岡山県の竜蛇
門部:日本の竜蛇:「怪異・妖怪伝承データベース」より
話 名 | 蛇 |
資 料 | あしなか 通巻31号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 夫婦の蛇がいるところをある人が通りかかると暗くなり、前方に美しい一人の女が立っていた。大蛇のお化けと思って鉄砲で撃つと、明るくなり、子供の足跡がついていた。そこに蛇神様を祀ることにした。 |
話 名 | ギンヅチ |
資 料 | 岡山民俗 9号 |
場 所 | 久米郡 久米町 |
要 約 | また、ナマメスジでは或る時はギンヅチ(長さ約1尺、頭も尾も同じ、或いは槌の形という怪蛇)やタコロバチ(竹の革張りの傘)がコロコロと転げ出る。10年に1人や2人はそれを体験するという。 |
話 名 | 蛇持ち,白蛇,トウビョウ |
資 料 | 山陰民俗 通巻3号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 白蛇は家を富ますと言われ、富豪の妹尾家では毎年、蛇の食用として米1俵を倉に撒いたという。一方トウビョウは同じ蛇でも、これに触れると祟りがあるとして畏れられ、トウビョウ屋敷と呼ばれる屋敷に居住することも忌み嫌われる。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻16号 |
場 所 | 眞庭郡 落合町 |
要 約 | 雨乞いには山に登って火を焚き唱えごとをする。どうしても雨が降らないときは5升樽に酒を入れて大山赤松池に投げ込む。すると大蛇がこの酒を飲むので空樽になる。それに池の水を入れて村に担いで帰ると必ず大雨が降る。 |
話 名 | トウビヨー,娘 |
資 料 | 岡山民俗 通巻16号 |
場 所 | 真庭郡 二川村 |
要 約 | トウビョーは頸に輪型のある一尺ばかりの小蛇だが、指を指しても祟るといって子供も恐れる。子供のときの話で、雄滝というところに石グロがあって、畑の持ち主が取り除こうとするとトウビョーが中から何百も這い出して、それを見た人は熱を出して寝込んだという。 |
話 名 | オツカイシメ |
資 料 | 岡山民俗 通巻37号 |
場 所 | 西大寺市 |
要 約 | 道通様のオツカイシメは蛇であるが、ある人の戦争で戦死した息子が、14歳のときに不明な病気にかかり、医者に見てもらっても治らないので祈祷師の所でおがんでもらうとその息子は道通様のオツカイシメを殺した事があるのでなおらない、だから道通様にオツカイシメの好きな卵をお供えしなさいということであった。 |
話 名 | 蛇,タタリ |
資 料 | 岡山民俗 通巻37号 |
場 所 | 西大寺市 |
要 約 | 道通様の信者から嫁を貰う事を昔は敬遠した。これは道通様のオツカイシメが執念をもつとかんがえられたからである。実家に帰りたい嫁を帰さないとその嫁の主人の枕の下に蛇がウジャウジャと出てきて夫を悩ませた。その翌晩には嫁の体が蛇の体に変わった。そのためぞっとして離縁したという話がある。 |
話 名 | へび |
資 料 | 岡山民俗(年会講演特集号) |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 蛇は水神様のお使いである。蛇が木に登ると大水がでる。蛇が川を渡ったら雨が降る。黒い小さな蛇に白い首魂のかかったのはどうつう神の使いだ。蛇を指差すとその指が腐り、殺すとたたりがあるという。蛇の骨がたったら一生患うといわれており、田の中に蛇を捨てると叱られる。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 井戸に蛇が現れるのは不吉の兆だとする風がある。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 苫田郡 富村 |
要 約 | 為本家ではタネヤ(種籾をつける神聖な池)に蛇が現れると、不浄があるために水神の機嫌が悪い証拠だといって、池浚えをしてお浄めをする。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 久米郡 中央町 |
要 約 | 宮谷川の淵に住む大蛇が赤部谷の娘の元に通っていたが、ひそかに袖に付けた糸を辿られ正体を見破られたという。阿哲郡大佐町、上房郡北房町宮地などでは忍んでくるのはすべて大山の赤松池の蛇の話になっている。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 真庭郡 落合村 |
