山形県の竜蛇

門部:日本の竜蛇:「怪異・妖怪伝承データベース」より

話 名 七不思議
資 料 郷土研究 4巻7号
場 所 山形県
要 約 永泉寺の七不思議。開山源翁和尚が毎夜山境を巡る。感応水を飲む者は長寿を保つ。慈覚大師が毒蛇を降伏したという護摩の灰が今もある。火盗の障がない。大信心の者は善護龍神の戯燈を見ることができる。鎮守の稲荷大明神の使者が吉凶を告げる。姿見池の蛙は開山源翁の誡により鳴かない。

話 名 七不思議
資 料 郷土趣味 4巻12号/通巻48号
場 所 山形県
要 約 永泉寺の何不思議。開山源翁和尚が今も生きているように不思議の威徳をあらわすこと。福徳稲荷大神が吉凶を告げること。火盗がないこと。慈覚大師天に祈った感応水は長命をまねくこと。報恩の電燈が境内を照らすこと。姿見池の蛇が声を出さないこと。護摩壇の灰が悪虫の害を防ぐこと。

話 名 蛇,弁天様
資 料 民俗 通巻23号
場 所 米沢市
要 約 弁天様が人についた。西簗沢の山の神に杉山弁財天という祟り神がいて、炭焼きと唄が上手な息子の唄に憑いたという。弁天様は蛇だともいい、蛇をみると弁天様がいるという。

話 名 白蛇
資 料 庄内民俗 通巻8号
場 所 鶴岡市
要 約 戦で敗れた時、城の女たちは池に身を投げて死んだ。その為に池の水は濁って、今も澄まない。死んだ女達は白蛇になって宝物を守り続けている。白蛇を見た者は人に話してはならない。話すと死ぬ。

話 名 両頭の白蛇
資 料 庄内民俗 通巻24号
場 所 山形県
要 約 昔、赤川の洪水の時、川上からワラニオが2つ流れてきて、そのうちひとつが同家の宅地にとどまった。そのニオにはかぞえきれないほどたくさんの蛇がまつわりついていたが、その後、変事のある前には両頭の白蛇が姿を見せるようになったと言われている。

話 名
資 料 民間伝承 30巻3号
場 所 上ノ山市
要 約 尾形家では、先祖は蛇であったので庭にいる蛇を殺してはいけない、と伝えている。倉に綺麗な娘がおり、そこへ蛇が若者の姿で通ってきた。そこで若者の袴の裾に糸をつけてやったら、山中の岩屋の中で大きな蛇が苦しんでいたと言う。

話 名 海坊主,河坊主
資 料 山形民俗通信 通巻6号
場 所 山形県
要 約 大石田に伝わる童謡の歌詞。海坊主や川坊主が出る、生きた蛇を食べる、人の姿を蛇に例える、などの内容。

話 名 白蛇
資 料 庄内民俗 通巻28号
場 所 山形県
要 約 五十嵐与七氏の宅地にある大木の空洞には耳のある白蛇が住んでいて、その姿を見ると眼がつぶれるか死んでしまうというので、近づいたり、枝を切ったりすることは堅く戒められていた。

話 名 不動さま,大蛇
資 料 庄内民俗 通巻28号
場 所 山形県
要 約 赤滝の不動様は眼病に霊験があると言われ、時々、大蛇に変身し、それを見た者はたたりを受けるというので恐れられていた。

話 名 大蛇
資 料 季刊民話 通巻2号
場 所 最上郡
要 約 肘折温泉の近くの岩穴にすむ大蛇を小山八蔵という士が退治した。この後小山家の一族が肘折温泉に行くと必ず怪我をしたり病気になったりする。明治の中ごろこの血筋の者が温泉に泊まり、普段呑まない酒を呑み二階から落ちて大怪我した。大蛇の祟りといわれる。

話 名 大蛇
資 料 民俗採訪 昭和二十九年度号
場 所 南置賜郡 中津川村
要 約 小屋にはジューノキサマという神様がいる。この神体は大蛇。寝ていたら神体を見せるから登って来いと告げられ、見たら大蛇がいたという話がある。

