HUNTER's LOG
MONSTER HUNTER 0

砂漠と軽弩と


砂漠にも独自の村の話がある。女傑に率いられる(今は、ここの主人公リオともいろいろと縁が深い、ナイラというおっかねえ女村長の村である)そのバーディヤという村は、ガレオスの狩猟を生業とし、ガレオスの群れを追って暮らしている、所在の定まらぬ村だ。ここでは、そこのハンターの狩の日々も見ておきたい。バーディヤの村のことはすでに十年前にも書いたわけだが、当時から「生業」という側面が強く意識された話であった。

と、またまたその前に。砂漠の話をするにあたっては、まずこれは見ておきたい、というものがある。もったいぶった物言いをするまでもない公式シリーズのMH4Gのオープニングムービーなのだが、未プレイの方はぜひ。今にして思えば、MHWを見据えた、これまでの集大成という意識で作られたものかと思うが、素晴らしい動画だ。その舞台が砂漠なのであります。

MONSTER HUNTER 4G オープニング
© CAPCOM CO.,LTD.

主たる楽曲が「真紅の角」であるというところが古参泣かせである。内容的にはここの砂漠編とは何も関係しないが、特定のフィールドの魅力がこれだけ強調されているオープニングもない。各種アイテムの実像がたくさん描かれているところなども見どころだが、ガレオスを狩って暮らす人々の話になるゆえ、ドスガレオスの株を上げておきたい、というのもある。

ライトボウガン

ここでは砂漠の狩ではライトボウガンが好んで用いられるとしている。ともかく暑いので、できるだけ運動量を減らしたいというのが主たる理由だが、他にもいくつか理由がある。

まずは足場の問題で、雪山で弓を用いたのと同じ理由がある。モンスターが泳げるような砂地であるので、近接武器の細かな足使いはしんどいだろうということだ。逆にいえば、岩石地帯の側はその心配がないので、軽い採集などには片手剣なども用いられる。

次に、ここではボウガンの射出そのものに火薬が用いられるとしている、という理由。どう見てもあれはわれわれの世でいう「ボウガン」そのままの射出機構ではないだろう(大体「弾」を撃っているいるわけで)。砂漠には火薬草がたくさん採れる利がある。加えて、主力となるLV2通常弾の素材になるハリの実・カラの実も比較的よく採れる。

砂漠の狩(アタッカーはこまさん)

また、これはソロプレイでは再現できないのだが、砂漠の(というより、バーディヤの)ハンターの狩は、各種支援弾を使う連携が基本となる、という話もある。バーディヤの狩は基本ツーマンセル、アタッカーとサポーター(基本こちらがベテラン)のバディで行われる。アオキノコというものがほとんど採れない砂漠なので、回復薬が気軽に使えず、回復弾でサポートしながら狩をするスタイルが発達したのだ。

さらにこれもバーディヤの生業としての狩の話なのだが、モンスターの部位をピンポイントに狙い撃ち、必要とされる素材部分を傷めない、という狙いもある。バーディヤのもたらすガレオス素材はこの卓抜した技術の賜物として、各地で求められている、というわけだ。これらの背景から、ライトボウガンが用いられているだろう、という話になるのである。

なお、ルーキーの防具としては、MHX-MHXXの主たる村であるベルナ村の防具・ベルダーシリーズがどういうわけかハマっており、気に入っている。ベルナ村は別に砂漠地方にあるようには見えないのだが、なぜか月の砂漠を行きそうな防具なのだ(ちなみにここの主人公はいつも脚装備だけシリーズを外しているが、これは「ピッタリ系のパンツが苦手」というプレイヤー側の性質の問題に終始する傾向なので、お気になさらず)。これを別段ベルナ村と砂漠の縁ということでなしに、砂漠の標準的な防具・衣装としてあるのだという話としたい。

皮の水筒まで砂漠らしい

砂漠のルーキー

ともあれ上のような出で立ちで砂漠に出るルーキーなのだが、ここではモンスターの狩猟以前の話を強調しておきたい。砂漠に限らず雪山や火山などもそうなのだが、まずはそこにいるだけですぐ死んでしまう、という状況をクリアしないことには、狩も蜂の頭もないのだ。その模様を試しやすいのが砂漠編だと思う。

