福島県 福島市: 信達湖水伝説福島県福島市:太古信達の平野は湖水であり大蛇が住んでいたが、水熊に追われ退いた。 黒沼大明神福島県福島市:信夫・伊達の平地は湖水であり大蛇がいたが、欽明天皇が下向されこれを討った。 信夫の大杉福島県福島市:笹木野に大杉があり、その精が美男子と化して村の娘に通っていた。 ささやき橋福島県福島市:笹木野の大杉で造られた橋が、夜になると通じていた娘を想ってささやいた。 虹を織る姫福島県福島市:山奥の淵で機を織る虹織姫と会うことを夢見てしまう櫛作りの若者がいた。 会津若松市: 鈴淵の由来福島県会津若松市:昔スズブチという沼があり、月夜には鈴を振ったような機織りの音が聞こえた。 おふじさん福島県会津若松市:鎌沼の主がとる人身御供に、おふじさんという娘が名乗り出て沈んだが、数日後空から舞い降りてきた。 郡山市: 安積鏑矢明神福島県郡山市:八幡太郎の軍勢が福原で大蛇の悩みを聞き、鎌倉景政がこれを討った。 大青大将の目福島県郡山市:獲物の山兎を大青大将にとられた土方が蛇を半殺しにしたが、家の水瓶にその頭が落ちた。 福良の穴尾福島県郡山市:弘法大師や殿様に追われた大蛇が逃げ、尾だけ見せて穴に隠れた。 舞木福島県郡山市:数千年の大櫟が土地を覆っていたが、これを伐り倒す方法をヨモギが教えた。 猪苗代湖の龍神福島県郡山市:猪苗代湖の深淵、三把菅には龍神がすむといい、そこは魔の湖でもある。 三把菅福島県郡山市:三把菅では度々水難事故が起こるが、その底には竜宮の門があるとも、主の大亀がいるのだともいう。 湖の主福島県郡山市:難船し漂流から助かった男たちは、二年前に湖上の大赤亀を見たのだといった。 湖底に沈んだ四十八ヶ村福島県郡山市:大同元年の磐梯山の噴火で猪苗代湖ができ、その底には四十八の村が眠っていると、土地では伝える。 おせんが渕と蛇ねぶり石福島県郡山市:渕に鉈を落としたおせんは、これを取ろうとして大蛇に呑まれてしまった。 おせんが渕福島県郡山市:鉈を落としたことを姑に叱られると悲嘆したおせんは、入水して大蛇となり姑を呪った。 機織御前と沼ヶ渕福島県郡山市:婚家がいやで入水した娘のいる渕に、宮司が鉈を落とし機を織る美女に出会った。 御前清水福島県郡山市:相思の若者との間を裂かれたお千代はオボケ沼に入水したが、機をよく織り機織御前と呼ばれていた。 千代ヶ崎福島県郡山市:相思の若者が旅に出ている間、お千代のもとには若者そっくりの蛇聟が通ってきていた。 藤石の藤と櫟福島県郡山市:山奥の大石が割れ、その渕から藤が出て、大櫟にからみついた。 蛇嘗石福島県郡山市:蒲倉に大蛇が嘗めたくぼみがあるという蛇嘗石がある。 蛇冠石福島県郡山市:三代宿近くの山腹に、大蛇が舌で落石を止めた跡があるという蛇冠石がある。 おろち柳福島県郡山市:牛右衛門が堤の柳に忘れた大金を守ったのは、昔彼に助けられたそこのおろちであるといわれた。 いわき市: 法念沼福島県いわき市:法念沼の主の大亀を射た覚右衛門だが、後日常陸でその甲羅を見た。 里屋橋福島県いわき市:村のさとという娘と通じていた大ケヤキが切り出されたが動かず、さとの歌声で動いたという。 横山台の蛇塚福島県いわき市:小川江筋開鑿は蛇に悩まされたが、みな捕えて埋め蛇塚に弔った。 