奈良県の竜蛇
門部:日本の竜蛇:「怪異・妖怪伝承データベース」より
話 名 | 大蛇,狐 |
資 料 | 土俗と伝説 1巻3号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | こまのと言う女が結婚を断られた男を追っていくと、淵に映る男の姿を見て池にはまったと早合点して池に飛び込み大蛇となった。大蛇を鎮めるために人身御供をしていた。ある時、人身御供になる娘の母に乳をもらっていた狐が神官に化けて大蛇を退治した。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | なら 通巻13号 |
場 所 | 奈良市 |
要 約 | 土地を荒らして村の人を困らせていた大蛇がいたので、それを退治して堤に埋めた。大蛇に再び出て悪いことをさせない為に、お灸をすえる意味で、毎年1度はタエマツという行事をする。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | なら 通巻26号 |
場 所 | 宇陀郡 |
要 約 | 女房は毎日井戸で自分の姿を見ていた。女房は1人の子供を産んで去っていった。夫が赤ん坊と共に井戸に行って名前を呼ぶと、授乳するために妻が現れた。数日後、女房は来るなと言ったが夫が行くと、女房ではなく大蛇が現れた。夫は追いかけられて、帰宅後亡くなった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | なら 通巻26号 |
場 所 | 宇陀郡 |
要 約 | 谷に住む大蛇が人を困らせるので、男が蛇をおびき出して射殺した。おびき出すために、男は笛を利用した。 |
話 名 | 龍,ムジナ |
資 料 | 田舎 通巻12号 |
場 所 | 磯城郡 田原本町 |
要 約 | 男龍が娘を取って食い、赤子を取り、田畑を荒らすので人々は困っていた。僧に尋ねると、菖蒲を家の前に置くと良いという。その通りにすると落ち着いた。その後ムジナが出没して、同じように荒らしたが、空から龍がやってきて退治した。その後蛇巻きの行事が行われる。 |
話 名 | 姫谷池,大蛇,池の主 |
資 料 | 旅と伝説 12巻1号/通巻133号 |
場 所 | 宇智郡 |
要 約 | 娘が池に洗濯に行って簪を拾った。それを頭に挿すと簪が大蛇になって娘を飲み込んだ。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 郷土研究上方 10巻131号/通巻131号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 猟師は、喧しい愛犬の鳴き声で獲物を取り逃がした。怒った猟師が愛犬の首を切り落とすと、その首が、今にも猟師に噛み付こうとしていた大蛇に食い付いた。悔恨の念に苛まれた猟師は、出家して愛犬の霊を弔った。 |
話 名 | 野槌 |
資 料 | 郷土趣味 3巻3号/通巻27号 |
場 所 | 吉野郡 |
要 約 | 野槌という蛇は深山木窺にすんでいて、おおきいものは直径5寸長さ3尺、頭も尾も均等で柄の無い槌のようにみえる。これは蛇と雷との一体説を確かめるべき材料となる。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻30号 |
場 所 | 橿原市 |
要 約 | ツナカケという行事が2月11日に行われる。昔、蛇が現れて牛が前に進まなかったから、その後ツナを作ってかけるようになったという。 |
話 名 | ノドヒカリ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 下北山村 野近川村 川上村 |
要 約 | ノドヒカリと呼ばれる蛇がいる。山の神や水神の使いだという。殺したら罰があたるという。年を経るとワザをするという。 |
話 名 | クチナワ,ガタロ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 川上村 |
要 約 | クチナワやガタロは、クスノキが嫌いである。悪い蛇に会った時は、サカキの杖で触れば真っ黒になって死ぬという。 |
話 名 | 大坊主 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | ハラマキの滝にいる大蛇に小便を入れた一升瓶を、お神酒として供えようとしたら、その晩大坊主にうなされて、寝られなかった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 大蛇は、あちこちに歩き廻って、その行動半径はかなり大きく、その道は決まっている。一升瓶くらいの太さのものもいて、ぬけがらに太腿が入るという。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 長さ約3間、胴廻りが4尺5寸ぐらいの大蛇を見た人がいる。カボチャぐらいの胴廻りの大蛇が松の木を巻いているのを見た人もいるという。 |