話 名 大蛇
資 料 季刊民話 通巻2号
場 所 東田川郡 立川町
要 約 昔狩川に千貫長者がいた。ある夜立派な若者が訪れ長者の娘と恋に落ちた。娘は身篭ったが産気づかない。手を尽くしたが効き目はなかった。ある日六部が来て、姫を救うには邸内の松にある鳶の卵を飲ませよという。長者は若者を松に登らせたが、若者は鳶にさらわれ地面に叩きつけられた。六部は「私は以前あなたに助けられた蛙で、婿になりすましていた若者は私を飲みこもうとした大蛇で、沼の主である。蛇は恨みを晴らそうと婿になった」という。見ると婿は大蛇であった。産気づいた娘が生んだのは無数の蛇であった。娘は死に、六部は姿を消した。

話 名
資 料 民俗採訪 昭和二十九年度号
場 所 南置賜郡 中津川村
要 約 蛇が死にかけているのを見てムドサゲ(かわいそう)と言うと、殺した者よりもそう言った者のほうに祟る。

話 名 白蛇の精
資 料 置賜の民俗 通巻7,8号合併号
場 所 米沢市
要 約 おみよという女が塩井に嫁にきた。その女は機織っている者だったが、山に薪拾いに登ると白蛇がとぐろを巻いていた。その晩おみよは父親に会うが、今からすぐ山に行かねばならないという。良い男が自分を迎えに来ているという。ノリキに占ってもらうとその男は白蛇の精であった。おみよが機織っている部屋に行くと、横には蛇がぶら下がっているものだったという。

話 名
資 料 民俗採訪 昭和二十九年度号
場 所 南置賜郡 中津川村
要 約 米沢の酒屋の娘が臨月のとき、庭の噴水に出た蛇に番頭が湯をかけた。生まれた子どもは腰から下が蛇だった。産婆に口止め料を払ったが、産婆は会合でしゃべってしまった。

話 名 蛇,竜
資 料 置賜の民俗 通巻7・8号合併号
場 所 南陽市
要 約 杢の沢の、「沼の平」というところは昔沼であった。その沼に何十日も雨が降り続き、村人は困った。その沼には蛇が住んでいて、雨を呼ぶのだろうということで、村人が集まって相談した結果、金棒を投げ込んだら蛇はいなくなるだろうということで、鍛冶屋に相談して金棒を作ってもらい沼に投げ込むと、ようやく雨は止んだ。

話 名 岩倉さまの霊,写真
資 料 置賜の民俗 通巻7・8号合併号
場 所 南陽市
要 約 大津清孝氏宅に岩倉様の霊を写真に取ったものが残っている。大津家の嫁が義母の病いのためにひとりで見よう見まねで養蚕をやっていた。一心に世話をしていたが、昭和33年にある朝板の間を見ると蛇のうろこのような跡がある。近所の人の話では一生懸命養蚕をやったので岩倉様が現われたのだという。それを写真に撮りガラスの額に入れたら精気を失ったが、息が出来るようにガラスの角を切ったら精気を取り戻した。

話 名
資 料 西郊民俗 通巻74号
場 所 西置玉郡 小国町
要 約 小国にはオオミヤサマを信じる者が入る産屋があり、産婦が入ると蛇が産屋にまき付いて、安産を見守ってくれる。

話 名 三頭の蛇骨
資 料 日本随筆大成第二期 2巻
場 所 米沢市
要 約 出羽国米沢にある日朝寺には三頭の蛇骨が蔵されている。長さは2尺あり、一端は双頭でもう一端が一頭あったという。

話 名
資 料 成城大学民俗調査報告書 2号
場 所 西置賜郡 小国町
要 約 五月節句の際には屋根のまわりに蓬と菖蒲をさして、菖蒲湯に入る。その理由は、蛇に追いかけられたときに、蓬と菖蒲の中に逃げたら助かったからという。