要 約 | 落合村栗原、余河内下組の丘の上にある荒神の御神体は、頭が8つある大蛇である。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 真庭郡 落合町 |
要 約 | 栗原光明山は頂上が2峯に分かれていて、中央に溜池がある。元来ここは沼で、大蛇がいると伝えられる。また、池の右の峯には荒神がある。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 西郊民俗 通巻10号 |
場 所 | 真庭郡 湯原町 |
要 約 | 赤子淵の少し川下に雄滝と雌滝がある。雌雄の大蛇が住んでいるという。 |
話 名 | ヤマガミ,大蛇 |
資 料 | 伊勢民俗 5巻3号 |
場 所 | 都窪郡 |
要 約 | 中国地方には山の神と蛇の関係が多少見られる。備中都窪郡庄村では、山の神をヤマガミといい、正体は大蛇であるという。 |
話 名 | 三穂太郎 |
資 料 | 伊勢民俗 5巻3号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 美作那岐山付近の三穂太郎の伝説は天狗的な要素と河童的な要素が混じっている。サンボタロウは菅原道真の後裔の巨人で、大蛇を母に持つという。また、彼自身も、元は那岐山付近の蛇渕にすんでいた大蛇であるといわれる。 |
話 名 | 悠紀子,大蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻42号 |
場 所 | 児島市 |
要 約 | なもで踊りの起源としていくつかの話がある。昔子供を授かるように祈っていた夫婦がある日裏の城山で女の子を見つけ、神の申し子として、悠紀子と名づけ育てた。年頃になり若者が毎夜娘を尋ねてくるようになったが、その若者は大蛇であった。恋人の姿を見られた悠紀子は自分も大蛇である事を書置きし城山へ帰ったという。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻46号 |
場 所 | 阿哲郡 哲西町 |
要 約 | 昔虫原峠に近いところの平坦地に大蛇が住んでおり、蛇原といった。その蛇は牛馬を取って食い、田畑を荒らすので、九品寺の僧が大蛇を祈り殺した。九品寺の僧は大病を患い死亡し、寺は次第に衰え廃寺となったという。また大蛇が死んだ虫原谷を流れるおこぎ川の水に毒気が含まれて牛馬や人に害を及ぼすようになった。大蛇のたたりということで祀ったという。 |
話 名 | 蝦蟇,蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻53号 |
場 所 | 岡山市 |
要 約 | 昔々金山寺の大きな蝦蟇と大蛇が住んでいた。この両者が争ったが、それを報恩大師が法力で鎮め、綱引きの形を蛇にして祭る事となった。また江戸末、明治初年頃に金山寺に吝嗇な坊主がいたが、綱引きのとき皆にかゆを食べさせなかったので皆が怒り綱引きで引いた綱をはずして寺の本堂を引き回した。あくる日坊主が本堂へ行くと大蛇がのた打ち回っていた。坊主は村の有力者に救いを求めたが、皆が行くと縄があるだけであった。 |
話 名 | 蛇,巫女 |
資 料 | 岡山民俗 通巻53号 |
場 所 | 岡山市 |
要 約 | 石槌さんの蛇がいた。巫女が蛇にまたがったが、蛇のほうが強かったのか、寒気がついてうごけなくなった。巫女さんは家に帰りご祈祷をするとなおった。 |
話 名 | つきもの |
資 料 | 岡山民俗 通巻56号 |
場 所 | 勝山町 |
要 約 | とうびょうは小蛇である。狐や犬や猫も憑く。狐と言っても普通の狐ではなく、ねずみ位の大きさである。つきものが家に来ると、金や肥料、稲、醤油などを隣近所から取ってくるので急に金持ちになることがある。人が気がふれた状態になり、法印様に拝んでもらうと、狐がついているという。 |
話 名 | トウビョウ |
資 料 | 岡山民俗 通巻81号 |
場 所 | 真庭郡 落合町 |
要 約 | トウビョウという小蛇はひどくたたるといって恐れられる。頸部に淡黄の輪形のある小蛇である。指を指しても指が腐ると言う。山本依治という人は隣村から移住してきたのであるが、妻に死なれるなど不幸が続いた。村の人はその屋敷がトウビョウ屋敷であるからだといった。 |
話 名 | 白蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻81号 |
場 所 | 真庭郡 落合町 |
要 約 | 光明山の美作側の山麓にも遍照寺という寺があり、そこには白蛇がいるという。栗原村の東の西河内という村の山中には実際に白蛇がいるということで、天然記念物にするとかしないとかいう話を聞いたことがある。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻81号 |