体力の底上げなどせずに、素で熱暑エリアに居れば、ちょうど5分(五時間に相当するとしている)で力尽きる。ゲーム上は通常、この暑さはクーラードリンクなどで無効化するのが専らなのだが、これはいささかもったいない話である。ここでは、軽減の工夫はできても完全な無効化はできないといったあたりで狩を行いたい。その5分というリミットを基準として、日中としている15分のうち、中盤の針5・針30にあたる5分(五時間)は、耐暑アイテムも効かない時間としよう。

5分で力尽きる

このため、砂漠編では基本耐暑スキルも使わないのだが、クーラードリンクさえも効きすぎるという問題がある。MHXXのクーラードリンクの効果時間は10分なので、上のタイムテーブルが実現できない。そこで使われるのが「氷結晶イチゴ」だ。砂漠の精算アイテム・熱帯イチゴを氷結晶と調合すると、持ち帰ることのできる耐暑アイテム・氷結晶イチゴとなる。MHXXではこの効果時間が5分であり、まことに都合が良い。

氷結晶イチゴは所持数が5個までなので一気に量産・貯蔵というわけにはいかないが、転がしニャン次郎のタル配便を使えば1クエストで10個は確保できる。これを使って先のタイムテーブルを実現しよう。具体的には以下のようになる。

スタートから5分
朝方。まだ耐暑アイテムが効く気温なので、氷結晶イチゴを用いて熱暑エリアでの狩・採集を行う(下画像の左上)。

5分から10分(針5)
昼を挟む酷暑の時間。耐暑アイテムも効果がないものとし、この時間熱暑エリアにいたら、体力は減り続けるものとする。
普通は岩石エリアや洞窟エリアなど酷暑が避けられるところで活動を行う(下画像の右上)。
熱暑エリアで狩・採集を続行する場合は、薬草や回復笛で回復をしつつ行うことになる(下画像の左下)。

5分刻みで15分を構成する

10分から15分(針10)
午後から夕方・宵の口で、再び耐暑アイテムが効く時間。熱暑エリアでの活動にあてたい。(上画像の右下)
先頭にあげたMH4Gのオープニング動画でも、色々の準備を日中行い、日が傾き始めてからディアブロスを捕捉し仕掛けている。やはり、砂漠の昼の最中に過酷な狩はしないものというイメージがあるのかもしれない。

通常通り15分から25分は夜、ハンターも休むものとし(実際にはここで氷結晶イチゴなどを確保する)、以降は先の繰り返しの二日目ということになる。MHXXには夜の砂漠はないのだが、あったら氷点下の寒さとなるものなので、夜は休む時間とするのがよく似合うフィールドだろう。

このようなタイムテーブルのもとに砂漠の狩を行なっていきたい。ルーキーのうちはとにかく採集をたくさん行い、この時間感覚を身につけることだ。いろいろと特産のある砂漠でもあるので、そのあたりの対象には事欠かない。それは次稿で述べるが、それ以前にも砂漠のハンターには重要な採集品目がある。ガンナーであるので、弾素材の調達は必須なのだ。

弾素材の採集と調合

そもそもMH世界のガンナーは自分で弾を作るだろうか、という話もあるが、基本は作る。すべてを自前で用意する、という意味ではなく、ガンナーは常に滞りなく現場で弾を作ることができなければならない、という意味だ。

ベテランならば、タフな狩の最終盤に弾が尽き、現地でカラの実・ハリの実を拾い集めた経験が何度もあるものである。そこでの採集・調合がスムーズにいかなければ、その狩は失敗に終わる。ゲームとしてもそうなのだが、あの世界のガンナーとして、その局面での弾を作る腕は維持せねばならない、という心得が強くあるはずである。

ライフラインのハリの実

そのようなわけで、砂漠のルーキーガンナーは、常日頃から弾素材を採集し、自ら弾を調合作成することに余念がない。そこをサボるような者は、おっかねえ女村長から鉄拳を食らうことになる。ゲーム上でできる具体的な行動としては、その素材がどこでどのくらい採れるのかというのを身につけておきたい。