話 名
資 料 日本随筆大成第三期 1巻
場 所 最上郡
要 約 今神の湯という温泉に、密通する者や、金銭を盗む者がいたが、蛇が出てきて、密通する男女にからみつき、盗まれた金銭の在りかを教えたので、罪人があきらかになった。

話 名
資 料 成城大学民俗調査報告書 2号
場 所 西置賜郡 小国町
要 約 峠で坊さんが昼寝をしていたところ、蛇が化けてきて関屋を湖にしてそこに住むといった。坊さんはそのことを村人に教え、鉄の針で蛇を退治する。坊さんを祀ったのがオグラ神社である。

話 名 沼の主,大蛇,お姫さま
資 料 あしなか 通巻165号
場 所 山形県
要 約 沼の主は白い大蛇で、お姫様がけがれを嫌って沼端をいつも掃き清めている。このお姫様の姿を見た者は即死するので、早朝は沼に行かぬようにという。

話 名 美女塚
資 料 伝承文学研究 通巻26号
場 所 米沢市
要 約 美女塚には蛇がたくさんいた。掘ってみると小野小町の髪の毛が蛇になって出てきた。

話 名 大蛇
資 料 加能民俗研究 通巻10号
場 所 西玉置郡 小国町
要 約 百子沢の長者が女中のお花に振られたのを怨んで家宝の皿を洗わせ一枚隠して罪を着せた。お花は沼に投身し大蛇となり、長者屋敷は沼になってしまった。

話 名
資 料 置賜の民俗 通巻13号
場 所 南陽市
要 約 目の良く見えない坊主が山の中で道に迷い、山中の洞の中で泊った。退屈なので持っていた三味か琵琶かを弾いていると、若い娘がやってきた。聞かせてくれと言う。一通り語り終わり、娘に正体を尋ねると蛇だという。子分の蛇もいて、食べ物がないので洪水を起こして村を全滅させて村人を食うつもりという。村に下りてから村人にそれを告げ、村人は対策を講じて蛇は死んだという。坊主は告げ終わると死んでしまったので、それを祀った。

話 名 竜神,白蛇,山伏
資 料 山形民俗通信 通巻13号
場 所 山形県
要 約 昔、引竜山周辺は、竜神の化身である白蛇が祟ると噂されていた。ある山伏に頼んで、白蛇を懲らしめることになった。山伏は農夫を集め、引竜の池の水を汲み出させた。池の水が少なくなると、空が曇って大雨が降り、雷鳴が轟いた。山伏は雷雲をにらみつけ、数珠を手に呪文を唱えた末、池の主である竜を降伏させた。以後は白蛇の祟りがなくなったという。

話 名 大蛇
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 有野に7日7夜の大雨があったとき、洪水で神室山から頭が8つで体は1つの大蛇が流されてきた。

話 名 大蛇
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 大洪水になったとき、山のてっぺんまで水が来て、角のある腹の赤い大蛇がスワ、スワと這っていった。そこを蛇くずれという。

話 名 大蛇
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 蛇が山に棲んでいて、狭くなったので海に出たくなり、大雨を降らして山を崩してそこを出た。大蛇が山を崩しているのを見た人もいるという。そこをいま、蛇くずれという。この大蛇は鮭川のあたりで死んでしまい、その死骸から毛ダニが生まれた。その鮭川のあたりには毛ダニが多いので、そこを通ったら厚い湯に入らなくてはならない。

話 名
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 山の上の沼に龍が棲んでいて、狭くなったので大雨を降らして山を崩し川を下って出ていった。そこを蛇くずれという。

話 名
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 黒くて太い蛇が夕方家に入ってきたので、話者の父が箒で外へ投げ出すと傷ついて逃げた。父親はその後熱を出し、蛇の傷が治るまでの3,4日は治らなかった。蛇は家の主であった。

話 名
資 料 常民 31号
場 所 西置賜郡 白鷹町
要 約 観音堂の神木の杉には、昔、穴が2つあり、生臭いものを食べて観音堂へ行くと、その穴から蛇が出てきて「通るなー」と言う、といわれていた。

