諏訪様のお住みになっていた清水

原文

小海町五箇の清水は、むかし諏訪様がお住みになっていた所だといわれている。

諏訪様が蛇体になって、諏訪の湖から岳(八ヶ岳)を越して来てこの清水にお入りになったが、その通った所の黒斑の中は土が掘れたようになっており、またかやと(かやの原)は萱が倒れて道がついていたという。

村の人はこの清水のそばに諏訪神社をまつり、毎日盛んなお祭りをした。今このお宮は他へいっしょにまつられてしまった。(五箇、農、有井かねじ69)

『限定復刻版 佐久口碑伝説集 南佐久篇』
(佐久教育会)より