話 名 | 大きな蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 田へ大蛇が降りてきて、田螺をとって食べ、その貝殻を積んでおくといい、通った後は必ず草が倒伏しているという。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 大蛇および大蛇の骨の目撃談。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | ハラマキの滝にいる大蛇に小便を入れた一升瓶をお神酒として供えようとしたら、その晩大坊主にうなされて、寝られなかった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 道ばたに大木が倒れていた。大風も吹いていないのに変だなと思いながら、片手でのけようとしたら、ずるずると動いたので、大蛇だとわかった。 |
話 名 | オオグチナワ,大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 小津川村 |
要 約 | 巡査がオオグチナワに遇い、サーベルを抜いて切ったという。それ以後は大蛇の話は聞かない。 |
話 名 | 蛇,大蛇,白蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 土方が蛇にいたずらしたら、50匹ほど現れ、蛇の親分まで出てきたので、仕事を休んでお祭りをした。一升瓶ぐらいの大蛇と、ちょっと小さい白蛇が一緒にいたこともある。蛇の噂がたつと人夫が集まらないから、賃金が高くなって困る。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 大蛇を見て寝込んだという話がある。小学生が遠足に行った時、長さ2間余り、茶瓶ぐらいの胴廻りの大きなアオダイショウが道を横切っているのを見た。 |
話 名 | ナガモノ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 小津川村 |
要 約 | 大蛇が出没して困っていた。村人が集まって相談し、サカキの枝がいいということになり、サカキの枝をもって山に入り、発見した大蛇の肛門のあたりを刺して退治した。大蛇を見た者が熱を出して寝込んだ話もある。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 下北山村 |
要 約 | 大蛇の目撃談数例。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 大塔村 |
要 約 | カヤの上から大蛇が首を出しているのを見て、弾丸を撃ち込んだら逃げていった。この人は帰ってから床につき、3日目に亡くなったという。 |
話 名 | 竜神,大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 竜神さんがいるという桧の大木がある。太い藤が巻きついていて、葛のカズラを切って割ったらビーンと音がする。それが聞こえると大蛇が出ると言っている。 |
話 名 | ジャー |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 猫良滝にはジャーというヌシもいる。ある人がジャーを釣ろうとしたら蛇がかかり、放したらたちまち大きくなって、頭がネコラにあって、尾がジャノクボにあった。 |
話 名 | ジャ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 野迫川村 |
要 約 | 大きなアオダイショウを4人かかってやっと殺した。翌日行ってみたら、同じ所に同じくらいの蛇がいて、叩き殺して埋めた。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 下北山村 |
要 約 | カヤノに大蛇がいて、野に火をつけて来ても尻尾で払って消してくれるといって、よく火をつけっ放しにして来たものだという。 |
話 名 | ジャー,ナガモノ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 |
要 約 | 昔、ある医者が、子供たちになぶられている蛇を助けてやった。翌日、綺麗な娘が医者の家に来て、嫁になった。男の子も生まれたが、ある時医者が家に帰ると、嫁がジャーになっていた。正体を見られたジャーは家を去った。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 怪しいものが夜な夜な娘の所へ通って来たので、その者の着物の裾に糸をつけて辿って行ったら、大きな蛇だったという話がある。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 下北山村 |
要 約 | 小玉置様という小祠があった。これは昔、この辺に直径3寸余りの大きな蛇を有志で祭ったものである。 |
話 名 | 白蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 下北山村 |