ところで、このことに関連して、ひとつ追記しておきたい。本当のルーキーには荷が重い話なので、少し先に行ってからの話なのだが、ボルボロスが重要となる。ボルボロスそのものというよりも、その落とすところの「肥沃なドロ」が目的なのだが。

かつてはゲーム内に農場の運営などもあり、この肥沃なドロが良い肥料になったりもしたのだが、MHXXでは武具の素材に必要とされるだけになった。しかし、ここではやはり肥料としての大きな需要があるものとしたい。それも、砂漠の民自身が使うものとして、だ。

肥沃なドロを得る

バーディヤ(街に住まぬ者の意)の人々は定住者でないことに誇りを持つ者たちなので、農作物を作ったりはしないが、植物の繁茂に無頓着というわけではない。彼らは日々ガレオスの群れを追って移動しながらも、砂漠各所の弾素材の得られる植物群などに対し、少しばかりの肥料を与えながら先へ進んでいく、としたい。

砂漠気候に順応した植物に、普通の感覚で水や肥料をやると逆に腐ってしまうので、そこは本当に適量の心得ありきではある。が、そこが上手く計られていたら、砂漠にあって有効な植物の繁茂ポイントが得られるだろう。かつて東北のマタギは魚が越えられぬ魚止の滝の上流(普通魚が住まぬ)にイワナなど放流し、緊急時の釣りポイントを準備していたというが、似たような話である。

はたしてあの肥沃なドロはボルボロスから得るしかないのか、という根本的な問題はあるが(ゲーム上はフィールドから直接は得られない)、このような理由でボルボロスは注目されている。ボルボロスも元来はMH3系の砂原地域のモンスターだったわけだが、こういった背景を積み重ねて、旧地域での存在感を持たせたい。

▶︎ 関連記事

概要
MHシリーズの基盤にはどのような構成があるべきか、ここでは「MONSTER HUNTER 0」のタイトルでそれを考えてみたい。

▼ 砂漠の村

特産交易とガレオスと
砂漠で得られる物資は限られている。ゆえに、各地との交易が必須である。特に、生命線となる耐暑アイテムの素材たる氷結晶の安定した入手経路は重要だ。すなわち雪山ポッケ村との交易が盛んという話になる。

ハプルボッカ特需
砂漠のお宝というのは世間によく共有されたイメージだが、MH1・MH2の頃の砂漠にはそういう面はなかった。これが色濃くなったのは、一攫千金を狙ってジエン・モーランに群がった、ロックラックの連中の活躍以降だろう。しかし、確かにあの連中のバイタリティには魅力があるわけで、MHXXの砂漠にもその気風を少し分けてもらいたい。

砂漠にいない水竜
ガレオスを狩って暮らしているものにとって、ガレオスたちの親分がドスガレオスであるのは当然として、さらに上の大親分とみなされてきたモンスターがいる。水竜ガノトトスである。これは武器にも表れていて、ガレオス素材のライトボウガンをベースに、彼らはガノトトス素材を用いるライトボウガン・メイルシュトロームを開発してきた。

▼ その他

森丘とランポスと
それぞれの土地には、そこに良く適応し、旺盛に繁殖するモンスターがいる。これをどう制するかがその土地に村落を営む人々、その村のハンター第一の課題であり、森丘に近いココット村ではランポスがその対象となる。

ガラス素材と護衛任務と
ハンターの重要な任務に、ハンターではない人々が何らかの仕事をしにフィールドに赴くにあたり、その現場と経路の安全を確保する、護衛任務というものがある。ここでは森丘のセカンドフィールドとしての沼地に採掘に赴く人々の護衛任務という仕事を見たい。

雪山と弾弓と
ポッケ村と雪山のルーキーハンターの話も、その骨子や構成の仕方はココット村のそれとそう変わるものではない。ここではその辺りはざっと見ることにして、雪山ならではという部分をクローズアップしていきたい。