場 所 | 真庭郡 落合町 |
要 約 | 光明山の備中側の遍照寺あたりには大蛇が住むといわれる。戦後のことだが、草とりに行った国本なつという老婆が山の主の大蛇に逢って腰を抜かし、何日も寝込んだという。 |
話 名 | ギンヅチ |
資 料 | 岡山民俗 通巻81号 |
場 所 | 真庭郡 落合町 |
要 約 | 関という村にコリコウゲという坂がある。気味の悪いところで有名だが、ここにはギンヅチという蛇がいて、夕暮れに通りかかるとごろごろ転がって来るという。害があったという話は聞かない。 |
話 名 | 槌の子蛇 |
資 料 | あしなか 通巻122号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 山の斜面で槌の子蛇に出会った。ギュギュと声を立て、プロペラ状に回転しながら跳ね上がり、弓なりに回転して転げ落ちて来た。眼光鋭く、背面浅黒く腹は黒のまだらで長さ約60㎝で太くはなく、臭くて金蝿がついていたという。 |
話 名 | 下道 |
資 料 | 民間伝承 34巻1号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 野狐、狸、その他ゲドウ(下道)と呼ばれる低級霊が憑いている場合、法印が祈祷して落とす。病人が狸なら狸、蛇なら蛇のような仕草を見せる。性質が悪くて執念深く、法印の手に負えない場合、最後の手段として今津の木野山神社から、1週間、御分霊を勧請する。 |
話 名 | ジャ |
資 料 | 民俗採訪 通巻昭和36年度号 |
場 所 | 川上郡 備中町 |
要 約 | ジャは胴は蛇、足は4本、頭に角と髪がある。トリガネヶ池のジャが人を取った。坂本のニシエという家の弓を引くオトデが退治に行き、待ち構えていると池の中から蜘蛛が出て来て足に糸をかける。不審に思い切株に掛け替ると、切株が池に引き込まれ、ジャが出て来たので口の中を射て退治した。その夜、家に女房が訪ねてきた。泊めてくれというのを断ると雌のジャの本性を出し、西の破風から覗いたので射た。この家は破風をつけない家例になったが、後につけたので亡びてしまった。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 久米郡 中央町 |
要 約 | 鞍淵という淵で雨乞いをする。かつて、洪水のために出てきた隣村の池に住む大蛇が杉の枝に引っかかっていたので殺した。その骨を焼いて灰にして鞍淵に捨てたので、蛇気があるからだという。 |
話 名 | 大蛇,竜神 |
資 料 | 民間伝承 37巻1号 |
場 所 | 大佐町 |
要 約 | 大佐山の7、8合目に竜王池という池がある。龍神が棲むといい、池に時として白蛇の姿を見ることがある。池の水が涸れたときは伯耆大山の麓にある赤松の池に移ったという話もある。また、大佐山の麓にある大佐神社はこの竜神(大蛇)を祀っている。 |
話 名 | 鬼,田の神 |
資 料 | 岡山民俗 通巻107号 |
場 所 | 総社市 |
要 約 | イノコは旧暦10月の亥の日の祭りである。このイノコは田の神が山に帰る日である。「祝わんものは鬼うめ蛇うめ、角の生えた子うめ」というはやし言葉があり、「亥の子の日には大根畑に行ってはならない」というタブーも伝えられている。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 岡山民俗 通巻116号 |
場 所 | 井原市 井原町 |
要 約 | 猪原長者が老境に入り、家運も傾き思案にくれていると1匹の大蛇が屋根の梁を這うのを見つけた。首を落とさせ胴体共々小田川に投げ捨てさせると金銀大判小判の澄んだ音が響き、大蛇の首は上流の飯名まで登った。以来猪原長者の家は不幸災難が続き没落し、飯名に新しく飯名長者が生まれたという。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 常民 19号 |
場 所 | 恵庭郡 新座村 |
要 約 | 沢城のおまる姫の元に毎晩不思議な若者が通った。あとをつけると不動の滝壷に入った。殿様はおまる姫を警護して閉じ込めたが、何も食べないでやつれるばかりなので望みを聞くと「不動滝に行きたい」と言う。姫は滝壷に身を投げ、大蛇になった。 |
話 名 | 蛇 |
資 料 | 常民 19号 |
場 所 | 恵庭郡 新座村 |
要 約 | 鳥取県の根雨の遠藤という武芸者の娘のおまるの元に毎晩不思議な若者が通った。下男があとをつけると二人で新庄の滝の淵に入った。父母は下男の言うことを信じず自分たちで跡をつけて呼びかけると、おまるは角の生えた蛇になって淵から現れたので、あきらめた。そこをおまる淵と言う。 |