要 約 | エボシ谷のエボシ滝には、毎年正月2日に滝口にシメナワを張ったように白蛇がかかっている。そのため、ここで火を焚いても、この白蛇が尾で消し止めてくれるから、絶対に火事にはならないという。 |
話 名 | 白い大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 林道工事をしていた時、白い大蛇が出て、仕事をしようとすると岩の間から頭を出すので、人夫がおびえて仕事をしなくなった。それで、お祓いをしてもらったらどこかへ行ったという。 |
話 名 | 白蛇 |
資 料 | 旅と伝説 6巻4号通巻64号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 正月に藁の蛇を巻き付ける古木のよのみの木には白蛇が棲んでおり、傍らの橋を通る人を食ったという。白蛇は大蛇で雌雄2匹おり、県道に懸かっている橋を取り替えたり修理しようとすると、白蛇は怒って飛び出すという。 |
話 名 | 白グチナワ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 白いグチナワは、神様のツカイモノだという。某家の老女が家の端にいた白蛇を祭り初めてから、急に盛大になったと伝えられる。 |
話 名 | ハメ |
資 料 | 旅と伝説 8巻1号通巻85号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 蛇をさすと指がくさるといわれている。指した時は唾をはく。 |
話 名 | ノヅチ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 桧の枝を切りに行ったら、がさがさ草を分ける音がしたので、見たら大きな蛇がいて、びっくりして逃げ帰った。それから4、5日して、このいとこが草を刈っていたら、それらしい蛇を見た。太さの割には大変短かったから、たぶんノヅチだったのだろうという。 |
話 名 | ゴハッスン |
資 料 | 旅と伝説 8巻5号通巻89号 |
場 所 | 天理市 |
要 約 | だんごのような蛇である。草の中で息を吹きかける。それがこわい。 |
話 名 | ノヅチ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 下北山村 |
要 約 | 若い娘がワラビ採りに行って、ナメクジの大きいような太く短いぬめぬめした蛇を見た。あとで他の大家の人に聞いて、ノヅチだと判った。 |
話 名 | オオグチナワ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 大正6年頃、鉄砲好きの人が2人連れで鹿撃ちに行った。けれどもその日に限って犬が怯えるので山小屋に戻った。しばらくし、何者かが屋根の上を通る音がした。出てみると、大蛇が鎌首をもたげていた。鉄砲で撃ったが効かないので、狩人のたしなみとして持っていたナベノアシを撃ち込んだらやっと死んだという。 |
話 名 | オオグチナワ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 野道川 |
要 約 | 昭和18年頃、炭を焼いている人が山を歩いていたら大蛇が現れた。大蛇は人の気配に驚いて木に巻きつき、首を立てて睨んだ。その人は怖くなって逃げ出し、やっとの思いで小屋に逃げ戻った。 |
話 名 | オオグチナワ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 昭和12・3年頃、郵便配達夫が犬と一所に歩いていたら、大きな蛇が山から下りてきた。蛇は鎌首をもたげて犬に襲いかかってきたので、郵便配達夫は杖で殴り殺した。 |
話 名 | オオグチナワ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 野道川 |
要 約 | 150年ほど前、狩りの名人が夜が明け始めたころに牡鹿を呼び寄せる笛を吹いたら、急に東の空が光り輝いた。驚いて仰ぎ見ると、胴回りが5升ほどもある大蛇が火炎を噴いていた。秘蔵のナベノシリの弾丸を鉄砲に込めて喉首を狙って撃つと、首が山の下に落ちた。それ以来、その人は狩りを止めた。 |
話 名 | 蛇,大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 十津川村 |
要 約 | 材木を上湯川に流して出した時、平内滝に来たら小蛇が何10匹も出てきた。平内滝には、昔、鹿を追い落としたら、水が雨のように粘って溺れ死んだということが伝えられている。根深瀬川の鳥嶋雄淵に迂回に出かけたら、鵜が淵に入ろうとしないので、不審に思い見てみると、大蛇がとぐろを巻いていたという。 |
話 名 | ノヅチ,ツチノコ |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 大塔村 |
要 約 | ノヅチまたはツチノコと呼ぶ蛇は、頭も尻もないような蛇である。上へも下へも転がって行き、これに当たると死ぬ。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 高市市 明日香村 |
