八丁池 静岡県賀茂郡南伊豆町 蛇石の北西一キロメートルにある一大くぼ池である。 天城火山と同時代に噴火した火口のあとで東西二十三町、南北二十七町三十間、周り一里四町余り、昔は水をたたえていた火口湖であったが、今は東の方池尻川に水を流して、かつての湖の底は一面の水田と化している。 伝説に甲州の狩人をのんだという大蛇のおった池がこの大池であるといわれている。 (一説には、大池は火口ではなかろうかとの説もある) (一町は約一一〇メートル、一里は約四キロメートルです) 南伊豆郷土館『南伊豆民話集』より 甲州の狩人を呑んだ大蛇の話というのは「甲人の塔」を参照。伊豆で「八丁池」といえば天城湯ヶ島の同名池のことだが、そことは別。しかし、南伊豆町の蛇石峠奥に同規模の池があったのかというと知らない。 大蛇討伐伝説ではこの池は単に「大池」と呼ばれるが、天城の八丁池と同じ名も使われたのだということは気になる点ではある(天城の方には大鹿のヌシの話がある)。 ツイート