物を食わぬ嫁さま福島県いわき市:物を食わぬ嫁の正体は大蛇で、菖蒲の前に一度去ったが、蜘蛛となって再度男を襲った。 竜の笛福島県いわき市:蛇岸淵の龍が歌をうたい、これを聞いた若者が、龍の歌の音の笛を作り上げた。 オチカミさまと安産福島県いわき市:山の神のそばにオチカミという祠があって蛇を祀り、山の神のお使いだともいう。 孫左衛門のはなし福島県福島県いわき市:船主になりたい孫左衛門は主になりたいと願を掛けてしまい、弁天さんに蛇にされてしまった。 菊田浦の大鮫福島県いわき市:相馬の殿様が松川磯の大鮫を射て、数年後に逆襲された。 鮫川の御前淵福島県いわき市:鮫川の御前淵には機を織る女がいるといい、七月七日に淵に機を流す。 水の中に御殿のあった話福島県いわき市:樵夫が山刀を淵に落とし取りに潜ると、水底には御殿があり機を織る姫がいた。 乙女淵・御前淵福島県いわき市:乙女淵(御殿淵)には、紅花を摘みに行って淵の御前様に魅入られた大家の娘がいるという。 御前淵の鮫と金の斧福島県いわき市:御前淵に斧を落とした爺が、淵の鮫に金銀の斧を差し出された。 蛇がん淵福島県いわき市:淵の主の大蛇の嫁となった娘が、蛇の髭で織った反物を贈ってきた。 須賀川市: 姥神様福島県須賀川市:桙衝神社の祭礼の假舎である姥神様は、蛭子神であり宇賀神である。 蛇明神と大藤福島県須賀川市:大蛇を祀った祠が大杉の根元にあるが、大きな藤が生え杉に巻きついた。 頭の三つある大蛇の話福島県須賀川市:白方神社の使いである三頭の大蛇の悪行ひどく、旅の坊様が調伏した。 喜多方市: 無行沼と貴船神社福島県喜多方市:むけの朔日に休みをおかした吾平は、無行沼の女に引き込まれてしまった。 子安観音福島県喜多方市:都の将軍が奥州に来た際、この地で夫婦の契りを交わして子をなした娘は、無行沼の大蛇であった。 若宮八幡の大蛇福島県喜多方市:若宮八幡宮を七巻き半する大蛇が見られたが、そも社は大蛇の死骸の上に建っていると伝わる。 相馬市: 手長大明神福島県相馬市:塩手山にいた手長大明神は、昔、松川浦から魚や貝を取って食べていた。 二本松市: 赤目鱈主福島県二本松市:油井の長者の池に住んでいた赤目鱈主が、水がなくなり娘と化して西に去った。 うわばみ山福島県二本松市:新倉が姿の見えぬ大蛇を宝刀で照らし出し斬ったが、首のとんだ山をうわばみ山という。 へび壇福島県二本松市:昔、偉い男が土地の白大蛇を退治した際、大蛇の首をへび壇に埋めた。 白蛇のたたり福島県二本松市:蛇王権現の上の白蛇の住む穴に熱湯を注いで殺したところ、一家はみな死に絶えてしまった。 機織御前福島県二本松市:安達太良に羽衣を奪われ女房となった天女は、羽衣を見つけ天に帰った。 居蛇沼の龍福島県二本松市:伊佐沼町は昔沼で、居蛇沼と書いたが、年経た大蛇が龍となったという。 南相馬市: 機織伝説福島県南相馬市:滝の桜を伐ろうとした二堂は、鉈を滝に落としてしまうが、鉈を取ったのは滝の乙姫だった。 伊達市: 水沼の赤めだら牛のはなし福島県伊達市:山間の大沼にいた赤めだら牛が沼が抜け流され、馬牛の沼に住むようになった。 蛇神の由来福島県伊達市:旧家の下働きの娘トヨに通う男をトヨと仲の良いおせんと一緒に追った。 