要 約 | 昔、義渕僧正が村岡寺にある竜蓋池に住んでいた大蛇を退治した。旱魃の時、この池の中央にある石を動かすと雨が降るという。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 吉野郡 天川村 |
要 約 | 竜泉寺の宝物として、大蛇の骨と、大蛇を退治した聖宝尊者の剣があった。昔、雌雄の蛇が岩窟に住み登山者に危害を加えていたので、尊者が経文を唱えながら雄の大蛇を退治し、雌の大蛇を岩窟に閉じ込めた。竜泉寺の縁起として人蛇婚姻の話もある。 |
話 名 | のづち |
資 料 | 中京民俗 通巻9号 |
場 所 | 吉野郡 大塔村 |
要 約 | のづちは蛇のようなもので、人影を見ると体を丸くして突進してくる。のづちをこちらが先に発見した場合はいいが、先に向こうに見つけられると高熱を出して死んだり、病気にかかったりする。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 中京民俗 通巻9号 |
場 所 | 吉野郡 大塔村 |
要 約 | 滝の2段目のつぼには蛇がいるといわれ、村人誰も恐れて近づかない。 |
話 名 | 槌の子蛇 |
資 料 | あしなか 通巻140号 |
場 所 | 大塔村 |
要 約 | 30年ほど前、死んだ長さ40センチのビール瓶より太いくらいの蛇を見た。背は薄茶色、原は黄色で内側にすぐ曲がった。 |
話 名 | 槌の子蛇 |
資 料 | あしなか 通巻147号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 名張川源流域の村人は、山菜採りに谷に入ったら槌の子蛇がいてびっくりして逃げたという。 |
話 名 | 槌の子蛇 |
資 料 | あしなか 通巻147号 |
場 所 | 天川村 |
要 約 | 天川村の村人が昔、山菜採りに入った近くの小谷で槌の子蛇を見たという。 |
話 名 | 槌の子蛇 |
資 料 | あしなか 通巻147号 |
場 所 | 天理市 |
要 約 | 天理のゴルフ場で槌の子蛇を見たという話がある。 |
話 名 | 野槌蛇 |
資 料 | 日本随筆大成第一期 19巻 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 深山の岩穴に野槌蛇がいる。大きなものは差渡し5寸、長さ3尺ばかりで、頭と尾が等しくして尾は尖らず槌の柄の無いものに似ている。吉野郡の山中菜摘川清明が滝の辺りで時として見ることができる。口が大きく人の足を噛む。坂道を降りるのは早いが登るのは遅いので、出会ったら高い所に逃げればよい。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 昔話―研究と資料― 通巻15号 |
場 所 | 吉野郡 大塔村 |
要 約 | 草刈にいって整地作業をしていたら変な音がした。見てみたら、大きな蛇が鼾をかいていた。驚きすぎて、2・3日寝ていたという。 |
話 名 | 大蛇,ノガミ |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 橿原市 上品寺町 |
要 約 | 昔この村では、長男が生まれると籤で決めて、5月5日にノガミの塚に人身御供に出さなくてはならなかった。旅人が退治を買って出た。ノガミの塚には大蛇が住み着いていたので、酒で眠らせて村人と共に退治した。以来、大蛇の命日の5月5日に、長男の生まれた家を頭屋にして藁で大蛇を作り、大蛇供養をするようになった。 |
話 名 | 大蛇,野神 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 橿原市 小綱町 |
要 約 | 昔蛇が出て田を荒らしたので、神に祀るから荒らさないでくれと頼んだ。以来、旧暦5月4日(今は6月4日)に野神祭りをしている。 |
話 名 | 吉備塚,大蛇,狐 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 奈良市 |
要 約 | 今は奈良教育大学の敷地になっているところに、吉備塚という塚がある。吉備真備の墓といい、触ると祟りがあるという。陸軍歩兵三八連隊の敷地だったときも、取り去ろうとすると変事があったので、動かせなかった。大蛇や狐が住んでいるとも言われている。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 大和郡山市 筒井町 |
要 約 | 茶屋のこまのという娘が飛脚に恋をし、忍んで行った。飛脚は親の治病の願掛で女断していたので逃げ、淵の脇の松に登った。娘は水に映った姿を見て飛び込み、大蛇となった。以来、飛脚を他人に取られるのを恐れ、女と見れば殺していた。あるとき駕籠に乗った花嫁が通ったら急に雨になった。駕籠かきが雨具を借りに行っている間に、花嫁は消えていた。以来その橋を嫁取り橋といい、嫁入道中に通ってはいけないとしている。 |
話 名 | 大蛇,狐 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 大和郡山市 八条 |