話 名 カイバミ,龍宮
資 料 フォクロア 通巻12号
場 所 鶴岡市
要 約 カイバミは昔龍の化身のような大きな鯉が貝を食べていたからそう呼ばれる。カイバミの住む池は竜宮に通じている。

話 名 竜女,竜王,竜神
資 料 近畿民俗 通巻49号
場 所 飽海郡 東栄村
要 約 昔、方副寺の裏に広漠な沼地があり、竜王が主として住んでいた。住職が毎日読経すると竜神が現れて聴聞した。そこで住職が戒脈を授けると、竜神は喜んで一度池の中に入ってから女神となって現れ、光明不惑の珠と縫い目がない法衣を寺に残して去った。

話 名 竜神
資 料 近畿民俗 通巻58号
場 所 最上郡 安楽城村
要 約 雨乞いの時、滝壺に大石を投げ込む。すると竜神が怒って雨を降らせると言われている。

話 名
資 料 日本随筆大成第一期 17巻
場 所 山形県
要 約 夏の晴天の中天に竜の頭だけが見えたという。牛のかしらのようでもあったというが、目の光がすさまじかったという。下に下りてくるのかと皆が心配したが、やがて雲に隠れたという。

話 名 竜神
資 料 山形民俗通信 通巻13号
場 所 村山市 河島山
要 約 村山市河島山白山神社境内に白山池がある。干魃の時に雨乞いをし、池をかき回すと、3日以内に2匹の竜が昇天し、降雨をもたらすという。この竜は雌雄の2匹で、最上川の碁点に棲み、水煙を上げて天と川の間を往来している竜神だという。また、月夜の晩には、碁点の水面から8人の天女が昇天し、河島山を飛翔する姿が見られるという。

話 名 航海神,十一面観音
資 料 国立民族学博物館研究報告別冊 3号
場 所 山形県
要 約 鶴岡の善宝寺の信仰圏は広く、東北から関東一円の漁村、四国の一部に伝播している。列島を南下すると航海神の種類も増え、三重県の青峯山正福寺や熊野、住吉、宗像、鵜戸などの神々が登場する。正福寺の本尊は十一面観音で高野山派真言宗で、海上安全の祈祷寺であったので、特に竜神との関係はない。

話 名 湯殿山,黒龍
資 料 日本民俗学 通巻173号
場 所 東田川郡
要 約 湯殿山でその主黒竜に憑かれた。誰も祓いきれず教祖様も全く手が付けられなかった。

話 名 七不思議
資 料 郷土趣味 通巻17号
場 所 飽海郡
要 約 羽後永泉寺の七不思議。開山源翁和尚・感応水・護摩の灰・姿見の池の蛙・鎮守の稲荷の使者・興喜の山神・善護龍神の献灯。

話 名 山のバツコ,山窩の娘,龍神
資 料 旅と伝説 16巻10号/通巻190号
場 所 東田川郡 泉村
要 約 山のバッコと呼ばれた美しい山窩の娘が茶屋をしていた。あるとき、常民の男たちと伊勢参宮に行ったが、琵琶湖で龍神の人身御供となった。その際に彼女が言った通り、彼女の悪口を言ったものは3年以内に死んだという。

話 名 撞鐘
資 料 旅と伝説 16巻11号/通巻191号
場 所 山形県
要 約 維新間もない頃、ある有力な家が、四方に仏像が鋳出してあり、龍頭の下に2寸ほどの穴が開いていて、口の周囲に唐草模様の施してある鐘を家の土蔵に運び込んだ。その後、家に不思議なことばかり続いたので、災難が来ないうちにと、空きになっていた鐘堂に下げさせた。

話 名 龍の骨
資 料 旅と伝説 17巻1号/通巻193号
場 所 山形県
要 約 明治年間に不動堂と瀑の間にあった巨杉に落雷して堂が焼けたとき、杉の焼け跡から白い骨がらのようなものが手桶に2杯出た。木の洞穴に棲んでいた龍の骨であろうと噂された。

