたいそのあたりでエリアチェンジするので、そこから針10までは耐暑アイテムも効かない熱暑ということで、涼しいエリアでアイテムの採集などしていたい。

速射のLV2通常弾は、この時点ではまだ残弾があるだろうが、ここが弾調合の時間でもある。今回は何気に攻撃力UP【中】を発揮させているので、うまく行くと調合なしで狩れてしまうのだが、底上げなしだと調合するか、LV3通常弾に切り替える必要があるだろう。

そして針10を過ぎたら、再度耐暑アイテムの効く時間ということで、準備万端で決着をつけよう。ドスガレオスなどと比べると、仰角をとる必要があまりなく、体の向きだけで撃っていける相手なので、バーディヤのルーキーには汲みやすい相手かもしれない。この段階でも、特需の騒ぎに参加できるということだ。

ルーキーでも相手にできる

ハプルボッカの狩猟は以上のようなのだが、この特需に関してもう一点補足をしておこう。狩猟に対しては誇り高く生真面目なバーディヤのこと、このハプルボッカ素材の提供にあっても、より良いものを提供する工夫に余念がない。ギルドの開発したハプルボッカの武具を取り寄せ、実際に用いることにより、どこの部位の品質が重要となるのか考えるわけである。

要は、素材の提供と同時に武具のモニターも行なっているということだ。ハプルボッカ武器は水属性となるが、これが弱点となる砂漠のモンスター・ラングロトラが獲物となる。もっとも、ある程度ギルドから離れた活動が認められているバーディヤとはいえ、ラングロトラを見かけた側からしばき倒すというわけにもいかないだろうから、そこにもなんらかの調整の物語があるということではある。

そこはまた長くなるので端折るが、このようなことでバーディヤのものは慣れない近接武器を振るう日々でもある。特需といっても、それに対応するプロ意識のある村の話、というところは押さえておきたい。

素材調達のプロ集団故に

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概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ 砂漠の村

砂漠と軽弩と
砂漠にも独自の村の話がある。女傑に率いられるそのバーディヤという村は、ガレオスの狩猟を生業とし、ガレオスの群れを追って暮らしている、所在の定まらぬ村だ。ここでは、そこのハンターの狩の日々も見ておきたい。バーディヤの村のことはすでに十年前にも書いたわけだが、当時から「生業」という側面が強く意識された話であった。

特産交易とガレオスと
砂漠で得られる物資は限られている。ゆえに、各地との交易が必須である。特に、生命線となる耐暑アイテムの素材たる氷結晶の安定した入手経路は重要だ。すなわち雪山ポッケ村との交易が盛んという話になる。

砂漠にいない水竜
ガレオスを狩って暮らしているものにとって、ガレオスたちの親分がドスガレオスであるのは当然として、さらに上の大親分とみなされてきたモンスターがいる。水竜ガノトトスである。これは武器にも表れていて、ガレオス素材のライトボウガンをベースに、彼らはガノトトス素材を用いるライトボウガン・メイルシュトロームを開発してきた。

▼ その他

ガラス素材と護衛任務と
ハンターの重要な任務に、ハンターではない人々が何らかの仕事をしにフィールドに赴くにあたり、その現場と経路の安全を確保する、護衛任務というものがある。ここでは森丘のセカンドフィールドとしての沼地に採掘に赴く人々の護衛任務という仕事を見たい。