延田の大蛇福島県伊達市:延田の山奥で見られた大蛇が五幸山に去ったというが、五幸山では蛇をよく祀る。 蛇なめ石のこと福島県伊達市:蛇の舐めた跡があるという大石が動かなくなり、女の髪をよった綱で引いたら動いた。 白蛇大神のこと福島県伊達市:女神山麓の豪農が白蛇に絡まれ切り捨てたが、蛇塚として祀った。 大蛇きれいな女房に化ける福島県伊達市:ケチな男の所に来て女房となった機織りのうまい娘の正体は大蛇であった。 蚕の蛇神様福島県伊達市:白根の明神が貸してくれる蛇が見えないと文句を言う人の家に沢山の蛇が現れた。 伊達郡: 桔梗姫福島県伊達郡桑折町:秀郷を恋慕するあまり、桔梗は半田沼に沈み蛇と化した。 半田沼の赤べこ福島県伊達郡国見町:金売吉次の赤べこが金銀をつけて半田沼に落ち主となり、塚野目の娘に通った。 赤べこと金福島県伊達郡国見町:赤べこが半田沼に落ちたころ、一帯は泥海であったという。 泉田の松の木のはなし福島県伊達郡国見町:泉田に地を陰が覆う大松があったが、そこに住む蛇が村の娘に通ったという。 深山さま福島県伊達郡国見町:深山神社の蛇来て、蚕の繭をねずみから守ってくれるので、卵をあげたものだった。 お滝神社の絵馬福島県伊達郡国見町:お滝神社でネズミ除けの蛇を借りたが、おさかぶといって、一尋もあるが尾の短い蛇だという。 石になった男福島県伊達郡川俣町:昔寝てばかりいる男がいたが、家を蛇に回られて、男は石になってしまった。 ヘビのたたり福島県伊達郡川俣町:蛇を殺したところ、そこからきのこが生え、食べた家の者がみな死んでしまった。 ショウブ湯の由来福島県伊達郡川俣町:山伏が大蛇に追われて菖蒲の茂みに隠れたら、そのきれいさに見とれた蛇に見つからなかった。 南会津郡: 桜木渕のオロチ福島県南会津郡下郷町:己作が桜木渕に忘れた大金を守ったのは、そこのオロチであるといわれた。 天女の恩返し福島県南会津郡下郷町:那須の八郎という強弓の武士が助けた大蛇が、娘となって恩返しに来た。 辰巳おろし福島県南会津郡南会津町:欲深な炭焼きが飯を食わぬ嫁を貰ったが、その正体は大蛇だった。 耶麻郡: 八蛇沼の大蛇福島県耶麻郡西会津町:安座はかつて大沼で百尋もある雄大蛇がいたが、大地震で沼の水が抜け死んでしまった。 磐梯山の大蛇福島県耶麻郡磐梯町:鉄砲打ちが龍が馬場で大蛇に呑まれそうになり、犬を犠牲にして逃げた。 御拝殿の蛇福島県耶麻郡磐梯町:御拝殿に泊まった篭細工の男が寝付けず天井を見ると、大蛇が見下ろしていた。 河沼郡: 公卿ヶ渕福島県河沼郡湯川村:公卿が大川の渕に釣りをしたが、主という大亀がかかり引き込まれてしまった。 古伝ヶ淵福島県河沼郡湯川村:古伝が淵に八百年住むという美女が次郎という若者を見初めたが、美女は河童だという。 巳待供養塔福島県河沼郡湯川村:干天の中佇む侍に問うと、自分は石碑の巳待供養塔なのだといった。 中村の蛇桜福島県河沼郡柳津町:中村の葬列が丘の桜を通りかかると、桜に大蛇がおり棺を巻き上げようと猛った。 反四郎坂と白兎福島県河沼郡柳津町:飯谷山の神の使いという白兎を撃とうとした反四郎は、大雪崩に襲われ死んだ。 