話 名
資 料 季刊民話 通巻2号
場 所 村山市
要 約 最上川の渕にすむ龍が天に昇ると次の日は雨。昔河島の小屋で説教していた和尚のもとにあらわれた女が龍宮に住む者だと名乗り、説教のおかげで悟りを開くことが出来たお礼にと材木千本と杓子と縫い目のない衣を授けた。この杓子で水を汲むと水が塩辛くなる。

話 名 沼の主
資 料 季刊民話 通巻2号
場 所 東根市
要 約 沼沢沼の主である頭の大きな魚は、かつて最上川の渕にすんでいたが、大水で渕が干上がったため、龍神に頼んで大雨を降らせてもらい、一族こぞって沼沢沼に移った。

話 名
資 料 季刊民話 通巻2号
場 所 最上郡 戸沢村
要 約 最上川に注ぐ角川は、昔最上川にすんでいた巨大な龍が白山大権現の怒りに触れ角を折られてしまい、その角が流れたというので角川というのだともいい、傷ついた龍の血が流れたので「血の川」と呼んだのが「つのかわ」になったともいう。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 1235年ごろのこと。大雨で神室山から土が落ちて、7日7晩水が流れて山になった。その上を白い龍馬が歩いていたので、龍馬山というようになった。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 宮集落のある家が放し飼いにしていた馬に龍馬が種付けして子が生まれた。その仔馬は屋根に上ったり、杭の上を猫のように歩いたりできたので、新庄の戸沢公に飼われたという。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 龍馬は杉沢集落で生まれて、狭いので棲むところを探して不動山に登った。明採にそのときの足跡が残り、石の鳥居で昼寝をした。龍馬が住み着いたので不動山を龍馬山というようになった。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 山の頂上で白い馬が跳ねていたので、龍馬山というようになった。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 龍馬山には龍馬がいた。龍馬は頭が龍で体が馬の生き物で、60年に1度姿を現した。新庄の戸沢公が「そんな生き物がいるはずがない」と言って見に来たら姿を現したので、鉄砲で撃った。それから龍馬は出なくなったという。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 龍馬山には白馬の龍馬がいて、60年に1度姿を現した。新庄の殿様が鉄砲で撃ち、それから龍馬は出なくなった。杉沢集落に行く途中の山に、龍馬の蹄の跡のついた岩がある。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 龍馬山には白馬の龍馬がいて、日露戦争の頃には姿を見せた。神様が鉄砲で撃ち、それから龍馬は出なくなった。

話 名 河童,龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 話者宅の裏の川で、不動様が頭が龍で体が馬の龍馬を川で洗っていたら、河童が尻尾にくっついた。不動様は河童を捕えて。人を取らなければ許してやるといって放してやった。以後、その川で河童にとられた人はいない。

話 名 龍馬
資 料 有屋の民俗 昭和60年度号
場 所 最上郡 金山町
要 約 宮集落のある家が山に放し飼いにしていた馬に龍馬が種付けして子が生まれた。その仔馬は垣根の上を猫のように歩いたりできたので、新庄の戸沢公に飼われた。戸沢公がその馬に乗って江戸に行ったら、大火事で領国橋が落ちたときに殿様を乗せ、家来を尻尾に掴ませたまま隅田川を飛び越えて逃げた。それで怪我をして厩で寝ているときにも、半鐘の音がしたら殿様を乗せて逃げようと動き出すほど忠義な馬だった。

話 名 龍燈
資 料 西郊民俗 通巻135号
場 所 山形県
要 約 龍燈といって、古い松の樹が夜ボーッと光ることがある。発光する理由は不明だが、近寄ると消え、離れるとまた光りだす。時として龍のような形になることもある。

話 名 突風凧
資 料 西郊民俗 通巻135号
場 所 山形県
要 約 突風凧は大嵐を巻き起こす凧で、龍巻のように被害をもたらす。

山形県の竜蛇(「怪異・妖怪伝承データベース」より)

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