要 約 | 庄屋の乳母が子狐を哀れがり、庄屋の子と乳兄弟として育てた。その子が成人したとき、嫁取り橋の大蛇を退治するように藩主の命を受けた。狐は今こそ恩を返すときと、直視の大行列に化けて石上神宮の神剣を借り出し、庄屋はその威力で大蛇を退治できた。その大蛇の尾を埋めたのがこまの墓。 |
話 名 | 大蛇,狐 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 天理市 布留町 |
要 約 | ある婦人が菅田の森の子狐を哀れがり、自分の子と乳兄弟として育てた。狐はそのお礼に刀鍛冶の弟子になって宝剣子狐丸を打ち、婦人に送った。婦人はその威力で大蛇を退治し、剣を布留明神に奉納した。今その刀は石上神宮にある。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 桜井市 |
要 約 | 三輪山には谷が999ある。本当は1000あるのだが、神様が1つ隠している。ここの神様は蛇体で、山中の古木を切ると罰が当る。木を持って帰ろうとした人が大蛇に殺されたと言う。大蛇は山を8巻半する大きさがあるという。 |
話 名 | 蛇,みいさん |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 桜井市 |
要 約 | 貧しい百姓の家の嫁が、袋を被った蛇を産んだ。「みいさん」と呼んでかわいがって育てた。ある旱魃の年、「みいさん」が大雨を降らせてくれて大豊作となったので、村人は「みいさん」を祠を建てて祀った。その家は繁昌し、松尾長者と呼ばれるようになった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 高市郡 明日香村 |
要 約 | 岡寺の境内の竜蓋池は、義淵僧正が大蛇を退治した池。旱魃の時には池の中央の石を動かせば雨が降ると言われている。 |
話 名 | 蛇,鯰 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 高市郡 明日香村 |
要 約 | 大昔、大和盆地が湖水であったころ、当麻の主の蛇と川原の主の鯰が喧嘩をして、湖水を当麻にとられてしまった。そこで湖底の亀がたくさん死んだので、その供養のために作ったのが亀石。亀石が西向きになって当麻を睨んだら、大和盆地は再び泥海になると言う。 |
話 名 | ゴン蛇,大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 山辺郡 山添村 |
要 約 | 小原の仏ヶ原にゴンジャの穴と呼ばれる、直径1mくらいの奥深い洞窟がある。昔、ゴンジャ(大蛇)が住んでいたという。ある村人が松の木に登ってグミ採りをしていたら、松の木が動き出した。よく見るとそれは松の木ではなく、大蛇だったという。それからこの穴をゴンジャの穴と呼び、あたりの地名もゴンジャと呼ぶようになった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 山辺郡 都祁村 |
要 約 | 都祁村白石の雄雅山は雄雅神社のご神体で、山頂には石室があって大蛇が住んでいるという。ある人が雄雅山で悪いことをして国津神社へ逃げようとしたら、途中の橋で大蛇が待ち構えていて、殺された。以来その橋を伏人橋という。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 宇陀郡 曽爾村 |
要 約 | 天文年間のこと、椿井谷に大蛇が住み、人畜を害したので、井上喜曽という者が笛を吹いて大蛇をおびき出して射殺した。笛を吹いた所が笛塚、喜曽が大蛇に追われて逃げた所がナガ走り、一息ついて覗き見たところがノゾキ岩だという。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 昔話―研究と資料― 通巻25号 |
場 所 | 橿原市 |
要 約 | 小学生が三輪山の奥に遊びに行ったら、手洗いの水のところに蛇がいた。棒でいじると、触れるたびに蛇が大きくなった。小学生はそれを見て一目散に帰ったという。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 宇陀郡 曽爾村 |
要 約 | お亀という美人の人妻がいた。毎夜草履が湿るので夫が尋ねると、亀山の池に遊びに行くのだという。お亀は子どもを残して池に行ってしまった。夫は困って池に行くと、お亀が現れて赤子に乳を飲ませ、もう来るなと言った。子どもが泣くので夫がまた池に行くと、今度は大蛇が大口を開けて追ってきた。その場所を大口と言う。男は家に戻るとすぐ死んだ。その池をおかめが池とも呼ぶ。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 御所市 |
要 約 | 役行者が葛城山に修行に行く際、美女に戯れかかられた。行者が独鈷で打つと女は悪臭を吹きかけて逃げた。行者が追うと女は大蛇になって呑もうとした。行者が身をかわしていると、鴨の神が大蛇を追い払った。それでここを追付の森といい、追付大明神を祀る。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 吉野郡 天川村 |