飯谷神社と野老沢福島県河沼郡柳津町:兎を追い飯谷山頂に至った船木光景は、龍蔵権現を名乗る仙人に祀るよう告げられた。 白沼のおこり福島県河沼郡柳津町:白沼は影の映った者を引くが、飯谷山の大蛇が移り住みヌシとなっているという。 大沼郡: 沼沢沼の大蛇福島県大沼郡金山町:村人を悩ます沼沢沼の大蛇を佐原義連が討伐し、埋めた所に沼御前神社が建てられた。 高田城の蛇妻福島県大沼郡会津美里町:高田城の奥方が水を湧かせ城を守ったが、火攻めで落城する際に大蛇が昇天した。 蓋沼の怪福島県大沼郡会津美里町:美しい娘が大亀の主のいる沼で行水をし、大亀に引き込まれてしまった。 丸山大蛇と藤の花福島県大沼郡会津美里町:丸山の大蛇が殿様の邪魔になるといわれ去ったが、山を巻く藤が咲き誇った。 蛇に見込まれた娘福島県大沼郡会津美里町:娘に通っていた大蛇が正体を知られ、追ってきたので母娘は菖蒲の茂みに逃げた。 大蛇の通った道福島県大沼郡会津美里町:大蛇が土地を見つけ、山奥で参ることもできぬ会津総鎮守を平地に遷した。 西白河郡: 夏のマムシ福島県西白河郡泉崎村:寝ていたマムシがチガヤにつんぬかれたという話があるが、チガヤの幼生を夏のマムシという。 東白川郡: 水の絶えない大清水池福島県東白川郡棚倉町:聖武天皇のころ、西国巡礼に出た百姓が持ち帰った神が白蛇の宇賀明神で、涸れぬ大清水池をもたらした。 義家伝説福島県東白川郡塙町:常豊から笹原あたりは湖で大蛇がいたが、八幡太郎がこれを討った。 機織石と姥神神社福島県東白川郡鮫川村:大石から機織りの音が聞こえ、怪異を恐れ風殿・姥神神社と祀った。 米の精福島県東白川郡鮫川村:米を粗末にする奉公人が、白蛇と化した米に首を絞められ死んだという。 化身した黄金の鮫福島県東白川郡鮫川村:中野の長者の娘が池に飛び込み黄金の鮫となり、自分は主の鮫だったのだと告げた。 鮫の松川様福島県東白川郡鮫川村:入梅のころに鮫が杮落としに上ってくるが、見ると目が潰れるなど言った。 鮫川村の由来福島県東白川郡鮫川村:江州から男を追ってきた女が川に流され、鮫となって上ってくるので鮫川という。 紫肝福島県東白川郡鮫川村:相馬の殿様は紫肝なので、船に乗っていて鮫に狙われた。 双葉郡: 熊川の主争い福島県双葉郡大熊町:熊川の蛇ばみが淵の主の大鯰が、娘となって名主の次郎太に加勢を願いに来た。 弁天様の話福島県双葉郡大熊町:漁夫が信心する弁天様の前で子を拾い育てたが、育った娘が山中お婆さんに引き留められた。 相馬郡: 水神沼の大蛇福島県相馬郡新地町:水神沼に猿たちが涼みに来たが、騒ぎに起こった大蛇と死闘となり双方雷に打たれ死に絶えた。 おねこさま福島県相馬郡新地町:杉目の大槻神社は、蚕をネズミから守る「おねこさま」を貸してくれたが、それは蛇だともいう。 カエルの娘福島県相馬郡新地町:わがまま放題で婿を取らぬカエルの娘を水神沼の大蛇が見染めて追ってきた。 手長の仙人福島県相馬郡新地町:鹿狼山には、長い手をもった一人の仙人が棲んでいた。 狩人と大蛇福島県相馬郡飯舘村:獲物を追った狩人が長い幣のようなものに祟られ撃ったが、後に流れてきたのは大蛇であった。 おちよ蛇類明神福島県相馬郡飯舘村:若者の妻となり子をなしたおちよの正体は大蛇で、庄屋に子を育ててもらうよう告げ去った。