話 名 | 屋敷神,山王様,白い蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 総社市 秦 |
要 約 | 総社市秦の庄屋の家では、屋敷神として山王様を祀っていた。これは、昔、白い蛇を殺してしまったところ、当家の老婆の目が見えなくなってしまったために祀り始めたのだという。 |
話 名 | 屋敷神,玉菊大明神,道通様,蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 英田郡 英田町 |
要 約 | 英田町福本の公民館の敷地は元々庄屋の屋敷であったが、隅の方に屋敷神の小祠が残っている。中には玉菊大明神と書かれた木札が収めてあるのだが、村ではこれを道通様と呼んでいる。このツカイシメは蛇であるといわれている。道通様それ自体が蛇であるといわれてもいる。 |
話 名 | 蛇,ミサキ,水神,ヌシ,白蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 苫田郡 富村 |
要 約 | 蛇は水神のミサキであるとされている。苫田郡富村大のある家では、種籾を浸す神聖な泉に現れる蛇によって水神の神意を占ったよいうし、旧家にはヌシと呼ばれる白蛇の伝説がしばしばあったといわれる。 |
話 名 | 八大荒神,光りもの,大蛇,山の神,水の神,八大竜王 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 八大荒神は真言宗遍照寺の鎮守であり、光明山の山頂にある。その山頂は2峰に分かれているのだが、その両峰の間にある池には、昔光りものが出たとか、山の神、水の神とも言われ、八大竜王の信仰とも関係があると考えられる大蛇が棲んでいるとなどと伝えられている。 |
話 名 | 大蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 勝田郡 奈義町 |
要 約 | 雨乞いは、1度行えば十分というものではなく、降るまで何回も方法を変えたりして試みられなければならないものであった。勝田郡奈義町那岐山中の蛇淵では、雨乞いをするには、五升樽をこの淵に投げ込めば、その酒への返礼に、大蛇が雨を降らせるのだといった。或いは、この淵に鉄物を投げ込むと、大蛇が怒って雨を降らせるのだとも言う。 |
話 名 | 道通信仰,道通,蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 笠岡市 |
要 約 | 道通信仰とは、憑いたり祟ったりする蛇に関する信仰である。笠岡市伏越の道通谷や横島の道通山は、道通宮があったからついた名称なのだろうが、この道通とは、もともとはその蛇を管理した祈祷者の名前ではないかと思われる。 |
話 名 | 大蛇,鱗 |
資 料 | 高志路 通巻305号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 藩の典医を勤めていた家の祖先は大蛇と交わったことがあり、それから代々背中には3枚の鱗が生えている子供が生まれる。 |
話 名 | 道通信仰,蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 岡山市 |
要 約 | 岡山市沖元にある沖田神社境内の道通宮には近郊の、それも特に女性の信者が多い。男にだまされたりしたときにこの道通宮に祈れば、相手の男のところに無数の蛇が現れるのだという。 |
話 名 | 亀御前,蛇 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 久米郡 |
要 約 | 久米郡地方では、道通信仰で言われるのと同じ蛇のことを亀御前といって恐れている。これに呪われると無数の蛇が現れるのだという。 |
話 名 | 川の主,竜,一本松 |
資 料 | あしなか 通巻105号 |
場 所 | 真庭郡 中和村 |
要 約 | 蒜山に住む竜が川の主との争いに敗れて逃げ出し松の木によじ登ったため、松は竜に締めつけられてねじれてしまった。この松はねじれ松、ミサキ松、一本松などと呼ばれ、切ると祟りがあると言われている。 |
話 名 | 皿の龍 |
資 料 | 岡山民俗 通巻78号 |
場 所 | 川上郡 成羽町 |
要 約 | 赤木本家に藍色の龍の絵があるさらが2枚あったが、この皿に水を入れてご祈祷をし、皿の竜が動くと雨が降るといった。 |
話 名 | 竜の髯 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 吉備郡 水内村 |