要 約 | 洞川の岩屋に雌雄の大蛇がいて人を害していたので、聖宝尊者が大峰山再興のため洞川まで来たとき、お経を唱えて窟に入り、雄の大蛇を退治した。その窟を蟷螂の窟という。雌大蛇は逃げて別の窟に入ったので、入口をふさいでしまった。その窟を蛇の倉という。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 伝承文学研究 通巻50号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 宝亀6年4月13日に、中将姫が往生の前日に説法をしていると継母が大蛇となって説法を妨げが、姫の念仏により成仏する。姫は予告どおり、翌日往生する。 |
話 名 | 白蛇 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 吉野郡 天川村 |
要 約 | ある女房が亭主に、帰ったら必ず外から声を掛けるよう頼んでいた。亭主が黙って家に入ると、女房はトグロをまいた大きな白蛇になっていた。正体を見られた女房は自分の目玉を舐めるようにと子どもに与えて池に消えた。やがて目玉がなくなると現れてもう一つも与えたが、盲目になって昼夜の区別がつかないので、朝夕鐘を鳴らしてほしいと頼んだ。そのために建てた寺が龍泉寺。 |
話 名 | 毒蛇,(竜) |
資 料 | 民具マンスリー 34巻6号 |
場 所 | 高市郡 明日香村 |
要 約 | 毒蛇を義淵大僧正が退治し、寺を建てた。 |
話 名 | 鬼 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 吉野郡 上北山村 |
要 約 | 六兵衛という漁師が網の材料を取りに来て、大台ケ原の大蛇嵓で夜、焚火をしていると、40歳くらいの女が来て、六兵衛の飯を食い酒を飲み始めた。そこに女が来て睨み合いになり、天地鳴動して六兵衛は気絶した。気がつくと後からきた女と巨身白髪髭の老人がいた。先の女は鬼で、大台ケ原の神である女が助けに来たが、力が足りずに弥山大神である老人の力を借りたのだった。 |
話 名 | 経をくわえた蛇 |
資 料 | 芸能史研究 通巻155号 |
場 所 | 奈良市 |
要 約 | 春日にある「六道」というほとりで、童子が経をくわえた蛇を打ちはなったために重病になってしまうという話がある。蛇は邪執によって蛇道に墜ちた人間だったという。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 旅と伝説 5巻5号通巻53号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | ある美男子の許に、ある夜美しい女が尋ねてきた。2人は夫婦となり子も生まれたが、男は妻について、草履が濡れている事と、井戸で水鏡をしている事を不審に思っていた。ある時それを尋ねたら、妻は亀山の原の池に牡竜とともに住む牝竜の化身であり、池が井戸とつながっているのだと言い、池へ帰ってしまった。池を訪れ妻を呼ぶと牡竜が現れ男を食おうとした。逃げ帰ったが病に倒れ子とともに死んでしまった。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 近畿民俗 通巻44号 |
場 所 | 吉野郡 野迫川村 |
要 約 | オイ谷の滝には雄の竜が棲み、今西の滝には雌の竜がいて、毎晩、雄の竜が今西の滝へ通ったという話がある。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 五条市 |
要 約 | 悪竜を修験者が法力で分断したが、後の祟りを恐れて竜頭、竜胸、竜尾の三寺が建てられたという。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | 昔、大旱の時、雨乞いをしたら竜が現れた。竜は、雨を降らせたが、大竜に殺され、3つに切れた竜の体が落ちて来た。村人はそれを竜頭寺、竜腹寺、竜尾寺の3つの寺を建てて祀った。 |
話 名 | 竜女 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 磯城郡 城島村 |
要 約 | 三輪山の麓に慶円という僧がいた。この僧が竜女が女に化けているのを見破ったところ、竜女は強化を受けて天上したいと願った。僧が竜女の望みをかなえると、竜女はお礼として宝珠を渡して天上した。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 奈良市 |
要 約 | 池の竜を武士の姿になった武士の姿になった春日明神が射落した。その竜を祀ったのが竜象寺だという。 |
話 名 | 竜王 |
資 料 | 近畿民俗 通巻58号 |
場 所 | 宇陀郡 大宇陀町 |
要 約 | 雨が淵に馬の沓を放り込んだら、竜王が怒って大雨を降らせたと伝えられている。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 日本随筆大成第二期 8巻 |
場 所 | 奈良県 |
要 約 | むかし和州が干ばつに見舞われた時、一匹の竜が人々の苦しみを思って雨を降らせた。すると大竜が怒ってその竜を3つに裂いて下界に投げた。その裂かれた竜が墜ちたところに3つの寺を建てたという。 |
話 名 | 雷神,竜 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 生駒郡 三郷町 |
要 約 | 昔、雷神がこの地に落ちて童子となったのを農夫が子とした。よそは旱魃でも、その農夫の田には雨が絶えなかった。後にこの童子は竜となって昇天したので、その田を竜田と呼び、地名になった。 |
話 名 | 龍宮,竜王 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 奈良市 春日野町 |
要 約 | 猿沢の池は龍宮に通じている。室生の竜穴の善達龍王も以前は猿沢の池に住んでいたという。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 奈良市 帯解町 |
要 約 | 池に竜が住み村人を食ったので退治することになった。池の堤でかがり火を燃やして騒いだが、竜は現れない。そこに通りかかった武士が池に矢を射込んだ。竜は武士をつかんで天高く昇って行った。やがて雷光がして真赤な雨が降り、竜の体がズタズタに裂かれて落ちてきた。村人は竜の屍骸を埋めて竜象寺を作った。武士はとうとう現れなかった。春日明神の化身であったと言う。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 奈良市 帯解町 |
要 約 | 江戸時代、百拙和尚が竜象寺を再考したとき、本堂の天井に狩野春甫が竜の絵を描いた。その竜が夜中、広大寺の池に水を飲みに抜け出すので、竜の目に釘を打ち、ウロコを3枚墨で塗りつぶしたら、抜け出なくなった。 |
話 名 | 竜王 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 宇陀郡 室生村 |
要 約 | 室生寺の境内の室生川を慶円上人が通りかかると、渕に住む善女竜王が現れて即身成仏の印明を請うた。上人が本性を見せよというと、全身を見せては驚かれるからといって、黒雲を起こしてその中に入り、雲間から右手だけ見せた。爪の長さは3mもあり、五色に輝いていた。それからこの渕を爪出が淵と呼ぶ。 |
話 名 | 竜王 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 宇陀郡 室生村 |
要 約 | 室生竜穴神社の竜穴には善達竜王が住んでいた。竜王は猿沢の池から春日山の香山に移り、さらにここに移った。賢俊僧都が竜王に対面しようと竜穴に入ると宮殿があり、竜王は「ここでは会えぬから3丁先で会おう」といった。僧都が穴を出ると、竜王が衣冠束帯で水面に現れた。僧都はその姿を像に刻み、竜穴神社を作った。以来ここに雨乞いすればたちまち大雨が降るという。 |
話 名 | 童子 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 宇陀郡 室生村 |
要 約 | 後朱雀天皇の時、向淵の目代・藤原時廉が観音の霊夢を感じて竜王淵まで来ると、童子が2人水浴びをしていた。童子は「われらは人界のものではない。この池は善女竜王の都で、天竺の無熱池まで通じていたが、人間に見つかったのでもうだめだ」と言って羽衣をまとい、履をはく間もなく昇天してしまった。それで竜王淵を履ぬぎ淵とも呼ぶ。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 奈良県史13 民俗(下) |
場 所 | 生駒郡 三郷町 |
要 約 | 竜田神社の裏の泥池に昔、竜が住んでいた。ある日竜が黒雲を呼んで大雨を降らせ、天地鳴動させて昇天した。そこの泥地を竜子と呼び、どんな旱魃でもここだけは水が絶えないという。あたりの地名も竜田というようになった。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 民具マンスリー 34巻6号 |
場 所 | 奈良市 帯解柴屋町 |
要 約 | 奥の院の、狩野春甫の天井画の竜が池の水を飲んだので、眼を釘で打ちつけ、鱗を塗りつぶした。 |
話 名 | 龍王の滝 |
資 料 | 昔話「研究と資料」 通巻29号 |
場 所 | 月ヶ瀬村 |
要 約 | 竜王の滝という滝は女が行くと荒れるという。興原遠江守が、そこで女官に水浴びさせたら大雨になったとか、腰巻を洗濯したら夕立が降ったという言い伝えがある。 |
話 名 | 龍 |
資 料 | 西郊民俗 通巻77号 |
場 所 | 五条市 |
要 約 | 十輪寺に龍の彫刻入りの梵鐘がある。この鐘を村はずれの淵につけてお経を詠むと、龍が昇天して雨が降る。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 民具マンスリー 34巻6号 |
場 所 | 奈良市 帯解柴屋町 |
要 約 | 池に龍が住み村人を食べた。春日明神の化身の武士が退治した。龍の屍骸を埋めた上に寺を建てた。 |
奈良県の竜蛇(「怪異・妖怪伝承データベース」より)