要 約 | 将軍家から拝領したという竜の髯がある。旱魃になると、氏神で祈り、満願の日に竜の髯に水をかけると大雨になるという。 |
話 名 | 竜の舌 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 岡山市 |
要 約 | 禅光寺の安住院に竜の舌がある。実は鮫の鼻であるという。これを竜王堂の古池の水で洗うと雨が降るという。 |
話 名 | 竜の角 |
資 料 | 近畿民俗 通巻49号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 新養寺に竜の骨というものがあった。根にはイボのようなものがあったという。 |
話 名 | 悪竜 |
資 料 | 民間伝承 37巻1号 |
場 所 | 川上郡 成羽町 |
要 約 | 阪本の池に夫婦の悪竜がおり人を害したので、金太という者が夫竜を撃ち殺した。すると妻竜が女人に変じて現れ、「我は赤松池に帰るが、今後、お前の家は後家ばかりにしてやる」と言い残した。その後、金太の家は後家が続いたという。 |
話 名 | 帆立て岩 |
資 料 | 岡山民俗 通巻135号 |
場 所 | 浅口郡 里庄町 |
要 約 | 昔浜中の竜王山に八畳岩があり、遠くから見ると帆掛け舟のように見えたので帆立て岩といわれた。あるときこの岩を割りかけたところ、その割り口から真っ赤な血が流れ出し、石工は仰天して逃げ帰った。その後農道改修に使われ姿を消したが、そのたたりを恐れてお神酒を供えた。 |
話 名 | 八大荒神,ハットウ,ハッタイ,八大竜王 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 阿哲郡 大佐町 |
要 約 | 八大荒神は大佐町小坂部に信者が多く、有名なものである。ハットウ(八頭)、ハッタイと称する荒神もあるが、いずれも八大竜王と習合した荒神であろう。 |
話 名 | 竜の干物,竜 |
資 料 | 岡山県史 15巻民俗Ⅰ号 |
場 所 | 勝田郡 奈義町 |
要 約 | どうしても降らないときには、出雲からもらってきた竜の干物を使って雨乞いをする。新しいたらいに神社の井戸の水を汲んで竜の干物を入れると、それはどんどん大きくなってたらいの中を回り始める。そうして、雨が降ったら、お祭をしてその竜を水からあげ、しまっておくのだ。これによって雨が降らなかったことはないという。 |
話 名 | 竜 |
資 料 | 民具マンスリー 34巻6号 |
場 所 | 苫田郡 阿波村 |
要 約 | 八幡神社の、左甚五郎の彫刻の竜が田畑を荒らしたので、眼を潰した。 |
話 名 | 龍,タタリ |
資 料 | 岡山民俗 通巻39号 |
場 所 | 岡山市 下出石町 |
要 約 | お綱まつりを行うのは火災よけの守り神である龍のたたりをおそれてであり、お綱祭りを行わないと火災があるという。昭和19年にこの行事をやらなかったために町内に火事があったという。 |
話 名 | 梵鐘 |
資 料 | 旅と伝説 4巻8号通巻44号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | 備前西大寺にある国宝の鐘には龍神が大士に捧げたものであるという伝説がある。天正年間にこの鐘を宇喜多直家が岡山城内に移したところ、ついても音が出なくなった。直家がこの鐘を寺に戻すとまた鳴るようになったという。 |
話 名 | 藤五郎,龍 |
資 料 | 岡山民俗学会会報 110号 |
場 所 | 岡山県 |
要 約 | ある朝藤五郎は「池を掘ってから朝飯を食う」と言って出かけた。姿は見えないが土を掘る音がすさまじく聞こえた。池が出来あがったあくる日、急に雨が降り、池にいっぱい水がたまった。母親が止めるのに雨の中を藤五郎は池に行ったかと思うと、稲光がして藤五郎は龍となり、天高く昇っていった。それからこの池を藤五郎池と呼ぶ。 |
話 名 | 龍 |
資 料 | 口承文芸調査報告書 通巻9号通巻9号 |
場 所 | 真庭郡 |
要 約 | 尼子一族の吉田某のおまる姫のところへ、夜な夜な若者がやってくる。音も立てずにくるので、不思議に思って、殿様が家来に後をつけさせると、滝壺へ降りて龍になり淵へ飛び込んだ。これは大変と姫を監禁すると、恋わずらいになってしまった。姫を滝へ連れて行くと、淵へ飛び込んでしまった。お方が非常に悲しんで、もう1度姿を見せてくれ、というと、龍になって上がってきた。そこで諦めて酒を1升投げると沈んだ。それが6月1日で、お不動さんのお祭が6月1日である。 |
岡山県の竜蛇(「怪異・妖怪伝承データベース」より)